ダカールラリー2019に日野自動車社員6人がメカニックとして参戦決定!

2018年7月19日
No. PD19-03

ダカールラリー2019に日野自動車の社員から6人が参戦することが決まりました。来年の1月に開催されるダカールラリー2019に向けて新体制となった日野チームスガワラの新メンバーを、各人の経歴を含めて紹介いたします。

選ばれた日野自動車社員メカニック6人
選ばれた日野自動車社員メカニック6人

プロフィール(敬称略、写真左から)

石田 一輝:2015年入社、サービス部出身。菅原義正ドライバーがハンドルを握る1号車のメカニックを担当。

望月 裕司:2003年入社、パワートレーン実験部出身。菅原照仁ドライバーがハンドルを握る2号車のメカニックを担当。

髙橋 弥:1988年入社、車両実験部出身。菅原義正ドライバーがハンドルを握る1号車のメカニックを担当。

鷹取 英明:1982年入社、車両生技部出身。日野チームスガワラのメカニックをまとめるメカニックリーダーを担当。

鈴木 慎太郎:2002年入社、技術研究所出身。日野チームスガワラのメカニック・リーダーサポートを担当。

北川 親二:2008年入社、車両モジュール実験部出身。菅原照仁ドライバーがハンドルを握る2号車のメカニックを担当。

メカニック・リーダー 鷹取英明さん
メカニック・リーダー 鷹取英明さん

今期、メカニック・リーダーを務める鷹取さんは、実は過去にもダカールラリー参戦歴があるとのことですが、今と昔ではどのような違いがありますか?

鷹取/96年のダカールラリーと、日野がトラック部門総合で1,2,3位を独占した97年のダカールラリーに、当時は海外サービス部(現サービス部)を筆頭に、日野メカニックとして私と、販社メカニック2名という、今より少ない人数で参戦していました。当時は溶接などの部分的な整備を担当していたのですが、今回は20年振りの参戦に加え、メカニック・リーダーを担当しますので、見なければならない範囲や仕事内容が当時とは大きく異なります。また、当時のレース車両は市販車とあまり変わらない構造でしたが、今のレース車両は細部に至るまで改造を施しているので、私が参戦した20年前とは、勝手がまったく異なります。覚えることがとても多いですね。

今のチームはメカニック・リーダーの目線から見ていかがでしょうか?

鷹取/日野メカニックも、販社メカニックも、車両の知識が豊富でオールマイティに動ける人が多いです。お互いの知識を共有していく中で、何でも言い合えるような関係を築いていければいいと思います。

ダカールラリーにかける意気込みを教えてください。

鷹取/まずはメカニック全員で一丸となり、ドライバーとナビゲーターが無事に戻ってこられるような車両を作っていきたいです。

2号車メカニック 北川親二さん
2号車メカニック 北川親二さん

職場ではどのようなお仕事をしていましたか?

北川/トラックのフレーム等の強度や耐久性を確認する仕事をしていました。例えば、車体を厚くすることによって耐久性は増しますが、その分重さが増すので、戦車のようになり、積み込める荷物にも制限が出てきてしまいます。私の仕事は、実際に使用されるお客様目線に立ち、安全な走行ができるように部品の調整をすることです。

メカニックに決まったとき、周りの反応はいかがでしたか?

北川/自分にとっても家族にとっても明るい話題になりました。職場では、同僚や、廊下ですれ違う方からも「決まったんですね!頑張って来てください!」と声をかけていただき、ポジティブな意味で責任を感じています。身の引き締まる思いです。

ダカールラリーにかける意気込みを教えてください。

北川/今回、新しく製作した2号車は、スピードが上がってコーナリングが良くなっていますが、車の性能が良くなっても、チームワークが良くないと上位は狙えないと思うので、まずはチームワークを大切にしたいです。去年より順位を上げて、自分が参戦した証を少しでも残したいです。

2号車メカニック 望月裕司さん
2号車メカニック 望月裕司さん

メカニックとしての仕事はいかがですか?

望月/まず、イレギュラーな仕事が多いです。先を見据えて仕事をするのがとても難しいので、柔軟かつ臨機応変に対応していかなければ、と思っています。また、車両整備をする上で、販社メカニックの皆さんは色々なことを知っているので、毎日勉強させていただいています。物作りが好きなので、自分の得意なところでカバーできればと思っています。日野メカニックも販社メカニックも、ほぼ同時期に車両製作に携わり始めたので、みんな同期のような感覚で仕事をしています。

職場ではどのようなお仕事をしていましたか?

望月/エンジン開発のために車両の実験結果を設計にフィードバックしたり、データを元に不具合を解析するなど、主にエンジン開発のための実験に携わっていました。

ダカールラリーで得た経験を今後どのように活かしていきたいですか?

