ステージ12:最終ステージを総合15位で走破。累積では総合10位、排気量10リットル未満クラス11連覇を達成

2020年1月18日
No. PD20-27

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砂地のオフロードを駆け抜ける1号車

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 ダカール・ラリー2020は17日、サウジアラビアのハラド~キディヤ間で最終ステージを実施。その後キディヤにゴールして同地でフィニッシュセレモニーが行われた。
 日野チームスガワラの1号車菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組(日野レンジャー/HINO500シリーズ)はハラド近郊に設定された最終SS(競技区間)をトラック部門総合15位でゴール。これにより最終的な累積順位を総合10位として排気量10リットル未満クラスの11連覇を達成した。

 ハラドのビバークから131㎞のリエゾン(移動区間)に続いて行われた最終SSは167㎞と短いもの。難易度は高くはなく砂地のオフロードが中心だが途中には砂丘も登場した。その後117㎞のニュートラルゾーンで首都リヤド近郊にあるキディアへ移動。同地のゴール会場に到着した。キディアは総合レジャー施設の建設予定地でF1サーキットの建設も計画されている。競技者は最後にゴールの演出として会場の周辺に設定された13㎞の「キディヤGP」に臨み、続いてフィニッシュポディアムに登壇した。同GPは非公式な競技区間のため走行タイムは競技結果に加算されない。

 1号車がポディアムに到着したのは午後4時過ぎ。壇上でトロフィーを受け取った菅原照仁らはメカニックやスタッフとともに観客の歓声に手を振って応え、2週間にわたっての戦いが幕を閉じた。

 ダカール・ラリー2020は、これまでの南米からサウジアラビアに舞台を移して初開催された。主催者がアフリカ、南米に続く第3章の幕開けを謳った今大会は北アフリカと似通った地勢や気候のもと、かつてのダカール・ラリーを思い起こさせるステージが設定された。南米のような高標高地や大砂丘がないことを含めてコースの難易度はそれほど高くなく、ジェッダをスタートした2輪144台、クアド(4輪バイク)23台、4輪83台、SSV(小型バギー)46台、トラック46台の合計342台のうちキディヤに到着したのは2輪96台、クアド12台、4輪57台、SSV31台、トラック28台。総合の完走率は65.5%と前回大会の57.8%を上回った。

菅原照仁(1号車 ドライバー)
今回サウジアラビアという新しい土地でのチャレンジはタフで厳しい面もありました。2号車のトラブルなど大変なこともありましたが結果を出すことが出来て良かったと思います。

染宮弘和(1号車 ナビゲーター)
(前任のナビゲーターさんから)なんとかタスキを受け取れて良かった。乗車中は大変ですがビバークに着いたらスタッフの方々が快適な環境を作って下さりリラックス出来ました。チャンスがあればぜひまた挑戦してみたいと思います。

望月裕司(1号車 ナビゲーター)
ゴールを迎えて寂しさも感じます。今回メカニックとして乗車してみて仕事は出来たと思いますがまだまだ。またチャレンジしたい気持ちが強くなりました。

鈴木誠一(メカニック 日本レーシングマネージメント)
サウジアラビアで初開催となりましたが、南米に開催地が移った当初に比べるとトラブルは少なかったと思います。ゴールはしましたが、これから船積みのため車両をジェッダまで運びます。

清野幸記(メカニック 日野自動車)
私にとっては約20年ぶりのダカール・ラリーでしたが、現場はやっぱり大変。最後まで何があるか分からないので心配でした。でもメカニック全員が自分の役割を果たしたことでここまで来ることが出来たと思います。

西山雅貴(メカニック 日野自動車)
2号車のリタイアは残念でしたが、1号車が無事にゴールできましたし、正直ほっとしています。自分としてできることはやり切ったつもりです。

北川親二(メカニック 日野自動車)
1号車が無事完走出来て良かった。皆でギリギリでやってきて、なんとか乗り切れたという気持ちです。前回ダカール・ラリーでメカニックだった望月さんが、今回1号車にナビゲーターとして乗車していたのですが、彼の存在も心強く感じました。

石井僚(メカニック 日野自動車)
世界一過酷と言われるだけのラリーだと思いました。正直疲れはしましたが達成感は大きい。この経験を活かし、今後も頑張りたいです。

永田泰宣(メカニック 東北海道日野自動車)
2号車を完走させられなくて残念です。前半戦は寝られなくて辛かったですがだんだんと要領をつかんで後半は余裕が出来ました。良いチームワークで仕事が出来たと思っています。

渡邊啓介(メカニック 群馬日野自動車)
思っていた以上に一筋縄ではいかない、簡単なラリーではないことを痛感しました。2号車のリタイアは残念でしたが、1号車をみんなでゴールポディアムに乗せられて嬉しいです。

渡邉恭史(メカニック 東京日野自動車)
2号車が完走出来なかったのは残念の一言。ロールバーのひび割れが原因でしたが、それ以外には車両に問題が無かっただけになおさら悔しいです。

星島宏一郎(メカニック 日野自動車)
辛かったのは前半戦。中盤ぐらいから体も馴染んできましたが、想像よりもしんどかった。でも現場は楽しかったです。

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最終日まで無事完走し笑顔の菅原照仁ドライバー

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ゴール後のセレモニーではメカニック陣も安堵の表情

ステージ12・ゴールセレモニーのハイライトを以下よりご覧いただけます。

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