INTERVIEWS
開発

商用車の電動化の
先を行くために。

電動パワートレーンシステム開発部

2018年入社
理工学研究科 機械工学専攻修了

  • 技術職
  • 機械系
  • 情報系

PROFILE

大学院では機械工学を専攻し、自動車製造で多用されるスポット溶接や高張力鋼板の疲労寿命を予測する研究を行っていた。そして、耐久性を最も必要とする商用車業界を志すように。入社の決め手は、学生団体で日野自動車への工場見学を企画した際、社員が親身になって様々な提案をしてくれた姿に惹かれたからだという。

現在の仕事内容

電動パワートレーンシステム開発部は、FCEV、BEV、HEVという、3つの「電動車」の「走る」「止まる」に関わるユニットを組み合わせたシステムとその制御を構築する部署です。その中で、バッテリーEV(BEV)、いわゆる電気自動車が私の担当。電費や動力性能といった設計ステージはもちろん、生産準備、認証対応、発売準備、品質改善など、一連の開発全般に関わる幅広い業務に携わっています。まず、企画部署から「市場ではこれくらいの電費が求められている」と目標値が提示されます。そこで、私が「エコモードをつけよう」「アクセル操作のみで加減速ができるワンペダルにしよう」などと大枠の方向性を考え、それを他部署と協力しながら、詳細な設計にまで落とし込んでいくというような流れになります。

仕事のやりがい

様々な部署の方と協力して組み上げ、最終的に実車適合と呼ばれる走行試験を行います。そこで、周回路、坂道、悪路などのテストコースを走らせ、目標通りの性能に引き上げていく実験をするのです。実験部の方と一緒に、充電、乗り心地、電費などのデータを計測し、設計内容に対してどうなっているかを確認していきます。そこで色々な意見を集約・調整し、狙い通りの結果が出た瞬間はやりがいを感じますね。私の役割は、一台の車として見た時に、最適な機能や性能を実現するという目線で設計していくことですから、やはり実際に走る姿を見ながら、「これだったらいいね」となる瞬間は嬉しいものです。

仕事に活きた学生時代の経験

私は溶接の研究をしていたので、学生の頃の経験が今の仕事に直接つながるということは少ないです。しかし、「バッテリー」や「モーター」の搭載といった視点で見た時には、何かしら溶接に関係する部分は出てきます。そのように、どんなことでも仕事につながる部分はあると思っています。また、学生の頃は展示会や学会発表によく行っていたのですが、そこで得た知識が仕事に活きることもあります。仕事をする中でも、他社の技術開発の動向からお客様の使い勝手に関するご意見まで、様々な技術に多角的に触れる機会が多くあるので、そういったところで知見を広げていくことは、学生時代と変わらないなと思います。

仕事で大切にしていること

仕事は目的を理解しなければ、何をしていいのかが分からなくなってしまいます。この部署に配属されたばかりの頃は、難しい仕事や時間がかかりそうな仕事を目の前にすると、目的を理解せずに作業に入ってしまうことがありました。その結果、悩むことも多く、期限内に仕事を終えることができなかったんです。そこで上司に相談した時に教わったのが、「一旦立ち止まって、仕事の経緯や背景を理解する」ことでした。これは、「仕事の本質を理解する」と同義です。そこから、どんな仕事に対しても、その本質をきちんと把握することを意識するようになりました。そうした積み重ねが、お客様の期待に応えることにもつながっていくのだと思います。

ある1日のスケジュール

8:25
出社し、メールや業務課題の確認。チームの情報共有会。
9:30
電費・航続距離の試算。車両の加速性能の検討。
12:00
社員食堂で同僚と一緒にランチを楽しむ。
13:00
車両試験のため羽村テストコースへ出張。
17:00
計測機器の片付け・原状復帰。試験結果を日報にして展開。
18:30
片付け・退社

今後の目標

2022年6月に、ようやく日野自動車で「日野デュトロ Z EV」という、バッテリーEVの小型トラックが発売されました。当社ではこれまでモニターや限定販売向けに開発されたものはありましたが、量産という意味では第一号です。商用車において、まだまだ電動車というものは普及していないんですね。それだけ難しいということなのですが、近い未来で「電動車でも日野を選びたい」とお客様に思っていただくことが私の目標です。そのためにも、お客様の声を積極的に聞いていきたいと考えています。また、私の所属する部署では、ハイブリッドのダカール参戦車両の開発にも力を入れています。そうやって電動技術も活用の場が広がっているので、機会を見つけて挑戦し、世界を相手に戦えるエンジニアを目指したいと思います。

これまでのキャリア

  • 2018年
    入社

    古河工場
    工務部

  • 2020年

    電動PTS開発部
    配属

PRIVATE

家庭菜園にはまり、畑を借りて妻と一緒に色々な野菜を育てています。まだまだはじめたばかりで、難しいものなのかと思っていたのですが、意外ときちんと育つんですよ。特にジャガイモなど強い野菜は、初心者でも比較的簡単に育てられるので面白いですね。コロナ禍で在宅する機会が多くなったのですが、畑を耕していると季節や自然を感じることができ、運動不足もストレスも解消されているように思います。近所に農家の方がいらして、最近では色々教えてもらっているのですが、奥が深いのでもっとはまりそうです。