日野環境チャレンジ2050
日野自動車が成し遂げるべきチャレンジ6項目
「日野環境チャレンジ2050」で掲げるチャレンジ項目は、以下の6項目です。

新車CO2ゼロチャレンジ
深刻化する地球温暖化を背景に、 国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)にて、地球の温度上昇を産業革命前に比べて2度未満に抑えることが合意されました。地球温暖化の一因であるCO2排出ガスの削減が急務です。
私たちは、トラック・バスのライフサイクルにおけるCO2排出量のうち、約9割を占める製品走行時のCO2削減にチャレンジしていきます。そのために、燃費に代表される環境性能を極限まで高め、並行してトラックの物流効率化にも徹底的に取り組みます。
ターゲット
製品走行時 CO2排出量 90%削減
主な取り組み



次世代を見据えた新車開発
次世代車の開発
製品環境技術に磨きをかけ、プラグインハイブリッド車、電気自動車、燃料電池自動車といった次世代車の開発を進め、それと並行して行政・その他関連団体と連携し、その普及を進めます。
既存技術の進展
ディーゼル車・ハイブリッド車の燃費性能の更なる向上や、減速エネルギーの効率的回収、車両の空力性能改善等を進めます。
物流効率化
車両を中心としたIoT技術活用により「物流の見える化」を進め、お客様と連携しながら物流のムダ、ムラを改善します。特に長距離物流が中心の幹線輸送では大型トラック、都市部では小型トラックを使用することを提案し、その物流車両の運行状況を適正管理する物流マッチングにより、製品からのCO2排出量を削減します。
ライフサイクルCO2ゼロチャレンジ
トラックやバスは、製品の走行時や工場における車両生産時はもちろんのこと、素材製造から廃棄・リサイクルまで、製品ライフサイクル全分野で地球温暖化の一因であるCO2を排出しています。日野グループでは、「CO2排出ゼロ」を追求していくことで、サプライチェーン全体での環境負荷を徹底的に低減し、地球温暖化防止に貢献していきます。
ターゲット
車のライフサイクル ~製品作りから廃棄まで~ CO2排出量ゼロ
主な取り組み



ライフサイクル

「素材製造」分野
素材製造時のCO2削減を図るべく、材料使用量や部品点数自体の削減に努めます。また部品製造時のCO2排出削減に繋げるべく、製品開発段階で環境に優しい素材を選択します。
「物流」分野
製品ライフサイクルの各ステップを繋ぐ「物流」段階においても、CO2排出量の削減に努めます。「商用車メーカー」として、人・物の移動を支える物流車両を次世代車・低燃費車に置き換えていくことと合わせて、「荷主」として物流業者と連携し、積載率向上やモーダルシフト、物流ルート短縮などにも取り組みます。
また中長期的には、高速道路整備、信号対策などの交通流対策や、車高、フルトレーラー全長の規制緩和など、行政と連携した道路交通セクターにおける総合的な対策にも積極的に参画していきます。
「商用車メーカー」としての取り組み
「荷主」としての取り組み
交通セクターの総合的対策
「廃棄・リサイクル」分野
車両廃棄時や、リサイクル時のCO2排出量削減に繋がるバイオ材、リサイクル材などの素材を積極導入します。
また並行して、「解体しやすく、リサイクルしやすい」製品を目指し、解体業者と連携し、ニーズを聞きあげながら、易解体設計を追求します。
工場CO2ゼロチャレンジ
製品を生産する際にも各事業所からCO2が排出されるため、地球温暖化を抑えるには、この「工場CO2」削減取り組みも不可欠です。
日野グループでは、生産現場の「日常改善」や「革新技術の導入」を進めるほか、再生可能エネルギーの積極利用も並行して進め、「工場CO2ゼロ」にチャレンジします。
ターゲット
車をつくる工場でCO2排出量ゼロ
主な取り組み
日常改善
生産現場で日頃取り組んでいる日常改善を加速させ、各工程に潜むムリ・ムダ・ムラを徹底的に撲滅し、そこにかかる加工時間、工程数、加工ライン長などを削減することで、工程の「シンプル化」、「スリム化」を進めます。
革新技術の導入
生産現場においてIoT技術等の革新技術を積極導入し、生産の「自動化」を図ることで「効率化」を追及することで、各工程におけるCO2排出量削減を進めます。
再生可能エネルギーの積極利用
日野グループでは、これまで生産事業所を中心に太陽光発電に代表される再生可能エネルギーを導入してきました。
今後その導入速度を加速させ、各工程で使用されるエネルギーを再生可能エネルギーで賄うことで、環境にやさしいエネルギー利用徹底を目指します。
水環境インパクト最小化チャレンジ
世界総人口の20%にあたる約12億人が安全に水資源を利用できていない中(環境省HPより)、今後の人口増加により、さらに水不足が拡大すると考えられます。
日野グループでは、水使用の削減を図ると同時に、各事業所から自然に還す際の排水の徹底浄化を進め、水資源問題に対し、地域と一緒になって取り組みます。
ターゲット
各事業所で水の使用最小化 排水の浄化
主な取り組み


