日野チームスガワラがトラック部門6位でゴール 大型車勢を相手に5年ぶりのシングルフィニッシュ

2024年1月20日

ポディアムに登壇した日野チーム 087A5510.jpgポディアムに登壇した日野チームスガワラ

ヤンブにゴールした日野チーム 040A7655.jpgヤンブにゴールした日野チームスガワラ

 1月19日、ダカール・ラリー2024は最終ステージを迎え、サウジアラビアのヤンブを基点にしたループコースで174㎞のSS(競技区間)を実施。その後99㎞のリエゾン(移動区間)でビバークに戻り、ゴールセレモニーを開催して15日間の全行程が終了した。

 この日のSSは砂地のワダチが中心。スピードに乗れる区間もあったが、走りにくいトライアルセクションや、砂の中に石が隠れていてパンクのリスクも高い場所もあった。終盤は路面が変わり最後は紅海岸へ。海岸沿いを走ってゴールした。

 菅原照仁/染宮弘和/望月裕司組が駆る日野チームスガワラの「HINO600シリーズ」はこのSSを落ち着いて走りだしたが、エア漏れのトラブルで10分ほど遅れ、トラック部門の16位でゴールした。この結果により日野チームは今大会の累積順位でトラック部門6位の座を確定。2019年(部門9位)以来となるシングルフィニッシュを達成した。

 ゴールセレモニーはヤンブの海岸沿いに設営されたポディアムで行われた。日野チームスガワラが登壇したのは4時半頃。ドライバー、ナビゲーターは日本から激励に駆け付けた日野自動車脇村誠CTOと壇上でがっちり握手をかわし、メカニックやチームスタッフとともに厳しいラリーでの健闘を讃えあった。

 日野チームスガワラは主催者のハイブリッドトラックに係る規則変更に対し、今回はここ2年間試してきたハイブリッドシステムをあえて外して参戦。これに伴い最終減速比を見直し、浅い(高い)ギア比を採用した。これによりトランスファに内蔵されている副変速機をローレンジで走行出来る車速域が高まり、同時にローレンジではハイよりもギア比がクロス化するため、砂丘越えなど走行抵抗の大きな路面でギアの繋がりが良くなった。この結果、中低速域の加速性能が向上。エンジンの高回転域を多用するため燃費は若干悪化したが、走破性への寄与は明らかで、砂丘ステージでの上位躍進に貢献した。また、400㎏におよぶハイブリッドシステムを降ろしたことで車体の軽量化と駆動系のストレス軽減も達成された。こうした改良の結果、今大会のHINO600シリーズは大型勢のライバルと渡り合えるポテンシャルを備えるとともにトラブルで競技中に停まる頻度が下がり、チームの上位躍進につながった。

脇村誠CTO
今回現場を訪れて、みなさんの気持ちを高められたのが良かった。競技結果はみなさんの頑張りの結果、6位という好成績が得られて感無量です。今後もこの活動を続けていきたいと思います。

菅原照仁
SS走行中にCTIS(タイヤ空気圧調整装置)のエア配管が外れ、修理のため10分ぐらい停まりました。今回の結果は当初の目標通り。エンプティクオーターでの燃料トラブルは残念でしたが、直してからはしっかり走れました。

染宮弘和
今年の大会を通じてクルマと人、チーム力がかみ合えば日野は現在のトラック部門で総合5位は狙えるように感じました。自分は普段クロカンラリーのナビをやっていないので、いつも序盤戦は緊張しますが今はもう大丈夫です。

望月裕司
今回の車両は前回トラブルの出たエンジン冷却系も改良してきました。エンジンは制御で750PSと800PSの出力仕様を切り替えられるのですが、おかげで高出力仕様を使える頻度が高まり、タイムにも影響したと思います。

門馬孝之
ゴール出来て感無量です。最初にダカールに来たときは日野自動車のメカニックとして。5回目の今回はマネージャーという役割で、メカさんたちが気持ちよく働けるよう、少しは貢献出来たかと思います。

鈴木誠一
今年はトラブルが少なくて良かった。副変速機のH側が壊れたトランスファと、ATを前半戦で予備交換したことで中間日の作業もラクでした。ATは一昨日に2回目の交換で元積んでいたユニットに戻しましたが、こちらの方が調子が良いみたいです。

小島真太郎
今日ゴールを迎えて、まだ実感がないのですがちょっと寂しい気持ちです。ダカールの現場に来てみて、今の自分がやるべきこと、出来ていないことが分かったように思います。

福田剛史
良い順位でゴール出来て、頑張ったかいがありました。ダカールの現場は疲れましたが楽しかったです。

斎藤明延
厳しかったですが、毎日が楽しく、充実した2週間でした。トラブル発生で早めの交換したATやトランスファが無事もって良かった。順位が良いことも嬉しいです。

良川幸司
今回はメカニックリーダーを務めさせて頂きましたが、今年3年ぶりに派遣されてこられた販社メカニックさんの仕事ぶりを見たり、レクチャーを受けたりして仕事ぶりを見て自分も成長出来たと思います。

毛塚麻由美
今回も自分はサポートトラックの運転を担当しました。トラックが新たにトレーラを引くようになり、牽引免許は2年前に取得していましたがバックは難しかったです。

近内舜
無事に完走出来てほっとしました。今回の販社メカニックさんたちはチームワークも良く、チームの大きな力になってくれたと思います。

安藤瑠美
昨年は雨でみなさん大変でしたが、今年の大会は雨が降らなくて良かった。無事に完走出来て嬉しいです。

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