大型車の車輪脱落事故
防止のために

大型車の車輪脱落事故防止のために

大型車の車輪は、タイヤ・ホイール込みで100kgを超えることがあり、直径およそ110cmと大きく、ひとたび脱落すると大きなエネルギーで転がり、車両や歩行者に衝突した場合、深刻な事故を引き起こす可能性があります。

大型車の車輪の脱落事故の多くは、タイヤ交換作業時の錆びや泥などの清掃不足、ボルト・ナットへの給脂の未実施、締付けトルクの不足、増し締め未実施など、正しい作業が出来ていないことが主な原因とされています。

大型車の車輪脱落事故を防止するために、正しい作業の徹底をお願いします。

一つひとつの丁寧な作業が、車輪脱落事故を防ぎます

5歳児と大型車のタイヤの大きさ比較。大型車のタイヤも直径およそ110cm
5歳児の平均身長 およそ110cm

01日常点検

1日1回、運行前に点検をして車輪脱落事故を防止しましょう。

1目視での点検

  • ホイールボルトおよびナットがすべて付いているか点検します。
  • ディスクホイールやホイールボルトまたはナットから錆汁が出ていないか、ホイールに亀裂や損傷がないか点検します。
  • ホイールナットからのホイールボルトの出っ張り量を点検します。出っ張り量に不揃いはないか、車輪によって出っ張り量が異なっていないか点検します。

ホイールナットからボルトが出ていない場合は、ナットが緩んでいたり、誤ったボルトやナットを使用(※)している可能性があります。
必ずホイールを取り外して点検・整備を行ってください。

  • アルミホイールにスチール用のホイールボルトを使用、前輪用のホイールボルトを後輪に使用など。
  • ホイールボルトには、前輪用、後輪用、スチールホイール用、アルミホイール用があります。
  • アルミホイール、スチールホイールの履き替えの注意事項はこちら
ホイールボルト・ナットの目視点検箇所 正しい組み合わせと誤った組み合わせ

2点検ハンマや小型ハンマを
使用しての点検

  • ホイールナットの下側に指をそえて、点検ハンマや小型ハンマでホイールナットの上側面を叩いたときに、指に伝わる振動が他のナットと違ったり、濁った音がしないか点検します。

異常がある場合は、ナットが緩んでいたり、ボルトが折損しているおそれがあります。

点検ハンマによるナット点検の方法

3タイヤ空気圧の点検

  • タイヤに亀裂や損傷、異常な摩耗がないこと、タイヤの溝深さが十分あることを点検するとともに、空気圧が規定の範囲内にあるかを点検します。
    特に、ダブルタイヤや扁平ラジアルタイヤの場合は、空気圧が低下していても目視ではわかりにくいため、エアーゲージを使用して点検してください。
  • ダブルタイヤの場合、特にアルミホイールでは、内側タイヤのバルブにエクステンションを取り付けるか、適合するバルブキャップレンチやエアーゲージを使用すると点検が容易に行えます。

タイヤ空気圧が不適切なまま走行を続けると、パンクやバーストを招きやすくなります。空気圧が低いまま走行したり、パンクしたまま走行すると、ナットが緩んで脱落したり、ボルトが折損するなど、車輪脱落事故の原因となります。

エアーゲージによる空気圧点検 アルミ対応エアーゲージ、エクステンション、バルブキャップレンチ

02取り付け作業

正しい作業の徹底で、車輪脱落事故を防止しましょう

1ディスクホイール、ハブ、
ホイールボルト、ナットの清掃

  • ディスクホイール取付面、ホイールナットの当たり面、ハブ取付面、ホイールボルト、ナットの錆やゴミ、泥などを取り除きます。

ISO方式/新・ISO方式(平面座)

ハブのはめ合い部(インロー部)の錆やゴミ、泥などを取り除きます。

ディスクホイール取付面やホイールナット当たり面、ハブ取付面への追加塗装は行わないでください。厚い塗膜は、ナットの緩みによる脱落や、ボルト折損の原因となります。

積雪地域や舗装していない道路を走行する車両の場合や、新品から4年以上経過している場合は、特に入念に点検し、ホイールナットは手で回して円滑に回ることを確認し、ひっかかり等異常がある場合にはホイールボルト、ホイールナットを交換してください。

ホイール、ハブ、ボルト、ナットの清掃箇所

このような状態のナットは必ず交換してください

ホイールナットとワッシャーに変形が見られ、ワッシャーが外れかかっている

ホイールナットとワッシャーに変形が見られ、ワッシャーが外れかかっている。

ホイールナットに生じた錆や付着したごみ等により、ワッシャーの摺動部が固着している

ホイールナットに生じた錆や付着したごみ等により、ワッシャーの摺動部が固着している。

2ホイールボルト、ナットの
ねじ部の潤滑

JIS方式(球面座)

ホイールボルト、ナットのねじ部、座面部(球面座)に、エンジンオイルなどの潤滑剤を薄く塗布します。

JIS方式の潤滑剤塗布部位

ISO方式/新・ISO方式(平面座)