望月/私は新しく製作した2号車の整備を担当するメカニックをまとめるポジションにつき、いわばサブリーダーのような役割を担当することになりましたが、この経験を経て人を動かす・まとめる・全体を見る力を培うことができると思っています。職場に戻ってからは、そこで培った力を活かしていきたいです。

ダカールラリーにかける意気込みを教えてください。

望月/2号車は新車なので未知数な部分が多いのですが、ポテンシャルを最大限に引き出して上位入賞したいです。菅原照仁ドライバーに安心して乗ってもらうためにも、全力で整備して、ひとつひとつ丁寧に、かつ安全第一でやっていきたいです。また、私の趣味はカメラなので、レース期間中はカメラマンとしても皆さんのお役に立てればと思っています。

メカニック・リーダーサポート 鈴木慎太郎さん
メカニック・リーダーサポート 鈴木慎太郎さん

職場ではどのようなお仕事をしていましたか?

鈴木/対向車を検知し、ライトが眩しくないように自動で調整するオーバーヘッドライトの製作や、最近はドライバー異常時対応システム(EDSS)のプロトタイプの製作に携わっていました。プロトタイプの段階なので、色々な方の意見を聞きながら、本当に実現できるのかを見定めて、世の中のニーズに応えられるような商品作りに努めていました。
※Emergency Driving Stop System

数年前からダカールラリーに携わっていたとお聞きしました。ラリー参戦の経験はありますか?

鈴木/ダカールラリーには、2013年から車両の性能テストに携わっています。2014年のラリーモンゴリアには現地にメカニックとして帯同しましたが、シルクウェイラリーとダカールラリーに参戦するのは初めてです。

鈴木さんから見て、今のチームの状況はいかがでしょうか?

鈴木/メカニックの皆さんとはかなり良い関係を築けていると思います。もうすぐシルクウェイラリーが始まりますが、チームワークについては何も心配していません。私自身はメカニックというより、何か困っている人がいたら、円滑に事が進むようにサポートすることが私の役目だと思っています。

ダカールラリーにかける意気込みを教えてください。

鈴木/日野チームスガワラのチームメンバーとして参戦するのは2回目ですが、ダカールラリーはラリーモンゴリアと比較して規模が大きく、当時と体制も異なるので、フレッシュな気持ちで頑張ります。

1号車メカニック 髙橋弥さん
1号車メカニック 髙橋弥さん

職場ではどのようなお仕事をしていましたか?

髙橋/入社してから30年、日野セレガ(大型観光バス)の開発に当初から参加し、寒冷地などの特異な環境下での試験に多く関わってきました。特に寒冷地試験では、アイスバーン上での走行技術が必須なのですが、その経験が豊富だったため、他部署の寒冷地試験にも加えてもらい、色々な仕事を経験してきました。日野がダカールラリーに参戦を始めた1991年頃、ラリーから戻ってきた車両が走行テストをするために、自分の職場に預けられたことがありました。過去に自分が携わっていた当時の車両と、今回シルクウェイラリーに出る、新しく製作した2号車は全く別物で、とても進化しています。どのような走りを見せるのか、ワクワクしながら車両製作しました。

ダカールラリーで得た経験を今後どのように活かしていきたいですか?

髙橋/車両実験部からメカニックに選ばれる可能性があることが、後輩達のモチベーションに繋がっていると思うので、この流れを絶やさないように努めていきたいです。車両実験部に戻った後は、後輩の教育担当としてダカールラリーで学んだことをフィードバックしていきたいです。

ダカールラリーにかける意気込みを教えてください。

髙橋/私が所属していた車両実験部には、私の他に「高橋」がいるのですが、去年彼はサポートカードライバーとしてダカールラリーに参戦する予定でした。弟分のような後輩なのですが、「弟の高橋が出られなかった分、リベンジとして兄の髙橋がいく。」という気持ちで今回参戦しています。また、私は日野チームスガワラの中で、1号車の整備を担当するメカニックのサブリーダーを担当するのですが、サブリーダーとしてチームメイトがケガをしないように注意を払っていきます。チーム全員が安全に作業することが上位入賞への第一歩になると思います。

1号車メカニック 石田一輝さん
1号車メカニック 石田一輝さん

職場ではどのようなお仕事をしていましたか?

石田/海外における、お客様とのよりよい信頼関係を構築するため、海外代理店と協力しながら日々業務を遂行していました。サービス部の先輩が海外出向者として、各国の代理店にいるのですが、今回ダカールラリーに参戦することによって、現地にいる先輩とコンタクトを取ることがあり、違う立場からサービス部の先輩たちの姿見ることができるので、とても貴重な経験だと思っています。色々と学ばせていただいています。

普段のお仕事と、今のお仕事ではどのような違いがありますか?

石田/スーツよりも作業着を着ることが多くなり、働くフィールドも大きく変わりました。もちろん仕事内容もまったく違います。全国から選ばれた販社メカニックの皆さんと、一緒に仕事をする機会に恵まれ、今は色々なことを勉強させていただいています。この経験を通して、車両知識や現地にいる先輩の対応などを学んだ上でサービス部に戻りたいと思います。

ダカールラリーにかける意気込みを教えてください。

石田/ラリー参戦中は、メカニックの皆さんから指示されたことにいち早く反応して、少しでも貢献出来るよう努めたいです。また、来年もサービス部からダカールラリーに呼んでもらえるように、この1年間チームに尽くしていきたいです。何事も全力で頑張ります。

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