商用EV「日野デュトロ Z EV」導入から稼働まで 全台EV化推進「グリーンコープ」を支える「CUBE-LINX」

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トータルサポート2025年6月12日

日野自動車が2022年6月に発売した小型BEVトラック「日野デュトロ Z EV」は、物流現場における使い勝手とカーボンフリーを高次元で両立します。商用EV(電動商用車)の事業利用に必要な充電設備の導入や、電力料金を抑えながら複数台を充電するためのエネルギーマネジメントは日野自動車のグループ会社であるCUBE-LINXがサポートしています。

※ Battery Electric Vehicle

グリーンコープ共同体様は安心・安全な商品の供給事業、環境・子育てなどの支援活動に取り組み、2027年までに配送トラックを全てEV(電気自動車)に切り替える計画を推進しています。日野デュトロ Z EVを212台(2025年3月末時点)導入し、2025年1月には、EVの稼働に最適な建屋を福岡県「宗像支部」に設けました。グリーンコープ共同体のみなさまに、CUBE-LINXのサービス利用検討から活用までの道のりをお話しいただきました。

グリーンコープ共同体 経営管理本部本部長 棚町伸良さん

グリーンコープ共同体 経営管理本部本部長 棚町伸良さん
EV導入や設備導入の計画を担当

グリーンコープ生活協同組合ふくおか宗像支部 支部長 福島淳二さん

グリーンコープ生活協同組合ふくおか宗像支部 支部長 福島淳二さん
配送管理を担当

同宗像支部 マネジャー 染矢比呂子さん

同宗像支部 マネジャー 染矢比呂子さん
ドライバーマネジメントを担当

同宗像支部 ドライバー 河野貴則さん

同宗像支部 ドライバー 河野貴則さん
配送を担当

1. ラストワンマイルの使い勝手を追求した「日野デュトロ Z EV」

日野デュトロ Z EVは、ワンステップで荷室への乗降が可能な床面地上高400mm(定積時)の超低床設計や、運転席から荷室へ車外に降りずに移動できるウォークスルー構造が特長です。「完全EV化」した宗像支部では配送トラック25台全てに同車をお使いいただいています。

――――日野デュトロ Z EVの使い勝手は。

荷台が低く助かっています。荷台が高い従来のトラックでは乗り降りが体力的に大変で、体格によっては乗降が難しいこともありましたが、今は体力の消耗を抑えられています。
1日の配達先は多い時に約60カ所あります。これまでは約360回乗降していましたが、ウォークスルーバンでは乗降回数がおよそ1/3に減り、作業時間が短縮されました。運転席からではなく歩道側から乗り降りできるので働く人の安全も守られていると感じます。(染矢さん)

モーター音が静かで、組合員さんから「来たのが分からなかった」と言われるほどです。ディーゼル車では組合員さんの自宅近くに停車することを申し訳なく思っていましたが、日野デュトロ Z EVは静かなのでアイドリング状態でも音が気にならず、エアコンをつけたまま車内で伝票整理や休憩ができるようになりました。(河野さん)

超低床の「日野デュトロ Z EV」へ荷物を積み込む

――――ディーゼル車の給油と比べてEVの充電の業務負担感はいかがですか。

これまでは週に2回、拠点から離れたスタンドで給油していました。管理者は給油カードを朝に配送担当者へ配り帰所後に回収していたため、給油忘れやカード紛失のリスクがゼロではありませんでした。(染矢さん)
一方、日野デュトロ Z EVは拠点に帰り充電器を差すだけなので管理者も配送担当も業務の負担が減りました。(河野さん)

――――普通免許で運転できるコンパクトな車両サイズも特長です。

「トラックは大きなイメージがあり、自分がトラックに乗っているイメージが湧かない」など大きな車に苦手意識を持つ方でも配達業務をできる車両を探していました。小ぶりな日野デュトロ Z EVならば抵抗感なく配達してもらえると考えました。(棚町さん)

2. 商用EV稼働に不可欠な環境

商用EVの導入にあたっては、車両の手配だけでなく、充電設備や設置工事の手配、電力契約など検討すべきことが多数あります。CUBE-LINXでは、充電器の必要台数の算出やメーカーの選定、受電設備・工事業者の手配、補助金申請など、商用EV導入にあたって必要になる面倒な手続きをワンストップでサポートします。

