2025年10月号

危険 予知 トレーニングで
事故ゼロへ!

前方不注視による転落事故編

事故を未然に防ぐために、予測される危険や危険を避けるための運転について考えてみましょう。

質問

運転中、どのような危険があり、どういった運転をする必要がありますか?

トラクターの特性に起因する事故

交通状況

  • ■運転し慣れた郊外の片側1車線の道路を貸切バスで走行しています。
  • ■車内の温度が上昇してきたので、エアコンを操作し始めました。
  • ■前方に車両はなく、右カーブにさしかかりました。
回答

このような危険が!

このような危険が!

前方不注視による、転落や衝突

①エアコンの温度調節スイッチを確認した際に前方不注視となり、カーブ出口付近で運転操作を誤り路外に逸脱・転落する。

②路外に逸脱しそうになったため、右方向に回避行動をとったが、ハンドルを切り過ぎて対向車と正面衝突する。

このような運転を!

“いつもの道だから”という気の緩みが、エアコン操作につながったため、“慣れた道だからこそ”と気を引き締め安全運転に努める。

カーブ区間を通過する際は、安全な速度にまで減速する。

運転者はもちろん、全ての乗員・乗客にもシートベルトを確実に着用するよう促す。

貸切バスの事故が増加中です!

貸切バスの交通事故件数は、2023年は206件であり、22年の118件と比べ大きく増加しています。また、事故の種類で類型化(人・他車・単独・列車)すると、「他車」との事故が最も多く約76%を占めており、このうち約38%が「追突事故」になります。

国土交通省では、貸切バスの安全性向上のための取り組みとして、貸切バス運転者に対する実技指導の具体的事例の動画を作成し、公開しています。ぜひ参考にして、安全指導に活用してください。

貸切バスの実技指導の例はこちら(動画)

資料:国土交通省「事業用自動車の交通事故統計(令和5年版)

協力:公益財団法人 交通事故総合分析センター