販売会社のメカニックが決定。車両製作はいよいよ佳境に。
2011年9月14日
日野自動車は、1991年のパリ・ダカールラリー(現在はダカールラリー)初参戦以来、グループ全体の結束力、サービス技術力、モチベーションの向上を目的に、本社および販売会社から、のべ26人のメカニック(整備士)をレースに派遣してきました。今年も、全国の販売会社からメカニックを募集し、厳正な審査の結果4名を選出しました。
全国のサービス担当者約4,700 名の中から、日野サービス技術者として最高峰の資格であるHS-1(同等レベル含む)や、技術コンクールで上位入賞などの厳しい条件を満たす10 名が、最終選考の面談とレース車を使用した実技に臨みました。選出にあたっては、チーム代表の菅原義正さんと菅原照仁さん、チームの関係者が審査員を務めました。
面談では、応募者のダカールラリーにかける想いや、これまでの職務経験などを語ってもらい、実技では、協調性、安全・時間管理能力、作業品質などを評価しました。また、新型レース車の投入に伴い、想定外のトラブルに立ち向かえる、メカニックとしての即戦力も重視しました。
選考を終えて、菅原義正さんから、「本音は、レースの出発前に自分でボルトの締め付けなど、すべての確認をしたいのですが、今日の皆さんの様子からすると、今年も信頼のおけるメカニックの方々が応募してくれたので、安心してレースに集中できそうです」と、コメントを頂きました。
今回、選出されたメンバーをご紹介します。
選出されたメカニックは、レーシング仕様の日野レンジャーを熟知するために、国内で車両の最終調整を行い、ダカールラリー2012の参戦準備を進めます。
○レース本番まで4ヶ月、車両製作はいよいよ佳境に
ラリーモンゴリアでの実践テストの結果、菅原照仁号である新型レース車(2号車)の冷却性能は改善の効果が確認できましたが、ブレーキの前後配分の調整が新たな課題になりました。固い地面からパウダー状の砂丘まで、路面変化に富んだダカールラリーを勝ち抜くためには、ブレーキングも鍵になります。ブレーキを含め、その他の改良に対して、ドライバーとともに日野の開発チームが残り僅かな期間で仕上げていきます。
一方、菅原義正さんが駆る1号車は、キャブ(運転席)の天井や背面の内張りの取り外しなどの、軽量化を中心にマイナーチェンジ。さらに、ラリーモンゴリアを走行した新型レース車で冷却効果が確認できたため、1号車も同様に、エンジン、トランスミッション、トランスファーのオイルクーラーを、リアボディ前端上部に移設し、外気を導くダクトを新たに導入。このほか、ステアリングやブレーキングフィールを、鉄人・菅原義正さんに合わせた仕様に仕上げ、更なる性能アップを図ります。
○(トピックス)菅原義正さん、ULTRA-TRAIL DU MONT-BLANC 2011で三好礼子さんをサポート、完走に導く
フランスのシャモニーを出発し、イタリア、スイスを回り、再びシャモニーに戻る約170kmの山岳コースを、46時間以内に走らなければ失格となる過酷なULTRA-TRAIL DU MONT-BLANC 2011。毎年、世界中から数千人の選手が参加するも、その過酷さ故に半数近くがリタイアしています。今年は8月27日から28日に開催され、結果は、47.83%というダカールさながらの完走率の低さのなか、パリダカで出会ってから菅原義正さんと親交を深め、エッセイストでありながら国際ラリーストとして活躍する三好礼子さんが、初出場にして見事に完走しました。一方、菅原義正さんは、三好礼子さんのサポート隊を務めました。サポート隊は、選手よりも先にエイド(給水・食地点)へ行かなければならず、モンブランを迂回して遠回りする必要があるため、サポート隊にとっても過酷な大会です。この様子は、NHK-BS1で放送予定です。
<番組情報>
「激走モンブラン!2011」
<NHK-BS1> 2011年10月10日(月・体育の日)
前編:夜10:00~10:50 後編:夜11:00~11:50 (10:50~11:00はBSニュースです)