レースレポート 2020年
排気量10リットル未満クラス11連覇!!
連続29回完走、トラック総合部門5年連続トップ10入り!!
2020年 第42回 Dakar Rally 2020 Saudi Arabia
日野チームスガワラは、2020年1月5日~17日にサウジアラビアに舞台を移し初めて開催されたダカール・ラリー2020のトラック部門に、1号車「日野レンジャー(HINO500シリーズ)」、2号車「北米専用車(HINO600 シリーズ)」の2台で参戦し、1号車の菅原照仁ドライバーは、同部門の排気量10リットル未満クラスで優勝し、クラス11連覇を達成した。
初のサウジアラビア開催となった本大会。砂や土、岩場・砂丘と多彩に変化するコースを、本大会に向け改良された足回りや、菅原照仁氏のドライビングテクニック・過去の豊富な経験により、排気量の上回るライバル勢を相手に果敢に挑み、同部門の総合でも10位を獲得した。
菅原氏は、「予想していたよりもコース難易度が低く、中型車で大型車に挑んでいる我々にとってはチャンスが少なかったと感じています。その中でもしっかり走り切り、総合トップ10入り、クラス連覇も果たせたので良かった。今回から乗員を1人増やし3人乗車体制にしたが、まず、ナビゲーションの目が増えたことで、ドライバーとしては助かった。また、タイヤのパンク対応に従来は20分程かかっていたが、今回は3人で対応できるようになったため、半分ほどで済んだ点も大きなプラス要素でした。」と、ゴール後のインタビューで語った。

菅原氏のドライビングテクニックで攻める1号車
今回、新たにチームへ加入した塙郁夫ドライバーは、2号車にてダカール・ラリー初参戦となった。
オフロードでの豊富な経験を活かし1号車とともに総合上位を目指したが、序盤のステージ2において、走行中に車両のリアボディが破損するトラブルに見舞われ、ステージ3には参加せず車両の修復に専念。ステージ4以降、競技の順位はつかない賞典外としてコースに復帰したが、ステージ9の走行中、キャブ内のロールバーに亀裂が発生し、乗員の安全が確保できないと判断し競技続行を断念という悔しい結果となったが、車両のデータ収集に大いに貢献した。
塙郁夫氏は、「2号車は今回新たに開発した車両。試行錯誤やトラブルはつきもので、走ってみないとわからないことも多かったです。初めてのトラックでのラリー参戦で、走るのがだんだんと面白くなってきたところでリタイア。とても残念でしたが、本当に良い経験をさせてもらいました。」と語った。

サウジアラビアの大地を果敢に駆ける2号車
南米のような高標高地や大砂丘がないことを含めてコースの難易度はそれほど高くなく、サウジアラビア西部のジェッダをスタートした2輪144台、クアド(4輪バイク)23台、4輪83台、SSV(小型バギー)46台、トラック46台の合計342台のうちキディヤに到着したのは2輪96台、クアド12台、4輪57台、SSV31台、トラック28台。総合の完走率は65.5%と前回大会の57.8%を上回った。

応援メッセージを掲げて喜びあう日野チームスガワラ
トラック部門総合成績
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順位 | メーカー | タイム | タイム差 |
---|---|---|---|
1 | KAMAZ | 46:33:36 | - |
2 | KAMAZ | 47:16:02 | 0:42:26 |
3 | MAZ | 48:38:18 | 2:04:42 |
4 | KAMAZ | 49:29:04 | 2:55:28 |
5 | IVECO | 50:01:44 | 3:28:08 |
6 | IVECO | 51:00:33 | 4:26:57 |
7 | PRAGA | 51:50:33 | 5:16:57 |
8 | MAZ | 51:58:06 | 5:24:30 |
9 | TATRA | 52:41:29 | 6:07:53 |
10(1) | HINO | 52:52:15 | 6:18:39 |
()内は排気量10リットル未満クラスの順位
「HINO TEAM SUGAWARA」 ダカールラリー2020メンバー
1号車(日野レンジャー)
ドライバー:菅原照仁(日本レーシングマネージメント)
ナビゲーター:染宮弘和(ラリーストリーム)
ナビゲーター:望月裕司(日野自動車)
2号車(北米専用車)
ドライバー:塙郁夫(サミットレーシングプロモーションズ)
ナビゲーター:塙雄大(サミットレーシングプロモーションズ)
ナビゲーター:毛塚麻由美(日本レーシングマネージメント)
メカニック
永田康宣(東北海道日野自動車)
渡邉恭史(東京日野自動車)
渡邊啓介(群馬日野自動車)
星島宏一郎(岡山日野自動車)
鈴木誠一(日本レーシングマネージメント)
高杉健吾(Ken.Factory)
良川幸司(日本レーシングマネージメント)
清野幸記(日野自動車)
北川親二(日野自動車)
西山雅貴(日野自動車)
石井僚(日野自動車)
サポートメンバー
安藤瑠美(日本レーシングマネージメント)
近内舜(日本レーシングマネージメント)
亀田次男(日野自動車)
中塚直人(中東日野)
石田一輝(日野自動車)
ルートマップ

ダカールラリー2020走行距離
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日付 | ステージ | スタート | ゴール | トラック部門 走行距離(KM) | ||
---|---|---|---|---|---|---|
走行距離 | SS | |||||
1月5日(日) | ステージ1 | ジェッダ | アル・ワジュ | 752 | 319 | |
1月6日(月) | ステージ2 | アル・ワジュ | ネオム | 401 | 367 | |
1月7日(火) | ステージ3 | ネオム | ネオム | 489 | 404 | |
1月8日(水) | ステージ4 | ネオム | アル・ウラ | 676 | 453 | |
1月9日(木) | ステージ5 | アル・ウラ | ハーイル | 563 | 353 | |
1月10日(金) | ステージ6 | ハーイル | リヤド | 830 | 478 | |
1月11日(土) | 休息日 | リヤド | - | - | ||
1月12日(日) | ステージ7 | リヤド | ワディ・アル・ダワシール | 741 | 546 | |
1月13日(月) | ステージ8 | ワディ・アル・ダワシール | ワディ・アル・ダワシール | 713 | 474 | |
1月14日(火) | ステージ9 | ワディ・アル・ダワシール | ハラド | 891 | 415 | |
1月15日(水) | ステージ10 | ハラド | シュバイタ | 608 | 534 | |
1月16日(木) | ステージ11 | シュバイタ | ハラド | 744 | 379 | |
1月17日(金) | ステージ12 | ハラド | キッディヤ | 447 | 374 | |
合計(km) | 7,856 | 5,097 |
出場・完走台数
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名称 | 出場 | 完走 | 完走率 |
---|---|---|---|
2輪部門 | 144 | 96 | 66.6% |
クアッド(4輪バギー)部門 | 23 | 12 | 52.1% |
4輪部門 | 83 | 57 | 68.6% |
SSV(小型バギー)部門 | 46 | 31 | 67.3% |
トラック部門 | 46 | 28 | 60.8% |
合計 | 342 | 224 | 65.5% |