社会性報告

ステークホルダーとともに

社員とともに

私たちは、社員一人ひとりを尊重し、自ら成長できる職場づくりに努めます。

人材についての基本的考え方

日野自動車では「HINO基本理念」のCSRメッセージに「私たちは、社員一人ひとりを尊重し、自ら成長できる職場づくりに努めます」を掲げ、人材の採用、育成、活躍支援などに取り組んでいます。

採用についての考え方

社会・経済情勢の変化が激しい現在、日野自動車では「多様な変化に対応できる人材」「明確な自分軸を持ちオーナーシップのとれる人材」を採用することを目指しています。日本経済団体連合会の「採用選考に関する指針および手引き」に則り、積極的かつ公正な新卒採用をおこなっています。

人材育成についての考え方

日野自動車は世界中の人々から信頼される商用車メーカーを目指しており、グローバルな事業展開の担い手として、「変化を的確にとらえ、自ら考え実行できる人材」の育成に努めています。

評価についての考え方

日野自動車では上司と部下が課題や目標を話し合う「面談制度」を軸に、職務遂行能力と成果を測る評価制度を導入しています。また、管理者向けの評価者研修を実施するなど、公正な評価をおこなうための取り組みを推進しています。

社員数の推移(単独)(単位:人)
2015.3末 2016.3末 2017.3末
男性 11,024 11,392 11,720
女性 820 861 902
11,844 12,253 12,622
地域別社員数:31,837人(連結 2017年3月末)(単位:人)
地域別社員数:31,837人(連結 2017年3月末)
職種別の割合(単独 2017年3月末)
職種別の割合(単独 2017年3月末)

ダイバーシティ推進への取り組み

日野自動車では、社会に貢献する付加価値の高い商品・サービスを提供し続けるために、多様な人材が能力を発揮し活躍することが重要と考えています。そのため、社員の多様性を尊重し、活気あふれる企業風土をつくることを重要な経営課題のひとつと捉え、取り組みをおこなっています。人事総務部にダイバーシティを推進する部署を設置し、性別や国籍などにとらわれない、実力のある人材の積極的な登用を進めています。

女性の活躍促進支援

女性社員の更なる活躍を促すため、日野自動車は2014年11月時点で19名の女性管理職数を2020年までに3倍とする目標を設定しました。目標達成に向けて、以前から取り組んできた育児支援を継続・拡大するとともに、次の点に注力していきます。

① 新卒・通年採用における女性比率向上、年次別の男女構成比率も踏まえた女性管理職の登用拡大
② 柔軟性のある勤務制度の導入等、誰もが働きやすい職場作り
③ 企業内保育所の設置など、育児をしながら働くことができる環境の整備

2015年には女性社員が海外現地法人のトップに就任するなど活躍の場を広げています。

障がい者雇用への取り組み

日野自動車では、障がいを持った方々の雇用・活躍支援に積極的に取り組んでいます。

障がいを持った方々が健康管理・能力開発を目的とした有給休暇を取得できる特別休暇制度や、社内専用駐車場の利用優遇制度を設けるなど、働きやすい環境づくりに努めています。

2007年12月には、障がい者雇用の促進を目的とした特例子会社「日野ハーモニー株式会社」を設立しました。年々業務を拡張し、新たな活躍の場を増やしています。

日野自動車の2016年度障がい者雇用率は法定雇用率を上回る2.12%でした。今後も、新たな職域の開発など障がい者雇用促進に取り組んでいきます。

高齢者雇用への取り組み

日野自動車では、ベテラン社員の高い技術や技能を定年退職後にも発揮してもらうため、再雇用制度を導入しています。

社員は定年退職後も同じ日数・時間で働くフルタイム勤務のほか、週3日勤務の選択も可能なため、生活とのバランスを取りながら勤務を続けることができます。2016年度に定年を迎えた社員151名のうち、139名(92.1%)が定年後も引き続き日野自動車で働き続けることを希望し、その全員が再雇用されました。2017年3月末現在、全社で487人が同制度を利用しています。

