北米ロサンゼルス港における港湾水素モデルの事業化に向けた実証事業に参加

商品・技術情報

2021年12月21日
No.21-039

― FC大型トラックの運用実証を通じ、実用化を加速 ―

　日野自動車株式会社（本社：東京都日野市、社長：小木曽聡、以下日野）と日野の生産子会社の日野モータースマニュファクチュアリング U.S.A.（本社：ミシガン州ノバイ、社長：大野敬、以下米国日野製造）は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）の水素社会構築技術開発事業の公募において「北米LA港における港湾水素モデルの事業化に向けた実証事業」が採択を受け^※1、米国カリフォルニア州のロサンゼルス港（以下、LA港）での地産地消型クリーン水素モデルの実装実証事業（以下、本実証実験）を実施します。本実証実験は、豊田通商株式会社、Toyota Tsusho America, Inc.、株式会社三井E&Sマシナリー、PACECO CORP.の4社と共同で2022年2月から2026年3月にかけて段階的に実施する予定です。

※1 「水素社会構築技術開発事業／地域水素利活用技術開発」第2回公募に係る実施体制の決定について　
（2021年12月3日 NEDO発表）

1．背景
　LA港および隣接するロングビーチ港（以下、LB港）では、ディーゼル機材の使用による大気汚染が長年問題視されており、港湾荷役機械や港湾を起点にコンテナ輸送を行うトラックなどをゼロエミッション化する計画が打ち出されています^※2。LA港・LB港は全米随一のコンテナ取扱量を誇り、太平洋側の海上貿易における重要拠点です。コンテナ取扱量を維持しながらゼロエミッション化を目指すためには、長時間の稼働と短時間の燃料供給が可能な水素燃料電池モデルがディーゼル機材の代替として有望視されています。

※2 港湾荷役機械は2030年、コンテナ輸送を行うトラックは2035年までにゼロエミッション化

2．本実証実験内容
　港湾荷役機械とトラックの水素燃料電池化および港湾に特化した地産地消型クリーン水素モデルの構築に向けて、実使用環境下での継続的な実証実験を通じて、技術・運用面、環境面、事業面の検証を6社共同で行います。
　この中で、日野と米国日野製造は燃料電池トラック（以下、FCトラック）の製作・運用・分析を担当します。米国日野製造と日野の米国販売子会社である日野モータースセールス U.S.A.およびトヨタ自動車株式会社の北米事業体であるToyota Motor North America, Inc.が共同で開発しているFC大型トラックを用いて、実使用環境下における本格的な走行を通じて運行データを蓄積・分析し、現行のディーゼル車両と比較した安全性や運行のパフォーマンスなどを分析します。

　日野は、中長期経営戦略「Challenge 2025」において、CO₂排出量の大幅削減を通じてお客様や社会に価値提供することを目指しています。また、「日野環境チャレンジ2050」（2017年発表）で環境負荷ゼロへのチャレンジを掲げており、2021年4月には中間目標となる「日野環境マイルストーン2030」を設定し、カーボンニュートラルの実現に向け取り組みを加速しています。こうした方針に基づき、米国においては車両のゼロ・エミッション化プロジェクト「Project Z」を推進しています。本件FC大型トラックの開発および導入に向けた実証実験を通じて、これらの取組みを加速し、「豊かで住みよい持続可能な社会」の実現に貢献してまいります。

＜実装実証バリューチェーンイメージ＞

＜本実証実験で使用するFC大型トラック(イメージ)＞

以上

【SDGs（持続可能な開発目標）達成への貢献】
日野では、自由に安全に効率的に、人と物が移動する「豊かで住みよい持続可能な社会」の実現を目指し、お客様・社会への価値提供として①日野車による「交通死亡事故ゼロ」、②「CO₂排出量の大幅削減」、③「お客様ビジネスの発展支援」、④「人流・物流の更なる効率化」の4つに取り組んでいます。

本件は、②「CO₂排出量の大幅削減」について同じ志を持つパートナーとともに取り組むことにより、SDGsの以下の目標達成に貢献します。

【1】安心・安全で、環境にやさしく、人と物が、自由に最適に移動できる社会の実現
交通死亡事故ゼロ、CO₂排出量の大幅削減、人流物流のさらなる効率化によって、「豊かで住みよい持続可能な社会」実現を目指します。