HINO

完走が難しいダカール・ラリー。
だから36年続けてきた。

ダカール・ラリー関連からの勇退

「2020年は、若い人に席を譲ろうと思っています。同時に日野チームスガワラの1号車に乗ってきましたが、来年はドライバーもナビゲーターも、若い人に務めてもらいたい。同時にチーム代表も、テル(義正の次男でトラック部門の排気量10リットル未満クラスで2019年に10連覇を達成した照仁)にやってもらおうかと……。やはり、僕がいるとやりづらいこともあると思うので、基本的にはテルにすべて任せて、僕は上のほうから見ていようかと考えています。チームとどう関わっていくのか、詳細はまだ決まっていないのですが、日野レンジャーでダカール・ラリーにドライバーで参戦するのは、2019年がラストということになりました」

つまり義正は、ダカール・ラリーにおける日野レンジャーのドライバーから、そして日野チームスガワラの代表から勇退する。

鉄人が譲るシートの重み

「ドライバーとしてのテルは、高いレベルにあると思っています。チームマネジメントに関しては、これまで以上にケアしてもらいたいと願っていますが、完全に任せてしまうことで本人がすべて自分で考えなければならない環境ができるので、そのほうがいいのかなと思います」

しかしそれは、菅原義正という鉄人の挑戦が終了したということではない。ラリーのゴール地点に設置されたフィニッシャーズゲートの向こう側にも道が続いているように、「挑戦」という名の36年間にも及ぶレースを完走した義正にも、新たな冒険と挑戦の旅路が待っている。「ふんどしを締めなおして!」と、昭和の人らしいげきを飛ばして次世代の日野チームスガワラを鼓舞しながら、義正はいま、ダカール・ラリーへの道を後進に譲る。

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INTERVIEW DATA

  • time : 04'01"