日野学園からのお知らせ

2024年9月27日
【学園ブログ11】学園OBのリアルな声を!~世界のフィールドで活躍する卒業生~

 ダカールラリーという過酷なレースに挑む「日野チームスガワラ」のメンバーとして、ご活躍されている望月裕司さん(以下、望月さん)にインタビューを行いました。こちらの記事を読むと「(ダカールラリーの)ナビゲーター兼メカニックとしてご活躍されている望月さん」「日野学園の卒業後の進路(配属先)」についてご理解いただけます。

ダカールラリーとは

 中東・サウジアラビアを舞台に2週間かけて約10000kmにわたる大砂丘群や岩だらけの道なき道を走り続け、総合タイムを競う長距離ラリーです。1日の走行距離は1000kmを越えることもあります。トラブルが起きなくとも選手たちの睡眠や食事の時間を確保することが難しい場合が多く、加えて砂漠地帯でのサバイバルテクニックを求められる日々が続きます。完走すること自体が困難であり「世界一過酷なラリー」と言われています。

望月裕司さんとは

 2003年に日野学園を卒業。「ダカールラリーに携わりたい」と思いを胸に秘めつつ数十年、エンジンの実験開発に従事しました。その後、ダカールラリーの社内公募を経て、現在はナビゲーター兼メカニックとしてレース車両に乗り、2020年から選手として参戦しています。

Q1.日野学園に進学した理由を教えてください。

 中学校の先輩が日野学園に進学したことで学園の存在を知りました。「日野に入れば  
ダカールラリーに携われるチャンスがあるかも」と、中学生なりに漠然と思っていました。高校に通いながら自動車整備士の国家資格をとるための勉強ができる点や卒業後はそのまま日野自動車へ就職できる安心感から進学を決めました。

Q2.学園生時代の「思い出」や「その後の仕事で活かされたこと」はありましたか?

 入学後のオリエンテーションで泊まり込みでの規律訓練合宿は衝撃でしたね。企業内訓練校という特殊な環境の中、社会人の近くで学ぶことも多かったので「社会」への理解が早かったと思います。車好きとして学校に通いながら、自動車免許の取得が出来るのも大きかったですかね。

Q3.学園生時代に「もっとこうしておけばよかった……」と思うことってありましたか??

 あまり過去にこうしておけばよかったと思う事は少ないのですが、強いて言えば、もっといろいろな事を勉強しておけばよかったと思います。笑

Q4.学園卒業後の日野自動車でのご経歴(ダカールメンバーとして従事するに至った経緯)を教えてください。

 卒業後は先生の推薦もあり、エンジン開発領域に進ませていただきました。当時のダカールメカニックは販売会社からの派遣が主で、ダカールラリーの業務に関わっている日野自動車の社員はごくわずかでした。そんな実情を知ってから、ダカールに携わることなく数十年エンジンの実験評価に従事していました。ダカールラリーに携わる事を諦めかけていた2018年にダカールラリーメカニックの社内公募がありました。もちろん真っ先に志願しました。当時の同僚、先輩方の後押しもあり、開発領域の3部署から4人が選抜され、その中の一人として2019年のダカールラリーに「メカニック」として参戦したのが始まりです。その翌年、選手として「チャレンジしてみたい!」と目標を再設定しました。早速、国際モータースポーツライセンスを取得しナビゲーター兼メカニックとしてレース車両に乗りました。2020年から2024年の大会まで選手として合計5回参戦しました。

Q5.ダカールラリーの「魅力」「レースでの喜び」を教えてください!

 数少ないトラックでレースをするというカテゴリではダカールラリーという舞台が一番魅力を感じますね。トラックのタフさや、力強さといった一面を訴求するのにはうってつけの舞台だからです。「世界一過酷」と言われるレースの通り、レース中、現地での生活面も非日常です。過酷そのものですが、難しい事に挑戦する方がやりがいも感じられますし、やり切った時の達成感も断然違います!レース中は「なんでこんなつらいことしているのかなー」なんて思う瞬間もありますが、ゴールした瞬間全て喜びに変わり、不思議とまたやりたいと思う自分がいます。自動車レースって車の性能とか、ドライバーの力量も大事な要素ですが、我々のやっているダカ ールラリー、いわゆる「クロスカントリーラリー」はチーム全体がしっかりしていないと入賞どころか完走さえままならないチームスポーツです。様々な立場や、役割の人が一つの目標に向かい、チーム一丸となり結果を残す……ロマンを感じます!
 

Q6.最後に、今の日野学園や学園の後輩に先輩として「メッセージ」をお願いします。

 すぐに自分のやりたい仕事に就けるとは限りません。自分のやりたい仕事が出来るためには、普段からコツコツ頑張っていくことが必要です。周囲の人はしっかり見ていてくれています。思い通りにいかなくとも腐らず諦めずに、いつかきっと来る「チャンス」に向けて準備をし、その「チャンス」を掴み取れるよう頑張ってください!
 

 
 お忙しい中にも関わらず終始、爽やかな笑顔で語ってくださった望月さん。想いをもち続ける大切さを教えていただきました。
 
 望月さんの今後のご活躍をお祈り申し上げます。
 
 インタビューにご協力いただき、誠にありがとうございました。