ステージ3:エンプティクオーターの難コースで不運な転倒 明朝からの競技続行に向けてチーム全員で修復作業を行う
2021年1月6日
No. PD21-05
引き起こした際の損傷が激しいリアボディ
修復の打ち合わせをする日野チームスガワラ
日野チームスガワラの日野レンジャー菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組は5日、サウジアラビア南部のワジ・アド・ダワシールを基点にした403㎞のSS(競技区間)を走行中、137㎞地点手前の砂丘で転倒。幸いにも乗員3人に怪我はなく、後続の競技車に車体を起こしてもらったあと再び走り出し、総合26位でゴールした。
午後7時半ごろビバークに到着した車両は主催側技術委員のチェックを受けた。
その結果、安全上の要件であるロールバーは損傷しておらずウインドスクリーンの装着やリアボディの修復を条件に競技続行が認められ、チームは早速点検と修理作業に取り掛かった。
サウジアラビア南部にはアラビア語で「何もない地域」(エンプティクオーター)を意味するルブアルハリ砂漠が広がっている。
この日のSSはその北端にあたるワジ・アド・ダワシールを基点に同砂漠の北部を巡るループ状の行程であった。
コースは砂丘だけでなく渓谷や岩場、ワジ(枯れ川の底)などと変化に富み、クルマを壊すリスクの高いテクニカルな箇所、ナビゲーションの難しい区間も多数存在する。アクシデントが発生したのは前半部分の砂丘の丘陵。下る途中の窪みに車速40㎞/hほどで入り、前輪を軸にして前方に転倒した。
車輪を上にして着地したためキャブは変形してウインドスクリーンが割れ、リアボディも大きく壊れたがパワートレーンやシャシーのダメージは殆どない。SSの結果はトップから4時間21分遅れの26位となり、この日までの累積順位は18位に後退したがまだ序盤戦。チームは明日からの競技で順位浮上を目指す。
6日は北上して首都リヤドへ向かう行程。800㎞超の長丁場で途中337㎞のSSが予定されている。
菅原照仁
砂丘を下りながら窪みにむかって転倒。スピードは出ておらずウインドスクリーンが割れるのがスローモーションのようでした。なんとか修復して競技を続けます。
染宮弘和
ナビの機器などに影響はなかったので転倒後もそのままナビゲーション出来ました。ただフロントのウインドウがないのですごく寒かったです。明日から気持ちを切り替えて頑張ります。
望月裕司
転倒してから起こすまで1時間以上掛かりましたがエンジンは筒内にオイルが回っておらず問題なく再始動出来ました。データロガーなどは損傷しましたが走る機能は問題ありません。
夜7時半ごろビバークに到着した日野レンジャー
修復の指示を出す菅原照仁
靴に溜まった砂を捨てる染宮弘和
ステージ3のハイライトを以下よりご覧いただけます。