【DAY12:ステージ10 】日野レンジャーが排気量10リットル未満クラス10連覇を達成!!ダカールラリー2019閉幕。
2019年1月19日
No. PD19-34

下社長とメカニックを乗せてフィニッシャーズゲートを
くぐる日野レンジャー2号車

表彰台に登壇した菅原照仁ドライバーと羽村ナビゲーター
ダカールラリー2019は17日(木)、ペルーのピスコ周辺で最終SS(競技区間)を行い、その後の移動区間でリマにゴール。10日間の競技を終えて大会が閉幕した。日本から唯一、トラック部門に参戦した日野チームスガワラの日野レンジャー2号車「菅原照仁/羽村勝美」組が同部門総合9位を獲得するとともに排気量10リットル未満クラスの10連覇を達成した。
最終日のSS (競技区間)はビバーク近隣の砂丘地帯を舞台にした112㎞のループステージ。距離は短いが難易度の高かった今大会に相応しく最後も砂中心のステージとなった。一度で登れない厳しい場所もあったが日野レンジャーは手堅いペースで9位でゴール。その後247㎞の移動区間でリマのゴール会場に到着し、累計総合順位9位が確定した。
ゴールセレモニーが行われたのはスタート地点と同じリマ市郊外の海岸にあるマグダレーナビーチ公園。一旦パルクフェルメ(車両保管場)に収められた競技車は1台づつ表彰台に登壇した。日野レンジャーが表彰台に到着すると菅原照仁ドライバーと羽村ナビゲーターは多くの観客の声援に手を振って応えていた。
南米のペルー、1国を舞台にこれまでより3~4日間短い期間で開催された今大会は例年になく砂のステージが多く、難易度の高いコース設定により従来以上に過酷な内容となった。リマをスタートした2輪137台、 4輪バイク(クアド) 26台、4輪130台、そしてトラック41台の合計334台に対してゴールしたのは2輪75台、 4輪バイク(クアド) 15台、4輪76台、トラック14台。トラック部門の完走率は僅か34%という厳しさであった。
日野チームスガワラは1号車が序盤の車両トラブルで戦列を去ったものの新型車両の2号車が安定した速さを発揮。大型トラックのライバル勢を相手に総合9位を獲得するとともに排気量10リットル未満クラスでは10連覇を達成した。
下義生(日野自動車 代表取締役社長)
タフなコースをしっかり走り切り、クラス10連覇を達成。今回の連覇はチーム全員の勝利でしょう。みなさんにお疲れさまと言いたいです。1号車は残念でしたが菅原義正ドライバーの次回の挑戦に期待しています。2号車も来年に向けて、さらに磨きをかけていきたい。また、こうした経験をより良い商品づくりに活かしていきたいと考えています。
菅原義正(1号車 ドライバー)
2年続けてのリタイアは本当に悔しい。応援してくださった皆様には感謝の気持ちと同時に申し訳なく思います。一方で2号車が排気量10リットル未満クラスの10連覇を達成出来て良かった。その点は安堵しています。
櫻井亜仁(1号車 ナビゲーター)
日野レンジャーの1号車のナビとしてリタイアは残念の一言。多くの人たちの気持ちが込められた車両ですので、もう少しなんとかならなかったのかと、メカニックの人たちに申し訳ない気持ちです。これからは日野チームスガワラやダカールラリーを応援してくれる人を一人でも増やせるよう努力していきたいと考えています。
菅原照仁(2号車 ドライバー)
今回は、新型車両で毎年上位の大型勢と戦いました。新たな課題を感じる一方、この先、どうするべきか、見えたところもあります。コースがハードになったからといって、完走狙いでは勝負にならない。今後も、リスクを冒した走りをしていかないとトップ争いに食い込むことは難しいと思います。
羽村勝美(2号車 ナビゲーター)
前半戦で1台になってプレッシャーを感じながら走っていましたが、無事ゴール出来て、今はほっとしています。ダカールラリーで初めて組んだ照仁さんの上位を狙う走りは速いし、良い勉強になりました。
鷹取英明(メカニック・リーダー)
メカニック全員怪我もなく無事にゴール出来て安心しました。1号車は残念でしたが2号車が良い結果を出してくれた。個人的には今回はアフリカ時代のダカールラリーとの違いも印象的でした。
鈴木誠一(テクニカルアドバイザー)
初めてダカールラリーを走った新型2号車は素性は良いもののサスペンションのセッティングなど、まだまだ、煮詰めが必要なことが分かりました。とりあえずトップ10内でフィニッシュ出来て良かったです。
石崎史典(メカニック 茨城日野自動車)
ゴールを迎えて、これで終わりかと思うと寂しい気持ちです。仕事は出来ましたが、上手くいかないところもありました。残念なのは1号車のリタイア。これで2号車にもプレッシャーが掛かったと思います。
本田優(メカニック 愛知日野自動車)
車両製作から携わらせて頂き、経験し難い良い一年間でした。それだけに1号車には思い入れがあったのでトラブル発生とセミマラソンを含めて2回のリタイアは残念。実力を高めた上で、もしもチャンスがあれば、また挑戦してみたいです。
名和大介(メカニック 岐阜日野自動車)
ビバークはキャンプというよりサバイバルでした。競技車を走らせるというひとつの目的に向かってみんなが団結して仕事をするのは楽しかったです。過酷の中に大きなやりがいを感じました。
小田大伸(メカニック 三重日野自動車)
1号車のトラブルは仕方ありませんが、内容は市販車にも見られるものだったのが悔しい。自分は42歳になりますが、ダカールラリーのメカニックは素晴らしい経験でした。是非、後輩にも体験してほしいと思っています。
石田一輝(メカニック 日野自動車)
過酷なラリーの難しさは経験しないとわからないと思います。体力的には休息日明けが一番厳しかった。ゴールした今は乗り切った感じでほっとしました。できれば2台揃って完走させたかったです。
北川親二(メカニック 日野自動車)
ゴールまで、日にちの経つのが早かった。現場にいると今日が何曜日かも分かりません。自分は日野自動車の車両モジュール実験部の所属ですが、ラリー車を見ていると市販車とは壊れ方が全く違う。予想以上に重整備も多かったですし、過酷さの一端を見たように思います。
望月裕司(メカニック 日野自動車)
あっという間でした。これで終わるのが残念なほどメカニックはチームワークが良く、2号車のリーダーとしても気持ち良く仕事が出来ました。ラリー車には出来るなら一度乗ってみたいです。
クラス10連覇を祝う日野チームスガワラと応援に駆けつけた方々

熱戦を勝ち抜いた日野チームスガワラ

クラス10連覇を達成した、菅原照仁ドライバー(右)
羽村ナビゲーター(左)

喜びを分かち合う、下社長と菅原照仁ドライバー(右)
羽村ナビゲーター(左)

下社長とダカールラリー連続36回出場を達成した
菅原義正ドライバー