――――グリーンコープ様がCUBE-LINXの「商用EV・設備導入コンサルティングサービス」やエネルギーマネジメントシステム「エモ助」を導入したきっかけは。

グリーンコープでは、カーボンニュートラル達成に向けすべての車両をEVに切り替える必要があると2021年11月に考えました。しかし、すべてEVに切り替える前例がなく、どのように充電器の設置と運用を進めていくべきか不安がありました。

CUBE-LINX様は現地を視察したうえで、走行距離や稼働時間などの情報をもとに充電計画をシミュレーションし、充電器の最適な設置台数を提案してくれました。
エネルギーマネジメントシステムにより効率的に充電できることで、車両1台に対し充電器1台を設置するのではなく車両台数より普通充電器台数が少なく最も稼働効率が高いプランを選定できました。

充電管理システムを私たちのニーズに寄り添ったかたちでご提案いただいたことにより、配送現場も混乱することなくEVの導入ができました。車や荷物の移動を妨げない充電器や、簡単に取り扱える機器の提案も良かったです。(棚町さん)

――――新設した宗像支部では充電設備にどのような工夫をしましたか。

建屋に面して駐車するトラックに向け天吊り型の充電器を採用しました。これにより車両を充電器にぶつけるなどの構内の接触事故がゼロになりました。障害物がないため構内作業も効率的に行えています。(棚町さん)
天井にあることで車両を動かす時に充電器の位置を気にしなくていいのが大きな利点です。(河野さん)

荷物の積み下ろしや車両の走行を妨げない天吊り型の充電器

――――さらには、建屋や倉庫にプラットホームを設けないことで、超低床の日野デュトロ Z EVの稼働により適した拠点になりました。

配送トラックすべてに日野デュトロ Z EVを導入した宗像支部は、建屋・倉庫の床面と地上レベルに段差がないフラット形式を採用しました。他の拠点では80センチ高のプラットホームを使用していますが、フラット形式の採用によりプラットホームから転落する労災事故の減少や建設費用の削減が実現しました。(棚町さん)

プラットホーム形式で駐車できるのはプラットホームの幅に合う台数のみですが、段差のないフラット形式では一度により多くのトラックを停められます。積み下ろし時にトラックを入れ替える作業がなくなり、業務効率もアップしました。(染矢さん)

建屋の床面と地上レベルに段差がないフラット形式

建屋の床面と地上レベルに段差がないフラット形式

3. 現場の負担なく、効率的な稼働を支える充電マネジメント

商用EVの日々の運用では、電力料金上昇や稼働中の電力不足を避けるために、充電管理が欠かせません。車両の稼働計画をリアルタイムで一括管理できるエネルギーマネジメントシステム「エモ助」は車両ごとの稼働計画に沿った最適な充電計画を自動で生成・実行し、電力デマンドを抑えながら稼働に最適な充電を可能にします。

――――エネルギーマネジメントシステム「エモ助」を運用した感想は。

未来予測→充電計画作成・予約→充電自動制御→見える化のサイクルにより、電力デマンドの抑制に加え、現場責任者の運用負担が軽減されました。配送車両の運用方法をヒアリングいただき、現場にとっていい一番いい提案をしてもらいました。(棚町さん)

宗像支部では、車両と充電器の組み合わせを固定せず、現場にとってストレスがない方法で運用しています。帰庫後には翌日に向けた荷積み作業があります。帰庫した車両から順番に駐車スペースへ停め、その場所にある充電器をつなぐだけでシステムが充電時間や出力を自動で調節し、翌日の稼働に十分な電力を供給してくれます。配送担当者は駐車位置や積み荷との組み合わせに気を遣わず作業ができています。(福島さん・河野さん)

4. データを活用した業務効率化

――――CUBE-LINXのサービスを利用したからこそ見えた新たな課題や、今後の展望は

エネルギーマネジメントシステム「エモ助」で確認できる車両の位置情報を活用し、走行ルートの見直しなど業務効率の改善に取り組みたいと考えています。

また、グリーンコープでは、2027年のカーボンニュートラル実現に向け、配送トラック890台全てをEVに切り替える計画を進めています。CUBE-LINXのサービスを活用しながらドライバーに優しい設計のトラックを導入し、エネルギーマネジメントシステムを利用した充電管理システムで効率的な運行を目指します。(棚町さん)

関連リンク

グリーンコープ生活協同組合連合会 公式サイト

CUBE-LINX 公式サイト

本件に関する問い合わせ先

株式会社CUBE-LINX カスタマーソリューション部

お問合せフォーム https://cube-linx.co.jp/inquiry/

電話番号 050‐1808‐5821

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