Uniting our souls!! 「結束」

2017-2018年シーズン

トップチャレンジリーグ vs 釜石 SEA WAVES

2017年10月07日(土)11:30 (いわぎんスタジアム)

  • 日野自動車 RED DOLPHINS
    日野自動車 RED DOLPHINS
  • SEA WAVES
    釜石 SEA WAVES

:

7 トライ数1 ゴール数1 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
前半
3 トライ数0 ゴール数0 ペナルティゴール数1 ドロップゴール数0
17 トライ数3 ゴール数1 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
後半
8 トライ数1 ゴール数0 ペナルティゴール数1 ドロップゴール数0
RED DOLPHINS出場選手SEA WAVES
長野 正和1 PR高橋拓也
崩 光瑠2 HO中村彰
村上 玲央3 PR佐々木和樹
Joel Everson4 LOステファン・ルイス
笠原 雄太5 LO北川勇次
藤田 哲啓6 FL菅原貴広
佐々木 隆道7 LF木村優太
千布 亮輔8 No.8クリス・アルコック
古川 浩太郎9 SHスコット・ゲイル
染山 茂範10 SO中村良真
田邊 秀樹11 WTB小野航大
Mosese Tonga12 CTBロコツイシュウペリ
片岡 将13 CTB村田オスカロイド
小澤 和人14 WTB森山裕樹
Gillies Kaka15 FB村井佑太朗
金 光植
廣川 三鶴
廣瀬 賢一
土屋 眞
木村 勇大
小沢 翔平
山道 翔
林 泰基
リザーブ 吉田竜二
マヘトゥビ
水本裕也
伊藤剛臣
中野裕太
南篤志
井上益基也
四ノ宮マイケル
得点選手トライ (T/5点)前半:小澤、後半:千布(3)
ゴール (G/2点)前半:染山、後半:山道
ペナルティゴール (PG/3点) 
ドロップゴール (DG/3点) 

 日野自動車のアウトサイドセンターである片岡将は、今度の試合に特別な感慨を抱いていた。相手が、一昨年までプレーした釜石だったからだ。

2011年に栗田工業に入部した片岡は、14年に釜石へ移ってからラグビー一筋で身を立てている。日野自動車の仲間へ入る心境などを聞かれ、こう述べたことがある。

「釜石のことは好きだったので、そこを離れるのだったら…と総合的なことを考えてきました。いまは日野自動車に来てよかったと思えますし、このままトップリーグに昇格できたら、より、そう思える…と感じています」

 そんな古巣とのカードで、くしくもゲームキャプテンを任されることとなった。
 


 広島、東京、山口と続き、今度の会場は岩手である。昨季まではトップイーストでしのぎを削ってきた日野自動車と釜石の一戦は、今季新設されたトップチャレンジリーグの第4節として盛岡市のいわぎんスタジアムでおこなわれる。雨粒に襲われるスタンドでは、この日も熱心なファンが真っ赤なスティックバルーンを打ち鳴らす。

このリーグでは、日本最高峰のトップリーグ入りが争われている。前半戦にあたる1stステージの上位4チームが、後半戦の2ndステージで自動昇格を目指すこととなる。そして日野自動車は、ここで釜石を制すれば4位以上が確定となる。

重圧のかかるこの日、何と、強みのスクラムで宿題を背負わされてしまう。

相手のペナルティーゴールにより0-3とリードされて迎えた、前半16分。この午後最初の自軍ボールスクラムを獲得も、相手のフォワードの塊に押し戻される。攻撃権を渡す。

組み合う瞬間に互いが体重を掛け合う時、釜石の選手に極端な圧力をかけられたようだ。最前列中央のフッカーに入る「技術管理部」の26歳、崩光瑠によればこうだ。

「ちょっとした相手の押し方、自分たちのメンタル(の影響)があったのかな…」

スクラムは、宮本安正コーチのもと丹念に鍛えてきたプレー。それだけに、押された瞬間のフォワードはやや「面食らったみたい」だったと片岡は振り返る。

もっとも、パニックにはならなかった。確実なプレー選択を通し、落ち着くよう促した。

「日野自動車のフォワードが悪いというより、釜石のフォワードがすごくファイトしていた。こういう展開にはなるだろうな」

続く25分、敵陣22メートルエリア左のラインアウトからモールを形成。その脇をフォワード陣が相次ぎ突進する。1対1の局面をひとつずつ制し、最後は「生産管理部」部のウイング、小澤和人が右タッチライン際を駆け抜ける。直後のゴール成功もあり、7-3と逆転した。

