中間休息日:リヤドの中間休息日で車両と人員をリフレッシュ 後半戦に向けて万全の態勢を整える
2022年1月9日
No. PD22-07
揃って昼食を摂る日野チームスガワラ
休息日の夜遅くまで整備を行った日野チームスガワラ
ダカール2022は8日、サウジアラビアの首都リヤドで中間休息日を迎えた。この日は競技は行われず、ドライバーとナビゲーターにとっては休息と後半戦に向けた準備、メカニックにとっては車両の点検整備で忙しい一日となる。ビバークが設営されたのは飛行場近くにある大学の敷地内。5日にアル・カイシュマから到着したあと6日、7日と当地のループコースで競技を行ったため、ダカールでは珍しい4日間連続して滞在するビバーク地となった。
日野チームスガワラのメカニックたちは7日夕刻に車両がビバークに到着したあと夜半まで作業を実施。この日も早朝から仕事にかかり、終了したのは9日の未明となった。整備内容は定期予定交換部品の交換や点検整備のほかキャパシタケースの揺動を抑えるための調整、トランスファーの交換など盛りだくさん。5人のメカニックたちの頑張りで車両は完全にリフレッシュされ後半戦に向けて万全の態勢を整えた。
ハイブリッドシステムを搭載したHINO600シリーズで初めてのダカールを戦う日野チームは当初、日本国内のテストでは確認されなかったキャパシタケースの揺動が車体の操縦安定性に悪影響を及ぼすトラブルに見舞われて低迷したが、揺動を抑える対策を講じてからは順調にペースアップ。4日の競技から3ステージ連続で総合12位のSS順位を記録し累積順位は総合17位に浮上した。後半戦に向けては各部のファインチューニングを施し、さらなる上位をめざす。
菅原照仁
しっかりとしたペースで走れるようになってきたので、後半戦では引き続き煮詰めを行い、車両の完成度を高めたいと思います。コースはさらに難しい砂丘が出てくると予想。ナビゲーションもいっそう難しくなりそうです。
望月裕司
車両はしっかりリフレッシュ出来ました。ハイブリッドシステムはアクセルオフの状態でエネルギー回生、すなわち発電を行いますが、その状態で発電量を増やすべく、発電に必要なトルクを発生するだけの燃料を噴射する制御を明日は試します。目的は発電量を増やすことよりも、アクセルオフ時に燃焼が続くことでターボチャージャーの回転が下がりにくくすることにあります。再加速時の速やかな過給圧の上昇を促し、いわゆるターボラグの解消効果を期待しています。車両の状態が良くなってきたので、こうしたことも試すことが出来ます。
染宮弘和
長い時間を掛けて車両を良い状態に保ってくれるメカニックさんたちに感謝の気持ちです。明日からの後半戦は厳しいステージが続きそうなので、気を付けて頑張ります。
鈴木誠一
中間日の作業内容としてはこれまでと変わりませんが、トランスファーの交換があったので時間が掛かりました。ギアボックスとハイブリッドモーターの双方から入力を受けるトランスファーには大きな負荷が掛かります。このほかフローティングマウントされているキャパシタケースは、より動きが小さくなるよう仕様を変更しました。
順調な進捗に安堵の鈴木誠一
トランスファーの交換作業を進めるメカニックたち
燃料搭載量を打ち合わせる菅原照仁と染宮弘和
ステージ6のハイライトを以下よりご覧いただけます。