ヤンブ近郊の丘陵でプロローグランを実施 トラック部門13位で順調なスタートを切る
2026年1月4日
スタートセレモニーに登場する日野チームスガワラ
プロローグを好調に走るHINO600
1月3日、ダカールラリーの2026年大会はサウジアラビア紅海岸のヤンブ市近郊で22㎞のプロローグランを行い、いよいよ競技がスタートした。4輪部門のトラッククラスにHINO600シリーズ(菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組)で参戦する日野チームスガワラはこの区間を4輪部門総合148位、トラッククラスのトップから2分1秒差の13位で走り終え、順調な滑り出しとなった。
プロローグランは4日に行われる第1ステージの出走順を決めるもので走行タイムは成績に加算されない。距離も短い足慣らし的な区間だが、日野チームは車両の仕上がりや競技中の乗員のコンビネーションを最終確認する機会として集中力を高めて臨んだ。SS(競技区間)はヤンブの町からリエゾン(移動区間)で北方に44㎞移動した地点からスタート。コースは時計回りのループで平坦な砂地の高速ピストが大半だが、途中ツイスティなワインディングや岩場の登りなど多彩に変化した。
日野チームは今大会に向けて見直しを重ねてきたサスペンションセッティングの効果をチェックしながら安定したペースをキープ。多くの先行車が通過したことで路面はワダチが深く掘れていたり埃の酷い区間もあったが粛々と走行してゴールに到達した。その後再び33㎞のリエゾンでヤンブへ戻るとスタートセレモニーへ。ビバーク内に設置されたポディアムに登壇してこの日の行程が終了した。
プロローグランに出走したのは1月1~2日の車検に合格した2輪部門115台、4輪部門のアルティメット(改造車)クラス72台、ストッククラス(市販車)7台、チャレンジャー(小型バギーのプロトタイプ)クラス37台、SSV(市販小型バギー)クラス41台、トラッククラス45台の合計317台。トラックはこのうち19台が純粋に競技を目的としたレーシングトラック、26台がアシスタンス目的で出場する車両となる。レーシングトラックのライバル勢は実質全量が排気量13000㏄級の大型車だが、日野自動車は1991年の初参戦以来一貫して中型トラックでの挑戦を続けており、現行のHINO600も排気量8866㏄のA09C型エンジンを搭載する。絶対的なパワー(トルク)の大きさは大型車に及ばない中型車だが、機動性の高さと35年間にわたって連続完走を続けるチームの総合力を武器に日野チームスガワラはトラッククラスの上位入賞を目指す。
チーム体制は代表を兼任する菅原照仁がドライバーを務め、染宮弘和がナビゲーター、望月裕司(日野自動車社員)が乗車メカニックという2020年大会以来の布陣で臨む。また、サポート部隊には菅原照仁が代表を務める日本レーシングマネージメントのスタッフとともに全国の販売会社から選抜されたメカニックが帯同し、整備作業の中心的役割を担う。今大会には田澤正和(西東北日野自動車)、今川博貴(南関東日野自動車)、菊地拓実(広島日野自動車)の3人が派遣された。
12月初旬にサウジアラビアに渡ったチームは12月4~6日に当地のジェッダラリーにトレーニングを兼ねてテスト参戦するなど最終調整を実施。12月末にヤンブのスタートビバークに入った後も車両検査に問題なく合格、この日のプロローグランも無事に終えたことで本格的な競技に向けた準備は万端整った。4日は第1ステージの競技としてヤンブ基点のループコースに304㎞のSSが設定されている。
菅原照仁
今日のコースはハイスピード区間をメインに、所々ワインディングといった設定でした。車両は順調で、セッティングを煮詰めたサスペンションは高速でしっかりギャップを吸収し、低速でも良好な乗り心地を提供してくれます。前回大会のトラブルにも対策を施しており、大会を通じて止まらずに走り切れば順位はついてくるものと信じます。
染宮弘和
ジェッダラリーと今日のプロローグランでクロカンラリーのナビゲーションの勘を取り戻しました。今回のロードブックはコマ図が細かい数字で記載されており、煩雑で読みづらい。主催者はナビをしやすくしたつもりかも知れませんが、重要な情報が含まれている場合もあるので、注意しなければと考えています。
望月裕司
前回に引き続き乗車メカニックを担当します。走行中は路面状況に合わせたタイヤ内圧の調整や染宮ナビゲーターの補佐としてGPSウェイポイントの距離と方向を確認しています。車両は順調ですが、サービスブレーキの温度が高いという問題があり、前後バランスの調整のほかキャリパー部に風をあてることで冷却を試みています。自分の体調はばっちりです。
門馬孝之
前回大会では後半戦のトラブルで順位を下げましたが、チームの力はあの時の対応によって一層高まったように感じています。車両も熟成の域にあり、今大会では再びトラッククラスの一桁を狙いたいところ。ともあれ全員が無事で怪我無く完走して結果を残すのが目標です。
今川博貴
砂漠での競技に魅力を感じ、是非やってみたいと応募しました。まだ砂漠という感じではありませんし、先輩から聞いた徹夜作業の連続も経験していませんが、いよいよスタートということで色々なことに挑戦していきたい。とても楽しみです。
田澤正和
西東北日野にはメカニック派遣の前例がありませんでしたが、部内の人たちに背中を押してもらって実現しました。現場に来てみるとやはりチームワークの大切さを感じます。販売会社メカの中でも菊地さんは率先して取り組むタイプ、今川さんは協調性に優れるなどそれぞれ特徴がある。それを活かしながらみんなで効率的に作業を進めています。
菊地拓実
以前に派遣されたメカニックの先輩から大変だと聞かされてきましたが、不安は感じていません。職場でも出張して作業することが好きで、今はワクワクする気持ちの方が強いです。寒暖差も大きいので体調に気を付けてみんなで頑張っていきたいと思います。
蒔田亮子
今回チームのサポートメンバーとしてサポートカーの運転と広報を担当します。学生時代からダートトライアルやラリーをやってきてダカールのトラックドライバーは自分にとって目標です。初めて経験するダカールの現場で沢山学びたいと思っています。また、広報担当としてチームのみなさんの活躍を多くの人に見てもらえるよう、撮影も頑張ります。
申し送りをする選手とメカニック
轍に沿って走るHINO600
翌日の予定を書く門馬孝之
写真を撮影する蒔田亮子
砂煙をあげて快走するHINO600



