Uniting our souls!! 「結束」

2014-2015年シーズン

トップイースト vs SECOM RUGGUTS

2014年11月02日(日)13:00 日野自動車総合グランド(東京)

  • 日野自動車 RED DOLPHINS
    日野自動車 RED DOLPHINS
  • RUGGUTS
    SECOM RUGGUTS

:

28 トライ数4 ゴール数4 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
前半
14 トライ数2 ゴール数2 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
28 トライ数4 ゴール数4 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
後半
5 トライ数1 ゴール数0 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
RED DOLPHINS出場選手RUGGUTS
茂手木 亮1 PR木下 貴之
廣川 三鶴2 HO新井 幸輝
村上 玲央3 PR海老沢 洋
土屋 眞4 LO西川 匠
205 LO丸山 隆正
大窪 遥6 FL森 耕太郎
177 LF撫佐 俊介
538 No.8渡邉 庸介
田川 明洋9 SH向井 康洋
調 建造10 SO松本 聖
小澤 和人11 WTB石橋 秀基
6212 CTB姫野 拓也
Brett Gillespie13 CTB今村 六十
2914 WTB本郷 伸太郎
松井 佑太15 FB加藤 祐太
16 秋谷 喜美男
17 植村 健太郎⇔2(58分)
18 廣瀬 賢一
19 畑地 陽典⇔8(48分)
20 久高 慎介⇔9(63分)
21 堤 崇博⇔12(79分)
22 小沢 翔平⇔14(79分)
23 William Tupou⇔15(48分)
リザーブ 16 吉田 竜二
17 大森 翔
18 立道 裕昭
19 杉本 耀
20 池田 裕道
21 小野木 匠
22 湯上 裕盛
23 森田 大貴
得点選手トライ (T/5点)小澤和人 x1 Brett Gillespie x3 山下大悟 x1 アニセサムエラ x1 辻拓也 x1 茂木亮 x1
ゴール (G/2点)調建造 x8
ペナルティゴール (PG/3点) 
ドロップゴール (DG/3点) 

『大樹めざして「幹」づくり』

 チームとは生きものである。
 言わば樹木みたいなものか。日々、是、成長する。「水」は敗戦の悔しさ、勝利の喜び、「日光」がファンの声援だろう。
 ホームグラウンドのスタンド。「ナイス・ゲーム!」。秋の柔らかい陽射しの下、ファンからの温かい声援と拍手を受けながら、ミツルこと、主将のフッカー廣川三鶴がマイクを持った。生真面目なタックルマン。生産管理部の29歳は、初体験の「勝利者インタビュー」に声が硬い。
 「皆さんの応援が、大きな、大きな力になりました。ただ、まだ、つまらないミスが多かったので…」
 そうだ、多いっ!との叱咤激励が飛ぶ。ファンの笑いが巻き起こった。主将は頬を赤らめ、きっぱりと言い切った。
 「そこを無くして、次はシャットアウトで勝ちます。今日以上の熱い声援の程、宜しくお願いします」
 試合のテーマは、自分たちのラグビーを実践することにあった。未来を目指し、まずは大木の「幹」をつくるのだ。練習で準備したストラクチャー(戦術)に徹する。
 先制パンチだ。キックオフ直後、ロックのアニセ サムエラが阿修羅の如く、ぐいぐいと前進する。左へ回し、左ウイングの小澤和人がライン際を快走。右に切り返し、右側でボールをキープして、再びイッキに左に回した。生産管理部の23歳、小澤が左隅に先制トライ!
 この1週間、練習でやってきた通りのノーホイッスルトライだった。「練習みたいなトライでしたね」と、右ウイングの辻拓也は声を弾ませた。調達企画部の30歳。辻はその後、今季初トライをマークした。「恥ずかしながら、やっとで初トライ。チーム内の競争が激しいので、選んでもらっているときに頑張らなくてはいけません」
 日野自動車レッドドルフィンズは攻めた。スクラムでは押しまくった。FWは接点で前に出て、バックスは外のスペースを突いた。「接点を支配して、ボールを大きく動かす」(細谷直監督)とのゲームプラン通りの展開だった。
 シーズンが深まり、チームは成長した。相手が違うので単純比較はできないけれど、1対1の勝負の局面が多くあったということは、個々の戦術の理解度が高まり、効果的なところにボールを運べている証である。
 9番(スクラムハーフ)-10番(スタンドオフ)の球捌きもスムーズになっていた。ナンバー8テビタ・メツイセラらのハードなヒット。だが、時折、ハンドリングミスが起きる。ハイタックルなど不必要なペナルティーも犯した。反則数が、相手7つに対し、日野自動車は12だった。多過ぎる。
 ダイゴこと、百戦錬磨のセンター山下大悟がぼそっと漏らす。「まだスキルがない。(展開の)予測ができていない」。人事部付。向学心も旺盛な33歳。「そこはケーススタディを積み重ねていくしかない。経験値を上げていけば、より強いチームとなる」
 取られたトライが3本。ディフェンスを崩されてないのにゴールを割られた。摩訶不思議、スクラムを押しているのに、相手のナンバー8にサイドを突かれた。ラインディフェンスでは余っていないのに、コミュニケーションミスでぽっかりスペースを作った。
 スコアは快勝なのに、なんだかフラストレーションが募る。細谷監督の顔には「不満」「鬱」と書いてある。「もっとノー・ペナルティーの意識がないと、もっと強いチームには勝てない。これからペナルティー、ハンドリングエラーを撲滅していく」
 もちろん、勝って満足できないのは、それだけチームが成長してきたからだ。これで3勝3敗。実は3つの勝利数は日野自動車にとって、トップイーストでは最多タイである。もうトップチャレンジ進出は厳しいけれど、次からの1勝、1勝が新たな歴史となる。
 余談をいえば、週の平日、ラグビー部員は地域貢献活動の一環として小学校にタグラグビーの指導に通っている。サインを求められることもある。廣川主将は「こちらが癒されつつ、いい刺激をもらっています」と笑う。
 チームの成長を樹木に例えれば、と問えば、主将は暫し、考え込んだ。
 「まだ、理想の木の苗を植えたところでしょう。やっとで根が張り始め、幹が出来つつあるなって感じです」
 あくまでゴールは『未来』。目下、2トン車の「ヒノノニトン」から、中型トラックの「日野レンジャー」にパワーアップしている最中なのである。
 成長過程こそ、人と人との絆が生まれていく。心優しきファンよ、若木の如き、チームの成長を見よ。

                  (了)

【コメント】

細谷直監督
 まだまだ…。スコアしている時は練習通りだけど、フラストレーションが溜まる反則が多過ぎる。しっかりいいカタチでシーズンを終えるため、課題を修正し、残り3つをしっかりと戦っていく。

廣川三樹主将
 1週間かけて準備してきたことを、しっかりできたかな、と思います。一歩一歩、成長している。ただ、まだ一個一個のプレーに甘さがある。ミスが多かった。次は立て直していきたい。


Text by 松瀬学
1960年生まれ。福岡・修猷館高―早大ではラグビー部に所属。共同通信社を経て、2002年独立。酒と平和をこよなく愛する。著書は『汚れた金メダル』『スクラム』『なぜ東京五輪招致は成功したのか』など多数。

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