Uniting our souls!! 「結束」

2016-2017年シーズン

トップイースト vs 日本IBM BIGBLUE

2016年11月26日(土)13:00 日野自動車総合グランド()

  • 日野自動車 RED DOLPHINS
    日野自動車 RED DOLPHINS
  • BIGBLUE
    日本IBM BIGBLUE

:

43 トライ数6 ゴール数5 ペナルティゴール数1 ドロップゴール数0
前半
0 トライ数0 ゴール数0 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
45 トライ数7 ゴール数5 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
後半
0 トライ数0 ゴール数0 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
RED DOLPHINS出場選手BIGBLUE
長野 正和1 PR岡本 隆太郎
崩 光瑠2 HO渡辺 耕平
村上 玲央3 PR西山 淳哉
庄司 壽之4 LO棚橋 健太
笠原 雄太5 LO萩原 祐一朗
小野 貴久6 FL加部 恭史
佐々木 隆道7 LF石井 達士
538 No.8森山 展行
田川 明洋9 SH津田 祥之介
山道 翔10 SO重見 彰洋
Gillies Kaka11 WTB勝俣 啓太
Mosese Tonga12 CTB大黒田 健人
片岡 将13 CTBPatrik Stehlin
Marc Le14 WTB伊藤 拓己
河野 嵩史15 FB大松 直人
茂手木 亮
廣川 三鶴
金 光植
木村 勇太
李 淳也
君島 良夫
坂本 椋矢
小沢 翔平
リザーブ 房前 幸樹
上野 良太
相田 一郎
竹谷 直樹
冨沢 智也
渡曾 拓也
宮川 剛大
得点選手トライ (T/5点)MOSESE(前半1)、崩(前半1、後半1)、TEVITA(前半2、後半1)、GILLIES(前半1)、佐々木(前半1)、MARC(後半1)、庄司(後半2)、山道(後半1)
ゴール (G/2点)山道(前半5、後半4)、君島(後半1)
ペナルティゴール (PG/3点)山道(前半1)
ドロップゴール (DG/3点) 

日野自動車@日本IBM戦・松瀬学
『感謝とプライドの有終の美』
   (20W×100L)

 ああ惜別である。感謝とプライドである。今季のトップイーストリーグ最終戦。おそらく公式戦最後の試合となるホームグラウンドにおいて、日野自動車レッドドルフィンズは有終の美をかざった。
 晩秋の土曜日。青い空がひろがり、白い雪の塊がグラウンドを囲んでいた。木曜日にグラウンドを覆った雪は試合に出場しない“ノン・メンバー”によって雪かきされていた。ざっと7、8時間。ノンメンバーのかじかむ手を思えば、試合メンバーは下手なプレイはできなかった。
 「もう感謝の言葉しかないですね」。日野自動車のフッカー、廣川三鶴主将はそう、漏らした。だから、相手は格下の日本IBMとはいえ、どの選手のプレイにも魂がこもっていた。
 「彼らが歯を食いしばってやってくれたので、ぼくらはその分、絶対、やらないといけなかった。責任のないプレイはダメでしょ。きょうの最大の敵は自分たちでした」
 1週前の試合では、三菱重工相模原に完敗し、リーグ優勝を逃していた。無得点だった。5トライを許した。細谷直監督は試合前、「日野のプライドをもう一回、取り戻そうぜ!」と檄を飛ばしていた。
「(先週は)ディフェンス面が悪かったけど、きょうはゼロに抑えてくれた。それが一番の収穫です。アタック面も後半、しっかり修正してくれました」
 前半、スクラムトライなどで6トライを挙げたけれども、プレイがどこか軽かった。不用意なキック、判断ミス、簡単なハンドリングミスもあった。前半終了間際、細谷監督はこう、声を張り上げた。
「堅実にしろ!」
「ノー・フィフティ!」
 フィフティとは、フィフティ・フィフティ・パスを指す。通るかどうか5分5分の難しいパス、つまりイチかバチかのパスである。これが多いと、パスミスも増えることになる。
 ハーフタイムにバネを巻き直されたのだろう、後半はプレイに確かさが増した。開始3分。FWが前に出て、バックスが右に左につないで、最後はウイングのマーク・リーが右隅に抑えた。4分後にはスクラムトライを加え、さらに3分後にもFW、バックス一体となった攻めでフッカー崩光瑠がインゴールに飛び込んだ。この10分間、ハンドリングミスはゼロだった。
 この3連続トライで日野は勢いづいた。黒いヘッドキャップをかぶったフルバック、河野崇史が鋭利するどいランを繰り返せば、ニュージーランド7人制代表のギリース・カカも華麗なランでファンを魅了した。
 カカは人がいい。何といっても、日本の文化になじもうという姿勢がいい。試合中、河野から「ノータッチ・ケア」と英語で声をかけられると、カカは日本語でこう、返した。
 「はいっ」
 陽ざしにキラキラ光るスキンヘッドのスタンドオフ、山道翔がボールをうまくコントロールした。ライン攻撃も勢いがあった。昨季まで在籍していたスキンヘッドの山下大悟(現・早大監督)に憧れ、26歳はこの夏、頭をツルツルに剃った。いまだLINEを交わす。
「大悟さん同様、ぼくも熱いハートでプレイしています」
 これまた熱いプレイヤーのフランカー佐々木隆道もからだを張った。ハイパントのキャッチなどはもう、惚れ惚れする。隆道はいう。
「IBMと試合をしたんですけど、ぼくは先を見据えたプレイをしようと思っていました。そういう部分でチャレンジでした。気持ちは乗っていましたけど、スキルはまだチームとしてはよくない。もっと低いプレイをしないとこの先は通用しません」
 そうなのだ。日野自動車は初めてリーグ2位となり、トップチャレンジ2に進出を決めた。まずはそこを勝ち抜き、トップチャレンジ1に進まないといけない。
 この日、日野自動車の市橋保彦社長ほか、日野市の大坪冬彦市長も応援に訪れていた。ファンも約300人。来季からのトップチャレンジリーグ入りを決めているため、ホームグラウンドでは“ラスト・ゲーム”となった。
 廣川主将は入社9年目。その入社の年の途中、土から人工芝に変わった。汗と涙、いろんな思いがしみ込んだグラウンド。「心では泣いています」と廣川主将はつぶやいた。
「最後の公式戦、少しは花を添えられたかな、と思います」
 試合後、ラグビー部員全員がフェンス際の出口に並んで観客を見送った。真心こめて。西日にかがやく、いい光景だった。
 終わりはまた、始まりでもある。トップリーグ昇格に向けた戦いがつづく。選手たちは心でこう、繰り返したはずだ。
 いつも、ありがとう。
             (了)

【コメント】
細谷直監督 前半はフィフティ―パスが目立ったけれど、後半は修正してくれました。まずは(チャレンジ2の)初戦。こえからも、FW、バックス一体となったタテの脅威を相手に与えていきたい。(チャレンジ1に進出して)正月を超す喜びをみんなで味わいたい。

廣川三鶴主将 チームメイトが雪かきしてくれたので、下手なプレイ、責任のないプレイはできなかった。これから(トップチャレンジ2)は相手がどうこうではなく、自分たちらしさを出せるかどうかです。そのため、しっかり準備をしたい。

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