Uniting our souls!! 「結束」

2014-2015年シーズン

トップイースト vs 三菱重工相模原 DYNABOARS

2014年09月27日(土)15:00 三菱重工相模原グラウンド(神奈川)

  • 日野自動車 RED DOLPHINS
    日野自動車 RED DOLPHINS
  • DYNABOARS
    三菱重工相模原 DYNABOARS

:

0 トライ数0 ゴール数0 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
前半
26 トライ数4 ゴール数3 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
10 トライ数2 ゴール数0 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
後半
7 トライ数1 ゴール数1 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
RED DOLPHINS出場選手DYNABOARS
茂手木 亮1 PR竹井 勝彦
廣川 三鶴2 HO杉本 剛章
村上 玲央3 PR伊藤 雄大
土屋 眞4 LO徳田 亮真
205 LO山本 健太
大窪 遥6 FLDaniel Linde
藤田 哲啓7 LF中川ゴフ アレキサンダー
538 No.8ミロ デビット
田川 明洋9 SH芝本 裕吏
山道 翔10 SOStephen Donald
小澤 和人11 WTB大庭 侑馬
6212 CTB安井 慎太郎
松井 佑太13 CTBロコツイ シュウペリ
2914 WTB椚 露輝
6615 FB阿久田 健策
16 秋谷 喜美男
17 植村 健太郎⇔2(58分)
18 廣瀬 賢一
19 関戸 直行⇔4(55分)
20 畑地 陽典⇔8(55分)
21 久高 慎介⇔9(42分)
22 BRETT GILLESPI⇔10(55分)
23 篠田 正悟⇔14(40分) 
リザーブ 16 安藤 悠稀
17 北川 喬之
18 井上 雄大
19 堀越 健介
20 太田 千博
21 Shane Williams
23 成 昂徳
得点選手トライ (T/5点)植村 健太郎 x2
ゴール (G/2点) 
ペナルティゴール (PG/3点) 
ドロップゴール (DG/3点) 

『トップイースト最強チームに挑むも「立ち上がり」に泣く』

ウォーミングアップの段階で、新人のウイング小澤和人は違和感を覚えた。だから声を枯らしたのだ。
「皆で、皆で(盛り)上げて行きましょう」
 トップイーストディビジョン1をここまで1勝1敗としてきた日野自動車レッドドルフィンズは、敵地での3戦目を間近に控えていた。
  対するは昨季1位の三菱重工相模原ダイナボアーズ。国内最高峰のトップリーグ昇格まであと一歩に迫った難敵だ。前年度7位の日野自動車としては、序盤からエンジン全開で相手のペースを乱したかった。
「80分じゃないよ、最初の10分。身体を張ることと、コミュニケーション」
 試合直前。円陣のなかで発したのはセンター山下大悟だった。今季新加入。早大、トップリーグのサントリー、NTTコムでラグビーファン注目の大勝負を演じてきた33歳である。挑戦者が白星を得るための必須事項を、ごくごく簡単な言葉で表していた。
 しかし…。大一番を前に、のウイング小澤和人が抱いた危機感は、そのままプレーの各所に現れてしまう。
「アップでは、気合いは入ってたと思うんですけど…。緊張していたのか皆、声が出ていなかった」

 キックオフ。日野自動車は、自陣中盤でなんとかボールを保持する。
 相手のフォワードにはトップリーグ経験者や外国人選手が揃い、力ずくで前進できる。だから、自陣ゴール前に近い位置ではプレーさせたくない。まず、敵陣へ進む…。チームの意志を示すはずだった司令塔のキックは、しかし、バウンドせずにタッチラインを越えてしまう。ダイレクトタッチ。ルールに倣い、蹴った地点から相手の攻めが始まる。避けたかった自陣ゴール前でのピンチから先制点を許す。前半3分だった。
 スクラムは押し込まれた。この日のレフリングの傾向に適応するのが遅れたからだ。全員で鍛えたはずの鋭いタックルもしばし後退した。選手たちの実感によれば、敵にぶつかってからのあと1歩の踏み込みが甘くなっていたようだ。これら1つひとつの事象は、直前練習時の違和感と無関係ではなさそうだった。結局、受け身ばかりの前半は0-26で終えた。
「ダイレクトタッチ。あれが前半の入り悪さに繋がりました」
 試合後、今季就任の細谷直監督ははっきりと言った。
「誰が蹴るのかが曖昧だった、自分が蹴るのではないと思っていた、と。積極性の違いが、そういうところ(本来の力を出せるかどうか)に繋がっている。ピンチの時に他人任せにしてしまう人が、まだ、いるかもしれない。自らの意志でピンチをしのごうという人のところにボールが行けば、(相手の勢いは)止められた」
 密集から出たボールを一番最初にもらうセンター山下は、突進、また突進、あえて相手の強いタックラーのところへぶち当たった。35分頃にはウイング小澤が敵陣中盤左タッチライン際を快走、しばしボールが継続されると、22メートルエリアの密集脇に飛び込み、さらに鋭いランを繰り出した。
 後半に入ると、日野自動車はますます本来の魅力を示す。規則性ある左右へのパス回し。途中出場の久高慎介の速攻。そこへ援護に入った小澤の快走…。
 身長199センチのフィジー出身ロック、アニセ サムエラを軸に、ラインアウトは終始安定した。ここを起点に20、29分と立て続けにフッカー植村健太郎のトライが決まった。後半のスコアは10-7と、日野自動車がリードしていた。裏を返せば、前半から力を出し切れなかったことが、敗因のひとつだったか。

 ノーサイド。10-33。得点板に、日野自動車の2敗目が掲示された。
 誰でも、最初から自分たちのペースで戦いたい。まして格上との対戦では勢いをつかみたい。誰でもやりたいことができなかった理由は、一体、何だったのか。

センター山下は、
 「根本的には、スキル不足。いいプレッシャーのなかでのいい練習で、スキルを鍛える。これをずーっと、やっていかないと。最後は『気持ちをひとつに』ということも必要になるけど、それだけではラグビーは勝てない。体力、スキルがあって、始めて成り立つので」
 スタンドには、各部署が作成した横断幕が張られた。細谷監督の就任を筆頭に指導体制も代わり、社を挙げてのラグビー部への思いが傍目からも伝わる。これから強くなる人たちにとって、この日のような苦い思いは避けては通れまい。そして、それを今後のいい思いに変えるのは、日野市のホームグラウンドでの「練習」なのである。

センター山下は、
 「日野自動車がこれから強くなろうとしている。その一員でいられることは幸せです」
 トップイーストディビジョン1は今季、群雄割拠の様相だ。次なる相手は東京ガス。NTTコムの前監督として昨季まで山下とともに戦ってきた、林雅人氏がヘッドコーチに就任したクラブだ。お互いに手の内を知る相手、絶対に負けられない一戦である。

【コメント】
細谷直監督
 我々はボールをワイドに動かせばゲインラインを突破できると思っていて、そこは皆、やってくれた。前半の入り、簡単に相手のラグビーをさせてしまったのがビハインドを作った最大の要因です。あとは(チャンスを)仕留める精度に関して課題をもらった。次節の東京ガス戦までに課題を修正していきます。

廣川三鶴主将
 向こうの強みを活かしてしまったことが、そのままスコアに繋がってしまいました。課題は明確に出ている。そこを修正すれば勝ちに行く段階まで、このチームは来ています。コンディション、気持ちを切り替えます。

Text by 向 風見也
 1982年生まれ。スポーツライター。.主にラグビーに関するリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「スポルティーバ」「スポーツナビ」「ラグビーリパブリック」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会も行う。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)

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