レースレポート 2016年

排気量10リットル未満クラスを完全制覇!
ダカールラリーの連続完走回数は25回を記録

2016年 第37回 Dakar Rally 2016 Argentina-Bolivia

2016

2016年1月2日~16日に、南米のアルゼンチンとボリビアで開催された「ダカールラリー2016」に出場した日野チームスガワラは、1991年の初出場以来連続25回目となる完走と排気量10リットル未満クラスの7連覇をワン・ツー・フィニッシュで飾り、トラック部門の総合順位でも大型のライバル勢に分け入る13位と31位の成績を挙げるなど大健闘を見せた。

2016

今大会に向けて日野レンジャーをベースとしたレーシングトラックは、A09C-TI型エンジンの吸気系改良や制御の見直しによって出力と使い勝手を向上。モンゴルラリーでの実戦テスト(8月)などを通じて熟成を図った改良型サスペンションの採用とあわせ、戦闘力を大幅に高めて臨んだ。2台体制の1号車はチーム代表の菅原義正がドライバーを務め、ナビゲーターには新人の高橋貢を起用。2号車はエースドライバーの菅原照仁がコンビ5年目となるナビゲーターの杉浦博之とともに走らせた。これをサポートするアシスタンス部隊には日野自動車エンジン設計部の名越勝之が引き続きエンジニアとして帯同し、チーム母体の日本レーシングマネージメントの鈴木誠一がメカニックリーダー、日野自動車車両生技部の中村昌樹がサブリーダーを担当。またメカニックとして全国の日野自動車販売会社から公募選抜された精鋭である田極正樹(東京)、近藤匡人(静岡)、外池望(香川)、坂口英之(九州)の4名が参加した。また、メカニックを運ぶサポートカーのドライバーとして技術研究所の島崎耕平が参戦した。

2016

南米に舞台を移して8年目となる今大会はアルゼンチンの首都ブエノスアイレスをスタート、ボリビアのウユニを経由して再びアルゼンチンのロサリオにゴールする13ステージの総走行距離は9,039㎞、うち競技区間(SS)は4,320㎞が予定された。当初、スタート地に計画されていたペルーが9月になって通過国から外れた影響か、とりわけ前半戦は難易度の低いコースの連続に。その一方で天候は会期中を通じて安定を欠き、激しい風雨によって3日のSSが全面キャンセルされたほか、4日以降も距離の短縮が相次ぐ波乱の展開となった。

こうした状況下、日野レンジャーはパワー勝負となった序盤のステージでも大型のライバル勢にひけをとらないポテンシャルを発揮し、9日には2号車が(累積順位の)総合18位、スタックで遅れた1号車も41位でアルゼンチンのサルタに到着。排気量10リットル未満クラスのワン・ツー体制をキープして前半戦を折り返した。

2016

休息日をはさんで11日に後半戦が始まると砂丘越えやパウダーサンドのフェシュフェシュが登場。競技の難易度は一気に上昇し、とりわけフィアンバラ砂漠を巡る12日~14日の3日間が今大会最大の山場となった。ここで2号車は12日のSSで総合9位につけ、翌13日も途中のチェックポイントを総合4番手で通過。ゴール手前の砂丘で痛恨のスタックを喫して結果は14位となったが、厳しい環境で本領を発揮する日野レンジャーの底力をアピールした。

そして酷暑の山越えとなった翌日も13位で走り切った2号車は1号車と揃って無事ロサリオにフィニッシュ。選手とスタッフは「モニュメント・ア・ラ・バンデラ」前に設けられたポディウムで日本から駆け付けた日野自動車市川正和会長とがっちり握手をかわし、15日間の全日程が終了した。2輪4輪を合せた出走台数347台に対してゴールしたのは214台で完走率は62%。トラック部門の完走は55台中41台の過酷な戦いだった。

2016

トラック部門成績

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順位 メーカー タイム
1 IVECO 44:42:03
2 KAMAZ 45:52:30
3 IVECO 46:22:58
4 MAN 47:05:04
5 IVECO 47:13:02
13(1) HINO 50:32:31
31(2) HINO 69:55:07

「HINO TEAM SUGAWARA」 ダカールラリー2016メンバー

1号車

ドライバー:菅原義正
ナビゲーター:髙橋貢

2号車

ドライバー:菅原照仁
ナビゲーター:杉浦博之

メカニックリーダー

鈴木誠一

メカニックサブリーダー

中村昌樹(日野自動車 車両生技部)

メカニック

田極正樹(東京日野自動車)
近藤匡人(静岡日野自動車)
外池望(香川日野自動車)
坂口英之(九州日野自動車)

エンジニア

名越勝之(日野自動車 エンジン設計部)

ルートマップ

2016

競技区間(SS):4,320km
移動区間(リエゾン):4,719km
走行距離合計:9,039km (すべてトラック部門の走行距離)

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  スタート ゴール トラック部門 走行距離(KM)
競技区間 移動区間 合計
1月2日(土) スタートセレモニー ブエノスアイレス ロサリオ 競技なし 未発表 未発表
1月3日(日) ステージ1 ロサリオ ビジャカルロスパス 258 404 662
1月4日(月) ステージ2 ビジャカルロスパス テルマスリオオンド 521 337 858
1月5日(火) ステージ3 テルマスリオオンド フフイ 314 349 663
1月6日(水) ステージ4 フフイ フフイ 418 201 619
1月7日(木) ステージ5 フフイ ウユニ(ボリビア) 327 315 642
1月8日(金) ステージ6 ウユニ ウユニ 295 305 600
1月9日(土) ステージ7 ウユニ サルタ(アルゼンチン) 353 440 793
1月10日(日) 休息日 サルタ - - -
1月11日(月) ステージ8 サルタ ベレン 393 373 766
1月12日(火) ステージ9 ベレン ベレン 285 111 396
1月13日(水) ステージ10 ベレン ラリオハ 278 485 763
1月14日(木) ステージ11 ラリオハ サンフアン 431 281 712
1月15日(金) ステージ12 サンフアン ビジャカルロスパス 267 599 866
1月16日(土) ステージ13・
ゴールセレモニー
ビジャカルロスパス ロサリオ 180 519 699
  合計 4320 4719 9039

出場・完走台数(台)

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名称 出場 完走 完走率
二輪部門 136 84 62%
クワッド(バギー)部門 45 23 51%
四輪部門 111 66 59%
トラック部門 55 41 75%
合計 347 214 62%

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