トヨタ、日野、新燃料電池システムを搭載したバスを豊田市での営業運行向けに提供

経営

2015年1月8日

トヨタ自動車㈱(以下、トヨタ)と日野自動車㈱(以下、日野)は、新しい燃料電池システム「トヨタフューエルセルシステム*1」(以下、TFCS)を搭載した燃料電池バス(以下、FCバス)を開発し、1月9日から豊田市内を走る路線バス「とよたおいでんバス」の営業運行向けに提供する。

TFCSは、燃料電池技術とハイブリッド技術を融合させ、燃料電池自動車(FCV)「MIRAI(ミライ)」向けに開発したシステムである。
今回のFCバスには、出力を高めるためにFCスタック及びモーターなどを2個搭載するほか、高圧水素タンクを8本搭載している。さらに、外部電源供給(V2H*2 )システムは、2013年11月より開始した実証試験等の結果を活かし改良している。

トヨタと日野は、FCバスの実用化に向け、公共交通である路線バスの営業運行による実証試験を通じて、FCバスの実用性や有用性を検証し、着実に研究開発を進めていく。
燃料となる水素の充填は、NEDO事業として、とよたエコフルタウン水素ステーションを使用する。

本実証試験は、経済産業省「次世代エネルギー・社会システム実証事業」として採択され「豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト」の一環として2010年度から進めているFCバスによる公道走行試験および非常時における外部への電力供給実証の一部であり、豊田市の協力を得て行うものである。
なお、営業運行計画とFCバスの車両概要は、以下のとおり。

*1 FCスタック、モーター、高圧水素タンク、FC昇圧コンバーター、駆動用バッテリーなどで構成される
*2 Vehicle to Homeの略。車両からの電力を施設の電気配線を通じて供給するシステムの一般的な呼称

営業運行計画

・運行開始日  2015年1月9日(金)
・運行事業者  名鉄バス(株)豊田営業所
・運行路線  とよたおいでんバス「豊田東環状線」(豊田市~三河豊田駅前) 3往復/日(月曜日を除く)
・使用台数  1台

ご参考

・豊田市で開催される「とよた世界環境ウィーク2015(1/10~1/18)」では、国連・豊田市共催の環境先進都市国際会議期間中である1/15にイベント会場間のFCバスシャトル運行や、外部電源供給システムの公開給電実証(1/14~18、場所:とよたエコフルタウン)を行う予定。
「とよた世界環境ウィーク」の詳細:http://toyota-eco.jp/wew2015/

車両概要

1.開 発

・トヨタと日野が共同で開発したFCバスで、日野のハイブリッド ノンステップ路線バスをベースに、FCV「MIRAI」向けに開発したTFCSを搭載。
TFCSはトヨタ、シャシーをはじめバス本体は日野が担当し、両社がそれぞれ培ってきた技術やノウハウを活用。

2.主要諸元

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車両名称トヨタ FC BUS
全長/全幅/全高(mm)10,525 / 2,490 / 3,340
定員(人) (座席+立席+乗務員)77 (26+50+1)
FCスタック名称トヨタFCスタック
種類固体高分子形
最高出力(kW×個数 / PS×個数)114×2 / 155×2
モーター種類交流同期電動機
最高出力(kW×個数/PS×個数)110×2 / 149.5×2
最大トルク(N・m×個数)335×2
高圧水素タンク燃料種類圧縮水素
最高充填圧力(MPa)70
本数8
タンク内容積(L)480
駆動用バッテリー種類ニッケル水素電池
FCバスV2Hシステム最高出力(kW) / 電圧(V)9.8 / DC300

3.FCバス外観

以上

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