「量」:使う水は少なく
水資源の用途の大半を占める工業用水を削減すべく、排水の回収および再利用化を進めます。
また、雨水を積極的に利用するため、敷地内に貯留ピットを設け、更なる工業用水の新規投入量削減を目指します。
さらに生活用水も削減を図るべく、食堂、トイレ、手洗い場などについて設備対策(節水型食洗器、節水コマなど)や節水啓蒙活動を徹底します。
「質」:還す水はきれいに
日野グループでは各事業所の排水処理場および排水浄化設備の運用基準を厳格化することで、排水の徹底浄化を推進します。
また同時に液物漏洩リスクを徹底的に低減することで、排水の水質悪化の未然防止を図ります。
廃棄物ゼロチャレンジ
世界人口は増加し、経済発展による資源枯渇のリスクは年々高まっております。また大量消費社会の副産物となる廃棄物も増加を続け、このままでは適正な処理が追いつかずに、深刻な環境汚染へと繋がりかねません。
日野グループでは「廃棄物ゼロチャレンジ」という高い目標を設け、廃棄物低減に向けた取り組みを進めるのと並行し、資源利用効率化に徹底的に取り組み、将来的な環境汚染防止を図ります。
ターゲット
各事業所で持続可能な資源利用廃棄物ゼロ
主な取り組み


廃棄物低減
車両を製造する際に排出される廃棄物の削減を図るため、3R(Reduce、Reuse、Recycle)を進め、廃棄物の「減容化」、「再利用化」、「リサイクル化」をグループ各社、取引先などと連携し、追求します。
資源利用効率化
バッテリー、モーターといった各部品には、レアメタルやその他貴金属類に代表される天然資源が含まれております。
日野グループはそれら天然資源を含め、廃棄される車両から少しでも多くの資源を取り出し、新しく製造する車両に活用する「Car to Car」を極限まで追求することで、新規資源投入量削減に取り組みます。
生物多様性インパクト最小化チャレンジ
近年、世界中の生物多様性は急速に失われており、例えば野生動植物の絶滅スピードを例にとると、7分間で1種絶滅しているとも言われています(環境省HPより)。日野グループは、それら生物多様性から計り知れない「恩恵」を受け、同時に「影響」を与えつつ、事業を展開しています。
私たちの事業が生物多様性に与えるインパクトを極限まで低減し、人と自然が共生する未来づくりにチャレンジします。
ターゲット
人と自然が共生する未来
主な取り組み


地域のインパクト低減:生物多様性をまもる
日野グループでは、各地域固有の特性に合わせ、希少動植物および在来動植物を保全し、生態系に影響を与える外来種の駆除を行うことで、地域固有の生物多様性を守ります。
また地域特性を配慮した上で植樹、ビオトープ造成等を積極的に行うことで、それぞれの事業所周辺地域の生態系に連続性を持たせ、「生態系ネットワーク」の造成に貢献していきます。
未来のインパクト低減:人をつくり、輪をつくる
生物多様性保全は現在に限った問題ではなく、長期的視点での取り組みが必要です。そのため、次世代を担う地域の子供たちにも関心を持ってもらうべく、生物多様性教育や関連イベントを積極開催していきます。
また、地域住民や行政、関連団体との対話、連携、さらに周辺生物多様性関連活動への助成を進めることで、地域特性に合わせ、地域全体で取り組む体制構築を図っていきます。
日野環境チャレンジ2050 ~豊かで住みよい世界と未来を次の世代につなぐために~