HINO

30年目のダカール・ラリーに向けて
日野チームスガワラ、新体制で本格始動

参戦メンバー(前列:白いシャツ)、新生チームダカール(後列:赤いポロシャツ)

新代表、新メンバー、新型車で追う究極の目標

時間は、止まることなくシームレスに続いていく。その流れの中で日野自動車は、30年間という長きにわたり、ダカール・ラリーへの挑戦を続けてきた。しかし30年目の闘いは、脈々と堆積されてきた歴史の上に重ねられる新たなシーズンという以上の意味を持つことになるだろう。

日野自動車と日本レーシングマネージメントで構成されるダカール・ラリー共同参戦チーム「日野チームスガワラ」は2019年6月1日(土)、ダカール・ラリー2020に挑む2台の参戦車両をシェイクダウン。6月3日(月)には、日野自動車本社で新体制発表会を実施した。

1号車:日野レンジャー(HINO 500シリーズ)
2号車:北米専用車(HINO 600シリーズ)

「日野チームスガワラ」は、これまで代表を務めてきた“ダカールの鉄人”こと菅原義正がダカール・ラリーから勇退し、今季からこれまで同チームのエースドライバーとして活躍していた義正の次男照仁がチーム代表となることがすでに公表されていたが、それには、大きな変革に関する最初のアナウンスに過ぎなかった。義正の後任ドライバーとして、これまで国内外のオフロードレースで活躍してきた、菅原家とも交流が深い塙郁夫を招へい。実戦テストを目的に出場する7月のシルクウェイ・ラリーでは、照仁が前回ダカール・ラリー参戦車にモディファイを加えてさらに戦闘力を高めた日野レンジャーベースの1号車を駆り、塙はボンネットタイプのキャブを初採用した北米仕様車ベースの2号車をドライビングする。その完全新設計となる2号車には、加速性向上を目的として、日野自動車のダカール・ラリー参戦車として初めてオートマチック・トランスミッション(トルコン式AT)を採用した。いずれの車両も、昨シーズンまでの2人乗りではなく3人乗りとし、ドライバーとナビゲーターに加えて経験豊富なメカニックを第3の選手として同乗させることで、トラブル発生時の対応力を向上させている。これが意味するのは、トラブルを恐れることなく果敢に攻めの走りができる体制の構築だ。

テストコースでのシェイクダウン
1号車:菅原照仁ドライバー(左)、2号車:塙郁夫ドライバー

再び総合優勝を。決意の体制強化

「日野チームスガワラ」に加え日野自動車も社内新体制を築き、技術担当役員と専任のチーフエンジニアを設置し、その下に各分野の精鋭約70名が集結し「新生チームダカール」を発足。技術担当役員を務める長久保賢次は、新体制発表会の場において、「あくまでも中型車で、大型車に打ち勝つことにこだわり続ける」と明言。これまで「日野チームスガワラ」は、排気量10リットル未満クラス10連覇を達成しているが、究極の目標とするのはトラック部門での総合優勝。長久保は、「今後はクラス連覇にこだわらず、攻めの走りで2020年にまずは総合5位以内を獲得し、2022年には優勝争いを」と意気込みを語る。

「大型車に打ち勝つことにこだわり続ける」と明言する長久保技術担当役員
パレードで社員の声援を受ける「日野チームスガワラ」

1997年に一度成し遂げた“壮大な夢”。
再びそれを実現すべく、日野自動車と日野チームスガワラは新たなスタートラインについた。

「日野チームスガワラ」メンバー(2019年6月3日時点、シルクウェイラリー参戦予定メンバー)

チーム代表兼ドライバー 菅原すがわら 照仁てるひと
ドライバー はなわ 郁夫いくお
ナビゲーター はなわ 雄大ゆうだい
ナビゲーター 染宮そめみや 弘和ひろかず
ナビゲーター 望月もちづき 裕司ゆうじ
ナビゲーター兼テクニカルアドバイザー 鈴木すずき 誠一せいいち
メカニックリーダー 清野せいの 幸記こうき
メカニック 鷹取たかとり 英明ひであき
メカニック 西山にしやま 雅貴まさたか
メカニック 北川きたがわ 親二しんじ
メカニック 石井いしい りょう
メカニック 永田ながた 泰宣やすのり
メカニック 渡邊わたなべ 啓介けいすけ
メカニック 渡邉わたなべ 恭史やすふみ
メカニック 星島ほしじま 宏一郎こういちろう
メカニック 良川よしかわ 幸司こうじ
サポートメンバー 毛塚けづか 麻由美まゆみ
サポートメンバー 安藤あんどう 瑠美るみ
サポートメンバー 近内こんない しゅん
サポートメンバー 遠藤えんどう 隆士たかし
サポートメンバー 石田いしだ 一輝かずき
動画再生

ダカール・ラリー参戦車両シェイクダウン

  • @日野自動車茨城テストコース

  • time : 03'06"