肝心のスクラムも、時間を重ねるごとに改善。ハーフタイム直前には、敵陣ゴール前でペナルティーキックをもらうと相次ぎスクラムを選ぶ。たとえ最初の1本を押し返されても、崩は自分たちの軸を信じたかったのだ。

「ここで勝てないと日野自動車じゃない。スクラムは、これから日野の武器としてもっと伸ばさなきゃいけない…。バックスの選手にも、こだわらせてくれと話していました」

ここではパスを受け取ったランナーが孤立するなどして追加点こそ奪えなかったものの、タフな40分をリードして折り返せたのだった。



 後半、片岡に代わって登場したのが林泰基だ。パナソニックから移籍1年目の32歳にとっては、これがコンディション不良からの復帰戦。具体的な指示や鋭いタックルなどを通し、「すべての局面で正解のプレーを」の意をにじませる。

 10分以上前にスコアを12―3から12-6に詰められていた25分頃、自陣10メートルエリア右で相手ボールスクラムを迎える。

ここで林は、持ち場のインサイドセンターの位置からフォワードのもとへ駆け寄る。

声をかける。

「自分たちのやって来たことしか出ない。初心に帰って、ベーシックなスキルをやり切ろう」

 ここから日野自動車は、ギアを入れんとする釜石の前に自慢の防御ラインを敷き詰める。左中間で林が低いタックルを決め、進撃を許さない。さらに左端の接点では、小澤が球へ絡んで釜石の反則を誘うのだった。林の述懐。

「経験値がないと、焦って、焦って相手のテンポに飲まれていく。80分間もあればああいう(悪い)時間帯は絶対に生まれるのですが、そこで焦って欲しくなかったから…」

 先発した「トヨタ部」の染山茂範、ラスト20分で登場した「TS支援企画部」の山道翔という両スタンドオフのキックで、日野自動車は首尾よく陣地を獲得。終盤は敵陣でペナルティーキックを得て、どんどん速攻を仕掛けてゆく。その流れに乗った後半31分には、敵陣ゴール前左中間でのスクラムからナンバーエイトの千布亮輔がインゴールを割る。直後のゴール成功でスコアは19―6。最後は両者とも1トライずつ獲り合う展開となったが、4連勝の日野自動車は4位以上を確定させた。

 加点するなかでも、押されたスクラムやチャンスでのミスならあった。それでも、皆で注力する組織防御が崩されなかった。サントリーから移籍2年目のオープンサイドフランカー、佐々木隆道は、レビューとプレビューをこうまとめた。

「釜石を相手にこのパフォーマンスができたのは、成長できた点。セットプレーはもう少し改善しないといけないですが、ディフェンスはよくなった。トライを取られる匂いはしなかったです。日野自動車はセットプレーを安定させて、ディフェンスで頑張らないと勝てないチーム。もう1回、そこをテーマにしていきます」

 次にぶつかる三菱重工相模原は、トップリーグ在籍経験のある難敵だ。日野自動車は前年度のトップイースト、昇格を賭けたトップチャレンジ1で2連敗を喫している。

向こうが海外出身者をずらりと並べるなか、日野自動車は佐々木の述べるひたむきさを示したい。29歳の片岡もまた、今後のフォーカスポイントは防御と肉弾戦だと言う。

「4戦目で今日のようなファイトを相手にされたのは、すごくよかった。これくらいのことを経験しないと、三菱、ホンダ(11月25日に対戦)には勝てないと思うので。外国人の多い相手に対し、僕たちの練習してきた通りのアタックをどれくらい出せるのか…。それを考えると、これからの練習では僕からディフェンスやブレイクダウン(肉弾戦)について厳しく言っていきたい」

激突するのは2週間後の10月22日、東京の秩父宮ラグビー場である。日野自動車は釜石戦の反省を活かしつつ、リベンジを果たせるだろうか。

 
【細谷監督】
いずれにしても勝ち点5を取り、4位以内を決められた。三菱戦に向けてやれることは限られていますが、セットプレー(スクラム、ラインアウト)に集中していく。あとは、ブレイクダウンです。きょうは1人目の前に出る意欲が少し足らなくて、2人目の寄りが遅くて高かった。これは納得できるものではない。ベーシックな部分のスタンダードを高めないといけません。

【廣川主将】
難しい試合になるのは想定内でした。特に前半は、点数が動かなくても焦らずやっていこうと(事前に)話していました。選手は、よく理解して動いていたと思います。ただ、点数を取り切るところで取り切れなかったのは甘いところです。スクラムは、まだまだレベルアップしないといけない段階。日々、積み上げないといけない。

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