ダカールラリー2014 参戦記者発表会を開催 ~お台場で新型レーシングカー披露 デモ走行に会場から喚声~

2013年10月18日

日野自動車(以下、日野)は10月13日、14日、東京・お台場の特設会場で開催された「モータースポーツジャパン2013」でダカールラリー2014に参戦する日野レンジャー2台をお披露目しました。また14日には日野ブース内で、日野・市橋社長出席のもと、「日野チームスガワラ」として参戦記者発表会を行い、新型レーシングカーの概要やチーム体制を報道陣に紹介した後、会場内の特設コースで2号車のデモ走行を行いました。

市橋社長を中心に、参戦メンバー全員が健闘を誓い合った。
後列左から2号車ナビゲーター杉浦博之さん(日本レーシングマネージメント、以下JRM)、同ドライバー菅原照仁さん(JRM)、市橋社長(日野自動車)、1号車ドライバー菅原義正さん(JRM)、同ナビゲーター羽村勝美さん(ジャストスピード)。
前列左からメカニックリーダー鈴木誠一さん(JRM)、エンジニア名越勝之さん(日野自動車)、メカニックサブリーダー末永健司さん(日野自動車)、メカニック田村博明さん(東北海道日野)、同瀬沼礼代さん(横浜日野)、同富家忠彦さん(滋賀日野)

ダカールラリー2014に参戦するレース車両を参戦本番前に日本で公開できるのはこれが最初で最後の貴重な機会とあって、記者発表会には多数の報道陣が出席。また、デモ走行では、イベントに詰め掛けた多くのモータースポーツファンが、日野レンジャーの迫力ある走りに喚声を上げ、熱い声援を送っていました。

14日の記者発表会では、冒頭日野の市橋社長が、商用車メーカーとして日野が1991年以来連続23回、世界一過酷と言われるダカールラリーに挑戦を続ける意義を強調。2014年大会では『チームHINO』の総力を結集し、「排気量10リッター未満クラス5連覇と共に、トラック部門総合でも上位入賞を果たしたい」と、力強く宣言しました。

次いで、チーム代表兼1号車ドライバーで、ギネス世界記録認定・大会最多の30回連続参戦記録を持つ「ダカールの鉄人」こと菅原義正さんが登壇し、チームとして2014年大会に挑戦する抱負を述べました。この後、2号車ドライバーで10リッター未満クラス4連覇中の菅原照仁さんが、コースの概要、ドライバー2名、ナビゲーター2名、メカニック5名、エンジニア1名のチーム体制を紹介し、2台のレース車両の概要を解説、最後に2014年大会にかける自身の意気込みを語りました。

この後、場所を多くのモータースポーツファンが待つ会場内の特設コースに移し、車両とチームとの撮影を行った後、菅原照仁さんの運転で、2号車のデモンストレーション走行を披露。普段目にすることの無いコモンレール式燃料噴射装置装着の8リッターエンジンを搭載した新型レース車両が観客席の目の前で大迫力の加速や見事な旋回を見せると、会場からは大きな喚声が起こり、大会本番での活躍に熱い声援を送っていました。

迫力ある走りを披露する2号車。観客から大きな喚声が上がった。
迫力ある走りを披露する2号車。観客から大きな喚声が上がった。

記者会見やデモ走行の時間帯以外は、日野ブース前に新型レース仕様の2台の日野レンジャーが展示され、来場者は記念写真を撮ったり、「思ったより大きくて驚いた」など、口々に感想を漏らしたりしていました。またレース車両ドライバー席への体験乗車コーナーには、終日長い列が出来、ダカールラリー参戦車両に対する関心の高さが伺われました。この他、ブース内では、日野チームスガワラに対する応援メッセージを書き込む応援旗が用意され、「頑張れ!」「完走を目指せ!」など、思い思いの熱いメッセージが寄せられていました。

