レースメカニックロングインタビュー
トラック整備は面白い。

第2章 - トラック好きの原点・運命のダカールラリー

ダカールラリーを目指したきっかけを教えてください。

澁谷:
私は日野自動車入社後、ダカールラリーのビデオを見て憧れを抱くようになりました。砂漠を走る日野レンジャーが格好よくて、その映像を見なければ「今ここにいなかったかも」と思えるくらい影響を受けました。いつか自分もあの車を整備したいと思うようになり、日々の業務にもより一層力が入りました。今年出場できて本当に嬉しいです。
髙野:
自動車整備工場を経営する父の趣味がラリー観戦なので、子供の頃からダカールラリーや日野レンジャーのことは知っていました。父の影響を受けて整備士を目指し、ダカールラリーに参戦している日野自動車に入社しました。「ダカールラリーのメカニック」が大きな目標でしたが、勤務先である群馬日野自動車には出場経験のある先輩がいなくて。でも、上司が私の夢を応援してくれたんです。「世界に挑戦する気持ちがあるならどんどん行け、出場を目指して頑張れ」と。

前軸のハブを分解する髙野メカニック

山内:
現在は富山日野自動車に所属していますが、入社して6年間は宮城日野自動車に勤務していました。当時の上司がダカールラリー経験者で、しかも高難度故障をいちはやく修理するなど、何でもできるすごい人でした。その上司が「最も自分を試された場がダカールラリーだ」とおっしゃっていて、ならば自分も試されてみたいと思い、応募しました。応募条件である日野自動車独自の資格制度HS-1(日野サービススタッフ技術資格1級)はもちろん、HF-1(日野サービスフロントアドバイザー資格1級)も取得し、さらに中核人材育成プログラムのサービスマスターコースを受講するなど、様々なことに挑戦してきました。いつか上司を超えたいという憧れが、自分の背中をいつも押してくれます。
木下:
私は中学生の時にテレビで見たパリ・ダカールラリー(旧名称。2009年からダカールラリーに改称)に影響を受けました。そこで初めて日野自動車を知り、参戦した日野レンジャーが1-2-3フィニッシュをした場面を今も鮮明に覚えています。トラックが好きで日野自動車に入社しましたが、ダカールラリー参戦を本気で考えたのはここ数年です。入社して18年が経ち、「整備士人生、このままでいいのか」と自問自答する機会があって。妻に相談すると、「うちのことは任せて、あなたはダカールラリーを目指して頑張って」と言ってくれたんです。その言葉を聞いて本格的に準備をはじめましたが、一昨年は残念な結果に終わって、実は今回が二度目の挑戦でした。諦めなくて本当によかったです。

鈴木誠一とともにハブの遊星歯車を分解する木下メカニック

車好きの原点、トラックに興味をもったのはいつでしたか。

木下:
「はたらくくるま」が載っている絵本や図鑑が大好きな子供で、車の個性が強いからか、昔から乗用車より商用車に興味があったんです。私の世代は周囲に車好き男子が大勢いて、手を真っ黒に汚しながら、自転車やバイクを分解しては組み立てて遊んでいましたね。悪戯好きでヤンチャで(笑)。ガソリンスタンドでアルバイトしながら自動車整備の専門学校に通う友達が多く、私もその一人でした。
髙野:
そういう世代なのか分かりませんが、私の周りには車好きもヤンチャ男子も(笑)少なかったですね。父が営む自動車の整備工場が遊び場でした。三兄弟のうち、長男である自分と三男はメカニックの仕事に就いています。職人気質の父ですから口数は少なくて、今回のダカールラリー参戦の話もあまりしていなかったのに、昨日父から届いたLINEを見たら、日野チームスガワラのステッカーを待ち受け画面にしていて、嬉しくなりました。
山内:
私も、父の仕事がきっかけですね。幼い頃から、父が運転する日野自動車のトラックを見て育ちました。家族を思って仕事に命をかけている姿を見てきて、かっこいいな、すごいなと感じ、そんなドライバーを支える整備士になりたいと考えるようになりました。

キャブの亀裂を点検する山内メカニック

澁谷:
車を見たり、車に乗ったりするのが大好きな子供でした。整備士を目指していた私は、学生時代に5年間、トラックのボディ架装(車両ごとに業種や仕様用途に応じた装備を装着)のアルバイトをしていました。それまでは乗用車の整備士を志望していましたが、この経験があってトラックに興味をもちました。トラックには、例えるならプラモデルみたいな「組み立てる面白さ」があるんです。それに、ひとつとして同じ車がなく、すべてに個性があるのもいい。そこに惹かれて日野自動車に入社しました。トラックの大きさにも魅力を感じます。こんなに大きいものを小さな自分でも修理できることが、喜びでもあります。

後軸周りを整備する澁谷メカニック

木下:
ただ、正直なところ、乗用車に比べるとトラックの整備はきつい作業です。大きいし、重たいし、作業服は汚れます。ですがその分、楽しいこともいっぱいあります。コンピュータ制御が進む乗用車のメカニックはユニット交換作業が主ですが、商用車のメカニックはオーバーホール(分解修理)をはじめ、機械いじりが好きな人にはたまらない作業が多いと思います。メカニックとして、より高いレベルを目指すことができるんです。

第3章 - トラック整備という仕事の面白さ・最強のメカニックとは

彼らが思う「最強のメカニック」とは
メカニックを目指す学生に向けたメッセージ

インタビュー目次

Copyright © 2013-2018 Hino Motors, Ltd. All rights reserved.