セレモニー:本番スタートに向けて準備万端整う ジェッダ市内でプロローグランとセレモニアルスタートを無観客で実施
2021年1月4日
No. PD21-02
スタートポディアムに登壇した日野レンジャー
スタートポディアムで日の丸を掲げる
菅原照仁、望月裕司、染宮弘和
ダカールの2021年大会は世界的な新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、関係者全員が感染対策に細心の注意を払いながら開催される。舞台となるのは前回と同じ中東のサウジアラビア。紅海沿岸にある第二の都市ジェッダを基点(スタート/ゴール)に前回とは逆の反時計周りで同国内を巡り3日間12ステージの競技を行う。全行程は8009㎞、うち競技区間(SS)は4767㎞と競技区間の比率が比較的高く同国内の大半を占める砂漠地帯で厳しい戦いが予想されている。
日野チームスガワラは今大会に日野レンジャー(HINO500SERIES)の1台体制で臨む。車両は前回の仕様を基にした悪路での振動対策や軽量化など一層の熟成によりクラストップの戦闘力が期待される。ドライバーを務めるのはチーム代表の菅原照仁。ナビゲーターも前回大会と同じ染宮弘和と望月裕司(日野自動車)という信頼関係の醸成された布陣である。新型コロナへの対応からラリー現場のアシスタンス部隊も菅原が代表を務める日本レーシングマネジメント社のスタッフ6人で担当するなどコンパクトな体制だが持ち前のチームワークの良さを発揮し排気量10リットル未満クラスの12連覇とともにトラック部門総合の上位入賞を目指す。
菅原とチーフメカニックの鈴木誠一らチームの先発隊3人は19日に現地に入り3度のPCR検査を受けるなど万全の対応を行ったうえで活動を開始。日本から海路で運ばれてきた日野レンジャーを受け取ると後から合流したスタッフとともに一般から隔離された主催者の指定場所で最終調整や点検を行った。1日には車両検査を受けて問題なく合格。2日には郊外の丘陵で第1ステージの出走順を決める11㎞のプロローグランに臨みトラック部門総合44台中19位の成績でゴールした。続いて市内のキング・アブドーラスポーツシティで無観客のスタートセレモニーが行われ、日野レンジャーは午後10時頃ポディアムに登壇。これで競技開始への準備は全て整った。3日朝には第1ステージがジェッダをスタート。紅海沿いに南下するルートで最初のビバーク地ビシャまでに277㎞の競技(SS)が予定されている。
菅原照仁
今回は1台で少人数の体制ですが不安はありません。みんなでしっかり役割を果たし、前回以上の総合順位に入ることが目標です。車両は例年以上に国内テストを行いキャブサスなど時間をかけて改良してきたので本番を走るのでとても楽しみです。
望月裕司
今年も引き続き染宮さんとともに乗車することになりました。本職はエンジニアですがナビとして照仁さんの走りに貢献したい。また今後の開発のためにしっかりとデータを収集するのも重要な役割でデータロガーも使いやすいシステムに変更しています。
染宮弘和
今回はロードブックが直前の配布だけでなく電子化(液晶パネルに表示)されることになりました。予習は出来ず、その場その場で出てきた状況に対応することになります。ロードブック上の(書かれている)フランス語の略称を覚えておくのが大変ですがしっかり頑張りたいと思います。
ジェッダ市郊外のスポーツセンターに設けられた整備場で
最終調整を行った日野レンジャー
封印の取り付けを見守る菅原照仁
検査官の質問に答えるチームスタッフ
無事に検査を終えて車検場を出る日野レンジャー
車検会場で装備品検査を受ける日野チームスガワラ
キングアブドラスポーツセンターでの車検に臨んだ日野チームスガワラ