ステージ7:後半戦の初日で初のトップ10入りを果たす 柔らかい砂の高速ステージをトラック部門総合10位でゴール

2022年1月10日
No. PD22-08

ビバークに到着するHINO600シリーズ 0L3A2585.jpgビバークに到着するHINO600シリーズ

アル・ダワディミのビバークで整備されるHINO600シリーズ 3A2784.jpgアル・ダワディミのビバークで整備されるHINO600シリーズ

 19日、ダカール2022はサウジアラビアの首都リヤド~アル・ダワディミ間でステージ7の競技を実施。いよいよ後半戦がスタートした。

 ハイブリッドシステムを搭載したHINO600シリーズでトラック部門に参戦している日野チームスガワラは、昨晩遅くまでメカニックたちがリフレッシュした車両でこのステージを快走。同部門総合10位でゴールを果たした。同日までの累積順位は総合17位をキープしている。

 この日の行程はまずリヤドから209.73㎞のリエゾン(移動区間)で西進。アル・ダワディミ北方の山間地に設けられたSS(競技区間)スタート地点に向かう。401.74kmSSは全体にハイスピードだが路側に多くの石があったり、たくさんの交差するワダチが進路を惑わせる区間も。先行車の巻き上げた埃で視界を奪われる場面もあった。その後幾つか砂丘を越え、最後はワジ(枯れ川の底)の谷間を抜けてゴールに到達した。そこから97.73㎞のリエゾンでアル・ダワディミのビバークに至る、総延長709㎞あまりの長い一日となった。

 菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組が駆るHINO600シリーズは休息日にキャパシタケースの揺動をさらに抑える調整とともにリアサスペンションのセッティングを見直した。これにより一層走りやすい状態に仕上がったが、この日はエンジンの排気温度やエンジンオイル温度が高めで推移したため、出力を抑えながら走行した。また、新たに試した惰性走行中の燃料噴射で発電量を増やす制御はターボラグ解消の効果が感じられず、エンジン負荷の低減を図るべく途中からは制御をカットして走行した。それでも順調なペースを保つとともに、ロードブックが指示するカップ(方位)が頻繁に変わる中でウェイポイント(通過を義務つけられたGPSの座標位置)を捕捉しながら進んでいくナビゲーションも正確にクリアし、トラック部門10位の好成績でゴールした。

10日はアル・ダワディミから南下して後半戦の難所とされるワディ・アド・ダワシールへ向かう。南西部の砂漠を舞台にいよいよ大会は山場を迎えそうだ。

菅原照仁

リアサスが良く動くようになり、キャパシタケースの振動が減ったことと併せて、安定して乗りやすい状態に仕上がりました。エンジンの問題がありましたが、基本的には気持ち良く走れました。今日は堅いところも多く、全体にハイスピードでしたが、砂はとても柔らかかったです。

染宮弘和

頻繁に変わるカップに合わせてワダチを乗り換えながらウェイポイントを拾っていく、ナビゲーションの難しいステージでした。ポイントをミスして戻った車両が他の車両と正面衝突しているのも見ましたが、酷い埃で視界を奪われる、リスキーなところもあったと思います。

望月裕司

原因はまだ分かっていませんが、走行中に油温や排気温度が高めで推移して気が気ではありませんでした。せっかく車両が仕上がってきたのにエンジンが足を引っ張るわけには行きません。惰性走行中の制御もやり直しです。

順調な走りを維持した菅原照仁 0L3A2590.jpg順調な走りを維持した菅原照仁 

濱井エンジニアとデータを確認する望月裕司0L3A2624.jpg濱井エンジニアとデータを確認する望月裕司

メカニックに要望を伝える染宮弘和 0L3A2612.jpgメカニックに要望を伝える染宮弘和

中間休息日のハイライトを以下よりご覧いただけます。

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