レースレポート 2014年
日野レンジャーが排気量10リットル未満クラスを完全制覇!
ダカールラリーの連続完走記録を23回に更新!
2014年 第35回 Dakar Rally 2014 Argentina-Bolivia-Chile

日野自動車はダカールラリー2014のトラック部門に菅原義正氏率いるチームスガワラとともに「日野チームスガワラ」として日野レンジャーの2台体制で参戦した。今回は2012年大会より3年計画で進めてきた新型レーシングトラック開発の総仕上げ。これを2号車として菅原照仁/杉浦博之組が走らせる一方、菅原義正/羽村勝美組が担当する1号車には、新開発の9リットルエンジン搭載車を先行投入して意欲的な布陣で臨んだ。あわせてサポート体制の強化を図り、日野自動車エンジン設計部の名越勝之がエンジニアとして帯同。メカニックはチーム母体である日本レーシングマネージメントの鈴木誠一がリーダー、日野自動車車両生技部の末永健司がサブリーダーを務め、全国の日野自動車販売会社から公募選抜された田村博明(東北海道日野自動車)、瀬沼礼代(横浜日野自動車)、富家忠彦(滋賀日野自動車)が参加した。
南米に舞台を移して6年目のダカールラリーは1月5日にアルゼンチンのロザリオをスタート。18日にチリのバルパライソにゴールする9209kmうち競技区間(=SS)5212kmで行われた。2台の日野レンジャーは序盤の山岳ステージから順調な滑り出しを見せ、2号車が排気量10リットル未満クラス1位、1号車が2位のワン・ツー体制を堅持した。7日には2号車が極低速で転倒を喫したが走行には影響なし。

その後、気温が47℃に達してリタイアが相次いだフィアンバラ周辺のSSも難なく走りきった2台は2号車が累計順位の総合13位、1号車も27位で前半戦を終えた。休息日のサルタではメカニックによる入念な点検・修理が行われリフレッシュして、チリでの後半戦へ向かった。そして最大の難所であるアタカマ砂漠での4連戦で持ち前の機動力を発揮した2号車は総合12位へと浮上。不運なミスコースもあり連日夜半のゴールとなった1号車も32位と健闘し、そのまま無事バルパライソに到着した。これにより日野チームは同クラス5連覇をワン・ツー・フィニッシュで飾ることに。2号車は大型車の強豪勢を向こうに総合12位という高順位を記録、1号車の新型エンジンも予想以上のポテンシャルを発揮した。走行スピードがあがり、日々ダメージを抱え帰ってくるレーシングトラックを、翌朝までに完璧な整備と修理を施した日野のサービス力が光り、クルマとヒトの体制強化が実を結んだ大会となった。
「HINO TEAM SUGAWARA」 ダカールラリー2014メンバー
1号車
ドライバー:菅原義正
ナビゲーター:羽村勝美
2号車
ドライバー:菅原照仁
ナビゲーター:杉浦博之
メカニックリーダー
鈴木誠一
メカニックサブリーダー
末永健司(日野自動車 車両生技部)
メカニック
田村博明(東北海道日野自動車)
瀬沼礼代(横浜日野自動車)
富家忠彦(滋賀日野自動車)
エンジニア
名越勝之(日野自動車 エンジン設計部)
ルートマップ

競技区間(SS):5,212km
移動区間(リエゾン):3,997km
走行距離合計:9,209km(すべてトラック部門の走行距離)
出場・完走台数
(台)
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名称 | 出場 | 完走 | 完走率 |
---|---|---|---|
二輪部門 | 174 | 78 | 45% |
クワッド(バギー)部門 | 40 | 15 | 38% |
四輪部門 | 147 | 62 | 42% |
トラック部門 | 70 | 50 | 71% |
合計 | 431 | 205 | 48% |