2日間に亘って行われた「モータースポーツジャパン2013」には、両日合わせて約9万5千人が来場(主催者発表)。日野のダカールラリーに対する取り組みやチャレンジスピリットを日本の幅広いモータースポーツファンに直接アピールする貴重な機会となり、日野チームスガワラ応援団の獲得にも一役買ったものと思われます。

以下、記者発表会、デモ走行会場での市橋社長、菅原義正さん、菅原照仁さんのご挨拶やコメントを抜粋してご紹介します。

「ダカール挑戦は、技術力鍛え、日野の使命果たすため」
日野自動車・市橋保彦社長

日野自動車・市橋保彦社長

日野がダカールラリーに挑戦し続けるのには、明確な理由があります。日野の使命は「人、そして物の移動を支え、豊かで住み良い社会に貢献すること」です。その使命を果たすためには、品質・耐久性・信頼性の優れたクルマをつくることは勿論のこと、お客様の稼働を止めないサービスの提供も重要です。ダカールラリーに挑戦を続けることは、この使命を果たすために、クルマづくりと、サービスの技術力を鍛えることにつながるのです。2014年大会は、2011年から3年間掛けて取り組んできた新型レーシングトラック開発の総仕上げの大会であり、「排気量10リッター未満クラス5連覇」と共に、「トラック部門総合」でも上位入賞をめざし、全力で走り抜きます。

「2014年も純国産の技術と人で頑張るので、応援を!」
チーム代表兼1号車ドライバー・菅原義正さん

チーム代表兼1号車ドライバー・菅原義正さん

2013年大会で初めて燃料噴射装置付きのエンジンンを搭載し、私がテストしましたが、全く問題がなかったので、今年はさらにパワーアップさせ、2号車として参戦させます。3年計画で新型レーシングカー開発に取り組んだ仕上げの大会でもあり、上位入賞が狙えるのではないかと思います。また1号車には、初めて9リッターのエンジンを積んで、さらにパワーアップさせました。開発の過程では、日野のエンジニアが外部の会社と垣根を設けずにコラボしてくれました。まっさらな頭で新しい技術に挑戦してくれたことは大変良かったと思います。

私はモータースポーツが好きでやっていますが、私が参戦を続けることで、全国の日野の販売会社に入った若い人が手を挙げて10年も準備期間を積んで参加してくれるようになったのもよいことだと思っています。車を船積みしないと間に合わないというタイミングだったのですが、市橋社長から、是非、日本のモータースポーツファンの皆さんに新型レース車両の現車をお披露目するようにとご指示いただき、今回「モータースポーツジャパン」の会場で発表させていただけたことも大変素晴らしいことです。「車は純国産、人間も純国産」で戦って来ますので、是非、応援していただきたいと思います。

「父の経験、息子にフィードバックし、総合上位めざす」
2号車ドライバー・菅原照仁さん

2号車ドライバー・菅原照仁さん

2014年大会ではアルゼンチン、ボリビア、チリが開催国となりましたが、トラック部門はボリビアを通過せず、アルゼンチンとチリの2カ国での開催となります。コースの主戦場は、400年間雨が降っていないと言われるアタカマ砂漠なので、我々もある程度経験を積んできた地帯になります。2号車は、今年8月、モンゴルでテスト走行し、相当煮詰まってきたという実感を得ました。ポテンシャルでさらに10%はアップしていると思いますので、かなり上位を狙えるのではないかと思います。1号車には9リッターの新エンジンを投入しました。

父がこれまでの経験を生かして最後まで走りきり、データを息子にフィードバックしてくれるという役割も明確になっており、今後2~3年かけて熟成させれば、トラック部門総合でベスト5以内を狙えるのではないかと思います。小さなトラックでも総合上位を狙えることを世界にアピール出来るのではないかと、今から楽しみにしています。皆さんも、是非、結果を楽しみに応援してください。

新型レース車両の乗車体験コーナーには、終日長い行列ができていた。
新型レース車両の乗車体験コーナーには、終日長い行列ができていた。

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