HINO

長久保賢次と榎本満
リーダーは静かに戦いの日々を待つ

右: 製品開発領域長 ダカール・ラリー技術担当役員 長久保賢次 左: ダカール・ラリープロジェクトのチーフエンジニア榎本満

スピード感と一体感のある新チーム

「今季は日野自動車では80名体制で活動してきましたが、その効果は非常に大きかったと感じています。テストや実戦で数々の問題に直面したとき、各分野の専門家がすぐに対処方法を検討して解決。そのスピード感と、各メンバーが同じ目標に突き進むというチームとしての一体感は、格段に向上したと思います」

ダカール・ラリー2020に向けた日野自動車としての取り組みを、技術担当役員を務める長久保賢次はこのように評価する。しかしそれは、新たなチームの発足から短時間で、望んでいる効果がすべて得られているということではない。

「2019年4月に新体制となってから数ヵ月。いきなりすべてが大きく進化できるわけではありません。むしろ、難しいと思っていました。とはいえ、これまで培ってきた技術がひとつのカタチとして今季の1号車と2号車になったように、メンバーたちがこれまで数ヵ月間に仕込んできたものが、日野自動車の今後へとつながっていくと信じています」

長久保賢次技術担当役員
最後の調整を受ける1,2号車

よりグローバルな活動も視野に

そして長久保は、日野自動車全社でダカール・ラリーを盛り上げていくためにも、速いマシンやダカール・ラリーでの好成績は重要だとも考えている。

「マシンが速くなってトラック部門の総合順位でも上位が狙えるような力がついてくると、それだけでチームの士気は高まるし、いろんな情報が社内に発信されて、全社一丸となって盛り上がろうという空気になってきます。その熱量は、今季のチーム結成から徐々に大きくなっていることを感じています。現在、日野チームスガワラは日本の技術陣と乗員とメカニックで戦っています。日本のチームとして、世界からこれまで以上に注目を集められるような戦いを繰り広げたいと思います」

世界一過酷なラリーに、新体制で臨む2020年。長久保は「トラック部門総合順位の上位入り!」と願う。すべては、日野自動車の活動が社内と社外からも、さらに日本と世界から注目してもらうために。

2020の目標はトラック部門の総合成績上位獲得