日野自動車、「日野環境マイルストーン2030」を策定

経営

2021年4月27日
No.21-011

50年の環境負荷「ゼロ」に繋げる30年中間目標―

 日野自動車株式会社 (以下、日野)は、会社の使命として「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する」を掲げ、持続可能な地球環境への貢献を目指し、17年に「日野環境チャレンジ2050」の環境ビジョンを策定、環境負荷「ゼロ」へのチャレンジを宣言しました。
日野は社会のライフラインである物流・人流を支え続ける商用車メーカーとして、深刻化する地球温暖化、水不足、資源枯渇、自然破壊などの様々な地球環境問題に対して真正面から取り組んでいます。

 今般、環境負荷「ゼロ」の実現を目指し、「日野環境チャレンジ2050」にて掲げた6項目のチャレンジにおける30年までの中間マイルストーンを設定し、取り組みを一層加速させてまいります。

 特に商用車は日本の自動車業界におけるCO₂排出量の約4割を占めるとの試算もあり、各国の掲げる「カーボンニュートラル」実現に向けて、商用車のCO₂削減は重要な課題と認識しております。
※出典:国土交通省HP 運輸部門における二酸化炭素排出量

 日野は環境課題解決を経営の最重要課題に位置付け、特に「カーボンニュートラル」の実現に向けては、ライフサイクル全体におけるCO₂を徹底的に削減すべく、各国政府・関連業界と連携し、お客様・社会起点の姿勢であらゆる方策を追求し続けてまいります。

【日野環境マイルストーン2030】

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6つのチャレンジ(方策)

1.ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ
目標:車両ライフサイクルにおけるCO₂排出量を13年度比 ▲25%削減(グローバル平均)
※各国のエネルギー政策などにより変動あり

【方向性】
「各国政府や関連業界と共にカーボンニュートラルに取り組む」

  • 「カーボンニュートラル」 実現には、ライフサイクル全体でのCO₂削減が必要
  • 車両ライフサイクルにおけるすべてのプロセスでCO₂を排出しており、各国のエネルギー政策や電動車の普及に向けたインフラ整備も重要であり、各国政府や関連業界と連携して推進

「お客様・社会起点の姿勢でCO₂を徹底削減」

  • 商用車メーカーとして、お客様・社会のお役に立ち、必要とされる(=持続可能な)あらゆるCO₂削減の方策を徹底的に追求し、ライフサイクル全体のCO₂削減に貢献

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2.新車CO2ゼロチャレンジ
目標:製品走行時のCO₂排出量を13年度比 ▲40%削減(グローバル平均)

【主な方策】
「ディーゼルエンジン燃費向上」

  • 日野の強みとしてこれまで世界中のお客様から信頼をいただいてきたディーゼルエンジン(含むハイブリッド技術)の環境技術に更に磨きをかける

「車両電動化の加速」

    • 商用車は車の大きさ(積載量)、移動距離、使用場所・用途が多種多様であり、お客様視点・ニーズに合わせた様々な電動車の開発促進
    • 電動車普及促進に向け、電動車導入・運用に関する困りごと解決のソリューションを提供し、早期の社会実装を実現

「輸送効率化への取り組み」

  • 車両のハード面だけでなく、荷主様・運行業者様と連携した物流マッチングによる幹線輸送の輸送効率化の取り組みでCO₂排出を削減

3.工場CO2ゼロチャレンジ  
目標 :工場からのCO₂排出量を13年度比 ▲40%削減(全グローバル工場平均)

【主な方策】
「革新技術の積極採用」

  • 設備のエネルギー消費を効率化するための革新的な技術の積極的な導入と共に設計見直しによる設備稼働の効率化も推進

「再生可能エネルギーの導入」

  • 地域毎の特性を考慮した再生可能エネルギーの工場内発電設備設置や再生可能エネルギーを採用した電力選定など、使用電力の再生可能エネルギー化を促進

「日常改善の推進」

  • 社員一人ひとりが日々取り組んでいる、各工程に潜むムダ・ムラの徹底的な撲滅や事務職も含めた業務効率化の積み重ねによる会社全体の省エネ化の継続

4.水環境インパクト最小化チャレンジ 
目標:量=地域毎に水リスクを考慮した節水・循環利用
   質=水環境の保全に繋がる厳しい自主基準での徹底管理

【主な方策】
「量=使う水は少なく」 

  • 日常的な節水活動に加え、最新技術による工場内排水のリサイクルや雨水の有効利用などにより、事業活動における工場外からの取水量を最小化

「質=還す水はきれいに」

  • 排水質において各国の法令基準より厳しく、周水環境に影響を与えない自主管理基準を設定し、順守を徹底

5.廃棄物ゼロチャレンジ
目標:グローバル生産工場からの廃棄物量18年比▲30%
【主な方策】
「廃棄物低減」

    • 現場での日常的な改善活動による減容化(Reduce)、最新技術を活用した廃棄物の再生・再利用化(Reuse)、リサイクル化(Recylce)により工場から排出する廃棄物を徹底削減

「資源利用効率化」

  • 製造過程で排出される廃棄物の徹底的な分別による有価物化や部品のリビルドなどによる再利用で資源循環を推進

6.生物多様性インパクト最小化チャレンジ
目標:全グローバル生産工場で「自然と共生」する工場づくり

【主な方策】
「生物多様性の保全」

  • 地域財産である「水(川と海)」、「緑(木と森)」について、地域特性に応じた保全活動を推進し、「自然と共生」する工場を実現
      水:河川、海洋保全活動(河川清掃など)
      緑:工場内植樹、(緑地を繋ぐ)生態系ネットワーク構築など

「学習機会の提供」

  • 次世代を担う子供や地域の皆様と地域の生物多様性について学び・考える機会を提供し、未来の「自然と共生」する工場へと活動を繋ぐ

 日野の自動車は会社の使命である「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献」し、50年先、100年先の世代に"つなぐ"ために、地球環境課題の解決に全力でチャレンジしてまいります。

以上


【SDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献】
日野では、自由に安全に効率的に、人と物が移動する「豊かで住みよい持続可能な社会」の実現を目指し、お客様・社会への価値提供として①日野車による「交通死亡事故ゼロ」、②「CO₂排出量の大幅削減」、③「お客様ビジネスの発展支援」、④「人流・物流の更なる効率化」の4つに取り組んでいます。

本件は、SDGsの以下の目標達成に貢献します。

トラック・バス事業における各ステップで、環境負荷最小化
トラック・バスが地球に与える環境負荷を極限まで低減する取り組み『日野環境チャレンジ2050』で、地球温暖化防止、資源循環、生物多様性保全などに貢献します。

サステナブルなバリューチェーンの構築
裾野の広いトラック・バスのバリューチェーンにおいて、社会・環境に与える影響を低減することで、環境負荷の少ない持続可能な社会の実現に貢献します。
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同じ志を持った仲間づくり(あらゆる力を結集した社会課題解決)
日野グループだけにとどまらず、同じ志を持つ企業とパートナーになり、社会課題解決に取り組みます。

(参考)
SDGsと日野の戦略・取組み(PDF)
サステナブルなバリューチェーンの構築(PDF)
トラック・バス事業における各ステップで、環境負荷最小化(PDF)
同じ志を持った仲間づくり(PDF)

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