再雇用勤務者数(単位:人)
2015.3末 2016.3末 2017.3末
再雇用者実績 465 471 487

外国籍社員の活躍促進支援

日野自動車は、国籍にとらわれず、実力のある人材の積極的な登用を進めています。事業のグローバル化に伴い、外国籍の社員の活躍の場がますます増えています。海外の関連会社に在籍する社員を研修生として受け入れ、実践型の教育をおこなうプログラムを導入しています。

海外での雇用や処遇は、その国の法令を遵守し、適切に対処しています。また、本人の能力や経験を重視した登用をおこなっています。

外国籍社員数(単体の全従業員ベース)
雇用種別 従業員数(人) 内外国籍(人) 外国籍比率(%)
正社員 12,622 21 0.2
そのほか 2,560 100 3.9
総計 15,182 121 0.8

人材の育成の取り組み

日野自動車では、“教え・教えられる”風土のもと、OJT(On-the-Job Training)によって職務遂行能力を高めることを人材育成の基本方針としています。

また、OJTを補完する目的で、階層別研修や専門分野教育を始めとする多種多様な集合研修(Off-the-job training)をおこない、社員が就業時間外におこなう自己啓発の支援もおこなっています。

とくに、グローバルに活躍できる社員を育成するため、「語学講座・海外トレーニー制度(若年層の海外研修派遣)」、管理職のマネジメント能力を高めるための研修や、実務者の専門知識・スキルの修得や問題解決力向上のための研修など、実践的なプログラムの実施に注力しています。

主な能力開発・人材育成体系

主な能力開発・人材育成体系

( )内は2016年度の受講人数
1 TPS:Toyota Production Systemの略で、トヨタ生産方式のこと
2 QC:Quality Control(品質管理)
3 TWI:Training Within Industryの略で、指導・管理能力を向上するための訓練技法

「社内技能等級認定制度」と「全社技能交流会」

工場をはじめとする技能系職場では、OJTを体系化した「社内技能等級認定制度」を構築し、運用しています。

この制度では、各職場の仕事に必要な知識および技能が明確に示されており、その習得を目指し、技能訓練、集合研修、ならびに日々の実作業による計画的な育成がおこなわれています。

また社内技能等級認定制度の一環として、毎年、各職場や海外事業体含むグループ会社の代表選手が、日頃の研鑽結果を披露し合い、交流を通じて相互の技能向上を図る「全社技能交流会」を開催しています。

各職場が一体となって交流会に取り組むことにより、技能の伝承に不可欠な“教え・教えられる”風土の醸成や、社員の意欲向上にも役立っています。

「卓越技能者(現代の名工)」「東京都優秀技能者」を輩出

優れた技能を有し、かつ、後進の育成、または作業の改善に貢献する等、ほかの技能者の模範と認められる者を各都道府県知事が認定し、技能者の社会的地位の向上等を図る「優秀技能者表彰制度」において、2016年度の「東京都優秀技能者」に1名の社員が選ばれました。

また、技能が卓越し、国内で第一人者と目される者を厚生労働大臣が認定する「現代の名工」に、3年連続して社員1名が選ばれました。

日野工業高等学園

日野自動車における企業内訓練校である日野工業高等学園は、よいものを生み出したいという情熱を持つ職人気質の人材を育成したいとの思いから、1951年にその前身である技術者養成所として設立されました。現在もその意志を受けつぎ、製造職場のリーダーとしての人格と技術をそなえた人材を育成する道場としての役割を担っています。学園生は3年間の教育を経て製造職場に配属され、日野自動車のモノづくりを支える柱となっています。2017年3月には38人が卒業して各工場に配属され、4月には新入生60人が入学しました。

働きやすい職場環境への取り組み

福利厚生

日野自動車ではワークライフバランスを推進するために、育児・看護休暇制度をはじめとする福利厚生制度の整備はもちろん、制度を取得しやすい環境を整えるなど、社員の働き方の見直しに取り組んでいます。

社員が安心して働き続けることができる環境づくりのために、退職金制度において確定給付企業年金をベースに設定するとともに、一部確定拠出企業年金を導入しています。

ワークライフバランスと次世代育成支援制度の利用実績(単位:人)
制度名 内容 2016年度利用実績
育児休業 子どもが満2歳に達した直後の3月まで休職 47
育児短時間 子どもが小学校3年3月末まで勤務時間を短縮 109
コアなしフレックスタイム 子どもが小学校3年3月末までコアタイムの制限廃止 14
子の看護休暇 子どもが小学校3年3月末まで年5日の休暇 64

