Uniting our souls!! 「結束」

2014-2015年シーズン

トップイースト vs 釜石 SEA WAVES

2014年09月13日(土)15:00 日野自動車総合グランド(東京都)

  • 日野自動車 RED DOLPHINS
    日野自動車 RED DOLPHINS
  • SEA WAVES
    釜石 SEA WAVES

:

0 トライ数0 ゴール数0 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
前半
3 トライ数0 ゴール数0 ペナルティゴール数1 ドロップゴール数0
5 トライ数1 ゴール数0 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
後半
13 トライ数2 ゴール数0 ペナルティゴール数1 ドロップゴール数0
RED DOLPHINS出場選手SEA WAVES
茂手木 亮1 PR鄭 貴弘
廣川 三鶴2 HO高橋 拓也
村上 玲央3 PR佐々木 和樹
大窪 遥4 LO伊藤 剛臣
205 LOルイ ラタ
176 FLヘイデン ホップグット
藤田 哲啓7 LF佐伯 悠
538 No.8須田 康夫
田川 明洋9 SH原田 航路
6610 SO井上 益基也
小澤 和人11 WTB小野 航大
6212 CTBセイラ マプスア
苫谷 直樹13 CTB片岡 将
2914 WTB菅野 朋幸
松井 佑太15 FB奥田 浩也
16 秋谷 喜美男 ⇔ 1(68分)
17 植村 健太郎 ⇔ 17(68分)
18 廣瀬 賢一 ⇔ 3(68分)
19 土屋 眞 ⇔ 8(64分)
20 橋爪 友宏 ⇔ 6(53分)
21 久高 慎介 ⇔ 9(64分)
22 BRETT GILLESPI ⇔13(64分)
23 篠田 正悟 ⇔ 14(40分)
リザーブ 16 水本 裕也
17 樋澤 泰二
18 斎藤 芳
19 マヘ トゥビ
20 千布 亮輔
21 サム ノートンナイト
22 タウファ タフィアイバハ有
23 ジェームス カマナ
得点選手トライ (T/5点)Tevita Metuisera x1
ゴール (G/2点) 
ペナルティゴール (PG/3点) 
ドロップゴール (DG/3点) 

『悔しさとプライド。“極限”へのキックオフ』

くやしくて、くやしくて。
 初秋のオレンジ色の夕日のなか、深紅のジャージィの日野自動車レッドドルフィンズの輪ができた。主将の廣川三鶴が声を絞り出す。「この悔しさをしっかり味わおう。そして気持ちを切り替えよう。次は絶対、勝つゾー。」
 開幕戦だった。周りの期待の表れだろう、ホームのグラウンドには一千人があつまった。ユニフォームが一新され、メンバーも戦力アップされた。ハーフタイムには、子どもたちの愛らしいチアリーダーまで登場した。
『新生・日野』の船出だった。ついでにいえば、日本代表のエディー・ジョーンズヘッドコーチの姿まであった。トップリーグの試合をうっちゃって、日野まで来たのだ。試合前、「この試合、オモシロくなるよ」と名将は予想したのだった。
惜しかった。たしかに「HINOスピリット」は随所にみえた。「気持ちのこもった」ラグビーだった。全員が、からだを張る。二人目の子どもが生まれたばかりのフィジー出身のロック、アニセ・サムエラがキックオフのボールに果敢に飛びつく。
ゴール前のディフェンスでは、深紅のジャージィが束となって青色ジャージィの釜石の怒涛の攻めを食い止めた。とくにフッカーの廣川主将、フランカー関戸直之、藤田哲啓、オーストラリア出身のナンバー8テビタ・メツイセラの猛タックル。魂と気魄、プライド。見ているこちらまで胸が熱くなった。
 前半35分、やっとで均衡が崩れた。PGで3点を失う。風下の後半の4分。日野の「秘策」が的中した。相手ゴール前のラインアウト。ロングボールを外から走り込んできたメツイセラがキャッチし、2、3人のタックラーを蹴散らして、左中間に飛び込んだ。その機動力と馬力は、まるで「ヒノノニトン」。
 でも、勝利をたぐり寄せることができなかったのは、自分たちのミスからである。いわば「自滅」。相手のキックの処理を誤り、ピンチを脱するためのキックにチャージをくらってトライを奪われた。流れがかわった。
 攻めては、前後半、2、3回ずつ、相手ゴール前で不用意な反則をとられた。ハンドリングミスもあった。あと1㍍…。ブレイクダウンでボールが暴れ、SH田川明洋がさばけない。ボールを持った選手がすぐ倒れ、二人目が頭から飛び込んでしまう。レフリーの稚拙さはともかく、笛が相手びいきに見えたのは自分らのプレーが未熟なためである。
 釜石との差は、ひとことで言えば、「精度」の差だった。「経験」の差だった。釜石のレジェンド、ロック伊藤剛臣の狡猾さを見よ。
新加入のチーム最年長、33歳の山下大悟は言った。「少し我慢のきかないところがあるんです。精神的なこともあるでしょうが、スキルとしてハンドリングがまだ上手じゃない。練習から勇気を持ってチャレンジしていかないとスキルは身につかないのです」と。
 昨季大敗(5-71)した相手に惜敗(5-16)だったのだから、彼我の差は縮まっている。コンタクトエリア、セットプレーは間違いなく、成長している。でも課題もたくさんある。基本技術の修得はつらい反復練習の積み重ねからしか作られない。
 『一致団結』とのスタンドの横断幕が秋風に揺れていた。「一体感の醸成もぼくらの務めです」と、細谷直・新監督は語気をつよめる。「会社の期待は感じています。だから、ぼくらは絶対、あきらめちゃいけないのです」
 次の横河武蔵野戦に勝ってこそ、開幕戦の健闘が初めて、意味をなす。悔しさとプライド。次こそ、真価が問われるのである。いざ魂の凱歌をあげよ。
            (了)

【コメント】
細谷直監督 
 からだの張り方は、80分間、釜石に負けず劣らずやれたと思います。勝負どころの経験値の差、とり切る精度の差ですね。次の横河に勝ち切ることができれば、自分たちの成長を確認できるでしょう。

廣川三鶴主将 
 正直、ほんとうに勝てる試合だったと思います。応援のチカラを感じました。社をあげて強化に取り組んでいただいています。それに応えるためには、ぼくらが勝つしかないのです。



【松瀬略歴】
1960年生まれ。福岡・修猷館高―早大ではラグビー部に所属。共同通信社を経て、2002年独立。酒と平和をこよなく愛する。著書は『汚れた金メダル』『スクラム』『なぜ東京五輪招致は成功したのか』など多数。

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