Uniting our souls!! 「結束」

2014-2015年シーズン

トップイースト vs 日本IBM BIGBLUE

2014年11月15日(土)12:00 駒沢陸上競技場(東京都)

  • 日野自動車 RED DOLPHINS
    日野 RED DOLPHINS
  • BIGBLUE
    日本IBM BIGBLUE

:

35 トライ数5 ゴール数5 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
前半
10 トライ数1 ゴール数1 ペナルティゴール数1 ドロップゴール数0
31 トライ数5 ゴール数3 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
後半
0 トライ数0 ゴール数0 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
RED DOLPHINS出場選手BIGBLUE
501 PR
廣川 三鶴2 HO
村上 玲央3 PR
204 LO
土屋 眞5 LO
596 FL
177 LF
538 No.8
田川 明洋9 SH
6010 SO
小澤 和人11 WTB
6212 CTB
6513 CTB
篠田 正悟14 WTB
松井 佑太15 FB
リザーブ
得点選手トライ (T/5点) 
ゴール (G/2点) 
ペナルティゴール (PG/3点) 
ドロップゴール (DG/3点) 

『新たな歴史の1ページ』

 晩秋の駒沢オリンピック公園。
 赤色、黄色、橙色の紅葉が目に冴える。雲一つない青空と冷たい空気。かつての五輪選手の誇りが埋まる陸上競技場の綺麗な芝の上で、日野自動車レッドドルフィンズが躍動した。
 押す。走る。当たる。どっこい倒れず、前に出る。もぎ取ったトライが10本、失ったトライは1本。日野自動車が日本IBMをコテンパにやっつけた。
 これで4勝3敗である。歴史を紐とけば、「66点」も「4勝」も、トップイースト5年目で最多となるのだった。試合終了後、フィールド脇に選手たちの円陣ができた。
 ラグビー部のよき理解者、日野自動車の専務役員、鈴木敏也・ラグビー部顧問が割って入る。短く、ひとこと。
 「ナイス・ゲーム!」
 勝利はともかく、内容がよかった。スクラムで圧倒し、接点では足をかいて前に出た。「戦略通りだった」との細谷直監督のコトバ通り、倒れず、接点がタテに動いた。
 これは、相手にはジャッカル(タックルで倒れた相手のボールを奪うこと)の得意なベテランが数人、いるからだった。防ぐためには、倒れないこと。倒れても、二人目が素早く寄って、前に出ること。その意識があったからだろう、傍から見ると、接点の固まりが前に動いているように映った。
 序盤、自陣のラックのターンオーバー(相手のボールを奪うこと)から逆襲し、ニュージーランド育ちの「ケンゾー」ことSO(スタンドオフ)調建造が絶妙なゴロパント、これをウイング小澤和人が拾って先制トライを挙げた。
 直後、バックスのコミュニケーションミスから、相手外国人ウイングに走られて、ノーホイッスルトライを返された。イヤな雰囲気が流れる。でも我慢した。皆、身体を張った。相手の早いテンポにもゴールを割らせなかった。これが大きかった。
 前半20分。まるで大型トラック、あの「日野プロフィア」を彷彿させる力強さで、赤色ジャージのFW(フォワード)がスクラムを押した。ごりごり、ぐいぐい。スクラムトライ(ゴール)で14-7とした。
 スクラムは8人の結束である。姿勢が低ければ、さらにいい。フッカーの廣川三鶴主将が得意顔で言う。「スクラムでまず崩し、相手を黙らすことができました」と。
 「スクラムも、チームも、まとまりが出てきました。苦しい局面でも、段々我慢できるようになってきた。ウエイトの効果が出てきて、特に下半身が強くなっています」
 隠れた強さのヒミツは、個々のフィジカルアップである。木村耕・フィジカルコーチを招き、2月から徹底して筋力トレーニングをやってきた。例えば、廣川は足腰強化のスクワットでシーズン当初と現在で大幅に数値がアップしている。
 “プロフィア・FW(フォワード)”はモールを押し込んでトライを重ね、後半序盤にもスクラムで認定トライをもぎ取った。
 今年、フッカーから1番(左プロップ)に替わった真面目な茂手木亮が「セットプレーで圧倒できたのは、精神的にも大きかった」と言えば、3番(右プロップ)の村上玲央も「3人で押そうと言い合っていたんです」と胸を張る。二人とも2年目の24歳。村上は姿勢が低く、フィールドプレーもいい。
 FW(フォワード)が前に出れば、バックスもラクになる。「ガレちゃんで~す」の陽気なCTB(センター)ブレット・ガレスピが突破すれば、百戦錬磨のCTB(センター)山下大悟もラインに勢いをつけた。今季、先発2試合目のウイング篠田正悟も天性の滑らかなランで2トライ。この2年目の23歳は「チームは強くなっている。(ポジション争いのプレッシャーも強い」と漏らすのだった。
 勝つっていい。みんながハッピーな気分になる。山下は笑顔でスタンドのファンに手を大きく振った。
 「自分たちから崩れることが無くなってきています。自分たちのアタックを積み重ねること、精神的な我慢をし続けることをやっていけば、来年に繋がると思います」
 一つ、一つ。今季は残り、2試合。新たな歴史の1ページが加わり、チームはさらに成長していくのである。
(了)

細谷直監督のコメント
 「一つ、壁は破れました。選手たちは、いかにも楽しそうでした。躍動感があった。新たな歴史を創り始めるステージに入った。これから、未知の世界に入っていきますけど、あと2試合、しっかりチャレンジしていきたいと思います。」

廣川三鶴主将のコメント
 「4勝目は非常にうれしい。一歩一歩積み上げている最中です。去年に比べて、まとまりが出てきています。でも、プレーの精度はまだまだ。しっかり、そこにフォーカスし、一歩一歩、積み上げていきたい。」


Text by 松瀬学
1960年生まれ。福岡・修猷館高―早大ではラグビー部に所属。共同通信社を経て、2002年独立。酒と平和をこよなく愛する。著書は『汚れた金メダル』『スクラム』『なぜ東京五輪招致は成功したのか』など多数。

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