職場の仲間への思いやり・尊重

「日野行動指針」では、役員・社員が守るべき指針として、日野自動車で共に働く仲間が活き活きと会社生活を過ごすことができるよう、お互いを尊重し、思いやる気持ちを持つことを掲げています。具体的には、人種・宗教・性別・年齢・国籍・障がい等による差別や、児童労働・強制労働・ハラスメント(性的・そのほかの嫌がらせ)などの人権尊重に反する行為を許さないことが明記されています。

上記指針を社員に浸透させるため、ハラスメント防止研修やコンプライアンス研修を実施しています。2016年度の研修には、延べ1,455人の社員が参加しました。今後も内容の充実および拡大を図りつつ、継続的に研修をおこなっていきます。

日野行動指針はこちら

モラールサーベイ

日野自動車では、社員一人ひとりの仕事に対するやりがいや職場環境への思いなどを直接把握する機会として、2005年度から全社員に対する年1回のモラールサーベイ(社員意識調査)を実施しています。調査結果を各職場にフィードバックすることにより、各職場のマネジメントの改善、働きやすい職場づくりに活用されています。

2015年度には、社員の会社生活満足度をより適切に測れるように設問を見直し、職場へのフィードバックの充実にも努めております。

安定した労使関係

日野自動車と日野自動車労働組合は、「会社は社員の労働条件に常に注意しその維持改善を図り、労働組合は会社の経営権を尊重し会社と協力して生産の増強に努める」という労働協約を結んでいます。また、会社創立60周年(2002年)には「労使リニュー宣言」として、「相互信頼・相互責任」を基調とし、日野の宝である「良き労使関係」の継承・発展を確認しています。このような安定した労使関係のもと、会社を取り巻く環境認識を共有するとともに、人事労務に関する諸課題について取り組んでいます。

労使の話し合いの場

労使で取り組む諸課題については毎月、労使協議会を通じて労使双方の理解に努めています。さらに、工場などの部門単位でも労使の話し合いの場を設け、より働きやすい職場風土づくりに努めています。

労働安全衛生

労働安全衛生についての基本的考え方

日野自動車では、「安全はすべての業務に優先する」という日野自動車安全衛生基本理念に基づき、安全で健康に働くことのできる職場づくりと社員の意識の共有に努めています。

労働安全衛生管理体制

安全衛生に関する意思決定機関として、日野安全衛生・防災委員会を設けています。また各事業場には会社、産業医および労働組合のメンバーで構成する安全衛生委員会を設け、安全職場活動を実施しています。

労働安全衛生管理体制図
労働安全衛生管理体制図

労働安全衛生の確保・向上に向けた取り組み

注意し合おう、歩行マナー!築こう安全文化!

日野自動車では、安全意識、基本行動の浸透のため、全社を挙げた活動として、指差し呼称の実施や歩行マナー遵守活動(ポケ手歩行、ながら携帯禁止等)、過去災害事例展示会を開催し、安全意識の高い人づくりを推進しています。

社員の安全意識の向上や安全知識の習得を図るべく、階層、職種に応じて安全衛生教育を実施し、2016年度は、延べ一万人を超える社員が参加しました。

各工場ではリスクマネジメントに基づきリスクアセスメント(小集団活動で危険箇所を洗い出し改善する)を進めており、労働災害の未然防止に努めています。

また、国内外の関連会社に対しても、労働災害ゼロに向けた取り組みを展開しています。災害未然防止のための施策の展開や情報の共有、また現地出張による安全教育や安全活動の相互研鑽会実施など、安全レベル向上への取り組みを推進しています。