ホイールボルトとナットのねじ部、ナットの座金(ワッシャー)とナットとのすき間にエンジンオイルなどの潤滑剤を薄く塗布します。

ISO方式の潤滑剤塗布部位

ホイールと座金(ワッシャー)との当たり面には、エンジンオイルなどの潤滑剤を塗布しないでください。
ホイールのナット当たり面の摩耗や緩みの原因となります。

3ハブのホイールはめ合い部
(インロー部)へのグリース塗布

ISO方式/新・ISO方式(平面座)

ディスクホイールをハブに取り付ける際に、ホイールのハブへの固着を防止するため、ハブのはめ合い部(インロー部)に、グリースを薄く塗布します。

特に冬季間の走行後は、ディスクホイールがハブに固着して、ホイールが取り外しにくくなる場合があります。

ハブのはめ合い部グリース塗布位置

4ホイールの取り付け

ISO方式/新・ISO方式(平面座)

ホイールボルトのねじ部を傷つけないよう注意し、ハブのはめ合い部(インロー部)のガイドに沿って、ハブの奥まで押し込みます。

ダブルタイヤも1つのナットで締付けます。内側ホイール挿入後、外れに注意し、続いて外側ホイールを取り付けます。

5ホイールナットの締付け

  • ホイールナットの締付けは、対角線順に、2~3回に分けて行い、最後にトルクレンチなどを使用して規定のトルクで締付けます。
  • インパクトレンチで締付ける場合は、エアー圧レギュレータの調整や締付け時間に十分注意して、締め過ぎないようにしてください。最後にトルクレンチなどを使用して規定のトルクで締付けます。
  • 勢いをつけて締めるなどすると過締付けとなり、ボルトが伸びたり、ホイールのナット当たり面を傷めたりします。必ずトルクレンチなどを用いて、規定のトルクで締付けてください。
  • 締付けトルクは、こちら

【JIS方式(球面座)】

ダブルタイヤは、最初に内側タイヤのインナーナットを上記の方法で締付け、次に、外側タイヤのアウターナットを同様の手順で締付けます。

【ISO方式/新・ISO方式(平面座)】

ダブルタイヤもシングルナット(1個のナット)で締付けます。

ホイールナット締付け要領と締付け順序

6ホイールナットの増し締め

  • ホイール取付後の走行による初期なじみにより、ホイールの締付け力が低下します。取付後、50〜100km走行を目安に、ホイールナットの増し締めを行ってください。初期なじみは、ハブやホイールの表面粗さ、平面度、塗膜などの影響により発生し、規定の締付けトルクで締付けても、走行に伴って、徐々に締付け力が低下します。50〜100km走行を目安に規定の締付けトルクで再締付けすると、なじみによる締付け力の低下幅は小さくなり、締付け力が低下し続けることによる緩みを防止することが出来ます。

増し締めを行ってもナットがたびたび緩むなどの異常がある場合は、必ず、ホイールを取り外して点検・整備を実施してください。
ディスクホイールやハブなどに異常がある場合があります。

増し締めによる締付け力の変化

03新たな点検方法等
について

1ホイールナットの
緩み防止のために

2021年4月より、国土交通省は、大型車の車輪脱落事故撲滅に向けてホイール・ナットへのマーキングやホイールナットマーカーを活用した新たな点検の実施の方法等を導入しています。
これらの方法により、ナットの緩みの状態を目視で確認しやすくなります。

画像の出典:国土交通省「大型車の車輪脱落事故撲滅に向けて ~ホイール・ナットの緩み防止のため新たな点検の実施の方法を導入~」

2インジケータ(ニフコ製)を
日野アクセサリー設定

製品の特徴

  • ナットの緩みをひと目で判定。日々の点検を確実に!かんたんに!
  • 工具不要。装着のストレス、ゼロへ。簡単に確実な装着が可能です。
  • タイヤ、ホイールに馴染むデザイン。同心円ベースの形状で自然にフィット。
  • ボルトの錆対策、ナットの緩みを抑制する効果にも期待できます。
緩みなしのインジケータ

ナットが緩むと、、、、

ナットが緩んだ状態のインジケータ

矢印部がナットの緩みに応じて可動判定エリアからズレることで緩みがひと目で分かります。

インジケータの装着

工具は不要。誰でもかんたん装着。
裏表を間違えないユニバーサルデザイン。

3車輪脱落予兆検知装置(東海
理化製)を日野アクセサリー設定

ナットの緩みをセンサーで判別し走行前の点検でしか確認できなかった異常も、走行中に検知し、脱落防止に役立ちます。

製品の特徴

  • 走行中に異常をお知らせ
    早期のナット緩みを走行中のドライバーにリアルタイムに知らせます
  • 簡単装着
    ISOネジ採用の大型トラックなら、ホイールナットの上からねじ込みロックするだけ
  • 補助金対象
車輪脱落予兆検知装置のシステム構成
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