ステージ12:初参戦のハイブリッド搭載HINO600シリーズが総合22位完走 ダカール2022ゴール場所のジェッダに到着

2022年1月15日
No. PD22-13

ジェッダのゴールポディアムに上がったHINO600シリーズ 1N9A8839.jpgジェッダのゴールポディアムに上がったHINO600シリーズ

ジェッダにゴールした日野チームスガワラ 0L3A3617.jpgジェッダにゴールした日野チームスガワラ 

 ダカール2022114日、サウジアラビアのビーシャ~ジェッダ間で最終のステージ12を実施してジェッダの最終ゴールに到着。海岸沿いのF1サーキットでポディアムセレモニーが行われて14日間の大会の幕を閉じた。

 ハイブリッドシステムを搭載したHINO600シリーズでトラック部門に参戦した日野チームスガワラは166.57㎞の最終SS(競技区間)をトラック部門総合15位で走破し、累積順位のトラック部門総合22位で完走。日野自動車にとって1991年の初参戦以来となる31回完走を果たした。

 この日はビーシャのビバークから230㎞のリエゾン(移動区間)でビーシャの北方へ移動。166.57kmの最終SSは内陸の山間地が舞台となった。序盤の路面は小さい山の間を越えて行くグラベル(堅い土の路面)だったが、やがてたくさんのワダチがある丘陵に変化。頻繁に指示が変わるカップ(方位)に対応しながら正しいワダチを見つけてトレースする、ナビゲーションの難しい区間となった。終盤になると路面は砂地となり、ソフトなワダチやワジ(枯れ川の底)を通過してゴール。距離は短いが石によるパンク、またスタックの可能性もあるリスキーなコースだった。SSを終えた競技車は再び286.26kmのリエゾンを走り、最終ゴール地であるジェッダに到着した

 昨日の競技中にオートマチックトランスミッションのトラブルに見舞われたHINO600シリーズはビーシャのビバークでミッションを交換して復旧。一昨日の電気系トラブルに続いて大幅なタイムロスとなったが、チームはひとつでも順位を上げてジェッダにゴールするべく、集中力を高めてこの最終SSに臨んだ。昨日までの不具合を解消したHINO600シリーズは快調な走りを見せ、ナビゲーションが難しい区間もミスなくクリアして総合15位でゴールした。

 今大会のゴールセレモニーは海岸沿いの観光スポット、昨秋F1GPが初開催されたばかりのジェッダ・コーニッシュ・サーキットが会場となった。コース上に大きなゴールポディアムが設営され、トラックを含む全完走車両が登壇する。日野チームがポディアムに到着したのは午後8時過ぎ。大きな鯉のぼりを取り付け、ルーフ上にメカニックたちを載せたHINO600シリーズで登壇した菅原照仁/染宮弘和/望月裕司の3人は観客の歓声に手を振って応えていた。

菅原照仁

2年間を掛けて開発したハイブリッドシステム搭載車両は多くの方々にサポートして頂いたプロジェクトでもあります。トラブルの発生により期待にお応えすることができませんでしたが、問題の出たところは全てラリーの本番を走らないと確認出来ない部分です。今回の結果は将来に繋がるものだと思います。これだけトラブルが出たことはなかったので大変でしたが、メカニックも大変だったと思う。改めて感謝したいです。

染宮弘和

なんとかクルマをゴールまで連れて帰ることが出来て良かった。昨日のステージではウェイポイント不通過のペナルティを課された上で順位がついているので、今回の結果は立派な完走だと思います。

望月裕司

大会中を通じて様々なトラブルが発生しましたが、おかげで乗車メカニックとしてはこれまでで一番機能することが出来たと思います。今回はチャレンジをした年なので、順位は後退しましたが得たものは大きい。今後の開発に必ず活かせると思います。大変な半面、ボンネットキャブになって乗り心地が良くなり、体力的にはラクでした。

濱井抄太郎

ハイブリッドは初めてのチャレンジでトラブルもありましたが、最後まで機能することが出来て良かった。貴重なデータが取れたので次につなげたいと思います。

鈴木誠一

電気系のトラブル、2年目のオートマチックトランスミッションのトラブルと色々ありましたが、今後に向けて耐久性のデータがとれたのは良かったと思います。

佐藤龍晴

初めてラリーに参加して競技の厳しさを体感しました。今の課題はクルマづくりの信頼性を向上させていくことだと思います。

西山雅貴

ハイブリッドだけでなく、いろいろなところにトラブルが出てしまいました。HEVで速くなったことについてこられない印象です。ともあれ次に繋がる大会になったと思います。

良川幸司

今回はトラブルが多かったですが、次に役立つ経験が出来ました。この経験が今後のより良いクルマ作りにつながれば良いと思っています。

佐藤忠章

毎日が長かったです。現場の負担は以前より大きかったのかなと思います。ともあれ完走出来て良かったです。

毛塚麻由美

今回はアシスタントトラックの日野ZSのドライバーを務めさせて頂きました。無事、安全にジェッダに着いて良かった。運転はとても楽しかったです。

安藤瑠美

ハイブリッドは初めての試みで最後まで完走出来るか不安でしたが、無事にゴールしたのを見てほっとしました。

近内舜

アシスタンスカーのドライバーとして安全に運行出来て良かったです。今回はメカニックさんたちの負担が大きく、また寒暖差の大きな環境の中で大変だったと思います。

メカニックをルーフ上に載せてポディアムに登壇したHINO600シリーズ 1N9A8810.jpgメカニックをルーフ上に載せてポディアムに登壇したHINO600シリーズ

無事ラリーを終えた菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組 0L3A3623.jpg無事ゴールした選手たち (左から望月メカニック、菅原ドライバー、染宮ナビゲーター)

濱井エンジニアと望月裕司 0L3A3630.jpg濱井エンジニアと望月裕司

ステージ11のハイライトを以下よりご覧いただけます。

ステージ12のハイライトを以下よりご覧いただけます。

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