産業別休業度数率の推移
産業別休業度数率の推移

*労働災害度数率=(作業災害被害者数/延べ労働時間数)×1,000,000

社員の健康管理への取り組み

「健康経営優良法人2017(ホワイト500)」に認定

経済産業省と日本健康会議が共同で進める「健康経営優良法人認定制度」において、日頃の従業員への健康支援の取り組みが評価され、「健康経営優良法人(ホワイト500)」に認定されました。「健康経営優良法人認定制度」は、従業員の健康管理を経営的視点で考え、戦略的に健康増進に取り組んでいる優良な法人を認定する制度です。

健康経営優良法人

健康支援体制

「安全・健康は全ての企業活動に優先する」という会社方針のもとに、社員が十分に能力を発揮するための大前提である心身の健康維持・増進に取り組んでいます。

具体的な施策として、健康推進センターの産業医が中心となった相談・対応窓口の設置や契約カウンセラーによる個別相談窓口の設置、また専門機関によるフリーダイヤルの電話相談など各種窓口を設置しています。2017年度からは社内に相談員を置き、不調者の早期発見・早期対応を実施しています。
今後も健康保険組合と協働で従業員の健康維持・増進への取り組みを推進していきます。

こころの健康づくり

ストレスチェック

2016年度も社員全員のストレスチェックの実施によりセルフケアの啓発に取り組み、高ストレス者には医療職による面談や社外専門家による支援も継続しています。さらに、これらのデータを職場にフィードバックすることにより職場運営に活用しています。

メンタルヘルス研修

2014年度から職場運営改善を目的に「マネジメントとメンタルヘルスの関係性講義」と「傾聴実技訓練」の計6時間の研修をすべての課長・グループ長と職長に対して行なっており2016年度は新任者、274名が参加しました。

管理者向けメンタルヘルス研修会受講実績(単位:人)
事業所名 2014年度 2015年度 2016年度
本社・日野工場 475 369 183
羽村工場 188 21 47
新田工場 91 22 44
合計 754 412 274

からだの健康づくり

海外駐在員の健康支援

海外駐在が決まった社員に対しては、産業医が任地事情を踏まえた健康管理の講義を全員に実施しています。また、感染症に対する教育・啓発として、帯同家族も対象とした研修を行ない、事前の健康診断、予防接種等を実施しています。

海外駐在中の健康相談窓口としては、産業医による電話やメールでの相談対応に加え、国内と同様にフリーダイヤルによる健康相談窓口を設置し、駐在員や帯同家族のこころとからだの健康支援をおこなっています。

強毒性感染症対策

インフルエンザの予防に関しては、個人が実施すべき感染予防措置について全社員に周知し、日々実施するよう徹底し、あわせて社員自身や家族の罹患時の対応についても具体的な行動指針を策定し、感染の拡大防止に取り組んでいます。また、健康保険組合によるインフルエンザ予防接種の費用補助を行なっています。

今後はさらに毒性の強い新型ウイルスの発生も懸念されます。

そのため、日野自動車では健康被害防止と必要最低限の機能維持・早期の事業再開を目的とした強毒性感染症対応規則を定め、法令や行動計画・ガイドラインに沿って、各発生段階に応じた対策を整備しています。今後も実効性確保のための訓練や感染予防品備蓄に継続して取り組んでいきます。

熱中症予防対策

熱中症予防対策としては、設備対策に加えソフト面での対策強化として、熱中症予防セミナーの開催や販売飲料代金の一部補助(6月~9月)、経口補水液を含む機能性飲料の配布、休憩時間以外での給水タイム設定等を実施しています。

また各職場では、毎朝の対面による健康状態確認やWBGT計(暑さ指数を測る装置)による職場環境の測定等、熱中症未然防止の取り組みをおこなっています。

データヘルス計画の推進

日野自動車では、健康保健組合と協働でデータヘルス計画を推進しています。健康診断結果と診療報酬明細の情報を分析し、的確な施策立案につなげています。

具体的施策として産業医による高度有所見者への保健指導の強化、2016年度には、がん検診(前立腺がん、大腸がん)を定期健康診断に加えました。2017年度には健康保険組合による婦人科がん検診(乳がん、子宮がん)を受診できる制度も設けました。

また喫煙率の低下に向けて、各部喫煙率の見える化や禁煙デー、禁煙講演会、社内禁煙外来への費用補助などを実施しており、継続して施策の強化を進めています。