2025年7月号

危険 予知 トレーニングで
事故ゼロへ!

トラクターの特性に起因する事故編

事故を未然に防ぐために、予測される危険や危険を避けるための運転について考えてみましょう。

質問

運転中、どのような危険があり、どういった運転をする必要がありますか?

トラクターの特性に起因する事故

交通状況

  • ■トラクターでコンテナをけん引しながら、首都高速道路の第1通行帯を走行しています。
  • ■間もなくジャンクションで合流があるため、右にカーブしながら第2通行帯に車線変更する必要があります。
  • ■目的地に少しでも早く到着しようとして、気持ちが焦り気味です。
  • ■直前の道路上にタイヤらしき落下物を発見しました。
回答

このような危険が!

このような危険が!

トラクターは側面に衝突、コンテナは落下

①突如、目の前に落下物が現れた場合、それを避けるために急ハンドルを切ると、積荷のバランスが崩れることによってカーブを曲がりきれず、側壁に衝突する。

②さらに、けん引しているトレーラー部が側壁を乗り越えて、宙づり状態になり、その後コンテナ部が外れて落下する。

このような運転を!

いつも通る道路への慣れがあると、安全軽視や漫然運転の危険性がある。突然の落下物にも対処できるよう、規制速度を守るなど安全運転に徹する。

運転中の車両の特性を認識しておくことも不可欠。積荷だけではなく、トラクターの構造上の特性や連結車特有の危険性についても理解して運転する。

トラクターの特性に合わせた運転を

トラクターは、カーゴ車と異なる特性があり、それを理解した上で慎重な運転を心がけましょう。

  • ●内輪差や死角が大きく、左側方の二輪車・原付きなどを巻き込みやすい。
  • ●重心が高く、横転しやすい。カーブでははみ出しが大きくなる。
  • ●後退時には、ハンドル操作が他車種とは異なる。
  • ●ジャックナイフ現象、トレーラースイング現象、プラウアウト現象など特有の現象が生じる。

出典:国土交通省「自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う 一般的な指導及び監督の実施マニュアル トラック事業者編」

協力:公益財団法人 交通事故総合分析センター