Uniting our souls!! 「結束」

2016-2017年シーズン

トップイースト vs 東京ガス ラグビー部

2016年09月17日(土)15:00 東京ガス大森グランド()

  • 日野自動車 RED DOLPHINS
    日野自動車 RED DOLPHINS
  • ラグビー部
    東京ガス ラグビー部

:

24 トライ数3 ゴール数3 ペナルティゴール数1 ドロップゴール数0
前半
7 トライ数1 ゴール数1 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
29 トライ数5 ゴール数2 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
後半
0 トライ数0 ゴール数0 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
RED DOLPHINS出場選手ラグビー部
長野 正和1 PR橋本 樹
崩 光瑠2 HO小川 一真
村上 玲央3 PR小関 大介
笠原 雄太4 LO髙野 祐史
Joel Everson5 LO坂本 駿
藤田 哲啓6 FL箱崎 友己
佐々木 隆道7 LF阿井 宏太郎
千布 亮輔8 No.8粕谷 俊輔
田川 明洋9 SH辰野 新之助
君島 良夫10 SOヘイデン クリップス
3511 WTBアダム ガウダー
Brett Gillespie12 CTB西田 悠人
片岡 将13 CTB野田 滉貴
Marc Le14 WTB斉藤 春樹
Gillies Kaka15 FB長尾 岳人
加藤 凌悠
廣川 三鶴
廣瀬 賢一
庄司 壽之
TEVITA METUISELA
山道 翔
TONGA MOSESE
小沢 翔平
リザーブ 小山 洋平
下山田 領治
蛯名 崇博
和田 拓馬
高野 聡
皆良田 勝
茂木 直也
西尾 風太郎
得点選手トライ (T/5点)山口(前半1)千布(前半1)FW(前半1後半1)マーク(後半2)テビタ(後半1)カカ(後半1)
ゴール (G/2点)君島(5)
ペナルティゴール (PG/3点)君島(1)
ドロップゴール (DG/3点) 

日野自動車VS東京ガス
『夢へのトビラをひとつ、開けた』

 大いなる夢へのトビラがひとつ、開(あ)いた。上昇気流にのる日野自動車レッドドルフィンズが東京ガスから記念すべき公式戦初勝利を挙げ、連勝スタートとした。「いやいや。開いたじゃなく」と、フッカーの廣川三鶴主将は顔をくしゃくしゃにした。
 「みんなで開けたのです。夢への(第一関門の)トビラに手までかけていたので、きょう全員で開けようと言い合っていたのです。チーム力の差だと思います」
同感である。チーム全体として、日野自動車は強くなった。勝負とは「準備」と「戦略」「ハードワーク」である。この一週間、試合メンバー外の選手たちが、悔しさを押し殺して“仮想東ガス”役を引き受け、本番さながらの練習を繰り広げた。
 廣川主将はつづけた。
「その練習の成果が濃く試合に出ました。彼ら(東ガス)はトライを獲り切る力に長けていたんですが、ぼくらは我慢して我慢して、踏ん張りました。だから、この勝利は、一緒に(試合の)準備をしてくれたみんなのお陰だと思います」
 17日。東京・東京ガス大森グラウンド。キックオフ直後、日野は強烈な先制パンチをお見舞いした。相手ボールを奪うと、連続攻撃から素早く左オープンに回し、スタンドオフ君島良夫が前に出てきた相手ウイングのウラに絶妙のパントを蹴った。
脱兎のごとく走り込んだ左ウイングの「ぐっさん」こと山口裕貴がこのボールを拾い、そのまま左隅に飛び込んだ。ノーホイッスルトライ。難しい位置からの君島のゴールも決まり、いきなり7点を先行した。
  「じつは」と、ぐっさんは説明してくれた。「事前のミーティングから、展開していったら、相手のウイングが(前に)上がってくるのは分かっていました。早めに“ウラ空いている”と言ったら、ヨシオさん(君島)がいいところにボールを蹴ってくれたのです」
 ぐっさんはグローバル物流管理部所属の27歳。けがに苦しみ、今季が「4年ぶりぐらい」の試合出場となっている。ブランクの分の思いも込め、からだを張る。つい拍手を送りたくなるガッツプレー。札幌山の手高校時代は、あの日本代表のリーチ・マイケル(東芝)と同期である。「次元がちがいますよ」と笑いながらも、目には覇気がただよう。
  「刺激は受けています」
 勝因はなんといっても、やはりスクラムだった。前半は、7本のマイボールスクラムをすべて押し込んで、相手のコラプシング(故意に崩す行為)の反則をもぎとった。強い、強い、ほんとうに強い。
 トライを返されたあとの前半終盤、スクラムをぐいぐい押し込んで反則をもぎとり、認定トライをもらった。相手の左プロップのシンビン(一時的退場)のおまけつきだ。
 さらに準備が如実にみえたのは、鉄壁ディフェンスだった。昨季最終戦では好き勝手にやられた相手スタンドオフのヘイデン・クリップス絡みのプレーをほぼ、止めた。細谷直監督は言葉に満足感をただよわす。
 「クリップスを中心とするワンパスからのラインブレイクをしっかりと止めてくれました。これもBチーム(メンバー外)が東ガスのアタックを忠実にやってくれたからです。10番(スタンドオフ)のアタックに対して、しっかりと面で守ってくれました」
 後半はもう、「いけいけ、ヒ~ノ」「押せ押せ、ヒ~ノ」である。ワッショイ、ワッショイ。ラックから右に回して右ウイングのマーク・リーが快足をとばし、また途中交代出場のテビタが約50㍍を爆走してそれぞれトライを重ねた。後半中盤。フッカーが崩光瑠から廣川主将に代わった。崩が引き揚げてくるなり、ベンチ前で声を張り上げた。
  「ヨッシ! 押したった」
 後半終盤には、モールを押し込んでトライを奪うと、テビタがまたまた、トライを追加。さらにはニュージーランドのリオ五輪代表だったフルバック、ギリース・カカがあっと驚くステップを踏んでトライを加えた。結局、8トライを奪って、53-7で圧勝した。
 相手に鋭いタックルを連発した佐々木隆道、藤田哲啓の両フランカーも、「ディシプリン(規律)!」と声をかけ続けたゲームキャプテンのロック笠原雄太も、だれもかれもが、笑顔、笑顔、笑顔のオンパレードだった。
 ただ、よくみれば、まだハンドリングなど、こまかいミスが多々、あった。楽観は禁物である。確かに第一関門は突破したけれど、第二関門、第三関門とつづく。勝ってカブトの緒を締めよ、である。
 次は、25日の秋田ノーザンブレッツ戦(秩父宮)。ひとつ、ひとつ、またひとつ。夢のトビラを完全に開けるまで。
             (了)

【コメント】
 細谷直監督 素晴らしいゲームでした。ここ近年では、ベストのゲームではないでしょうか。やるべきことをちゃんとやってきたということです。1週間の準備において、我々スタッフが絞り込んだものを、選手が信じてしっかりとやってくれました。Aチームだけでなく、Bチームの力も加わったのです。チームの中からフツフツと湧き上がってくるものを感じます。

 廣川三鶴主将 気持ちよかった。たぶん、試合メンバーに入れなかった選手も同じ気持ちだと思います。まだ夢へのトビラを完全に開けたわけじゃありません。ひとつずつ…。全員で開けていくだけです。

Text by 松瀬学
1960年生まれ。福岡・修猷館高―早大ではラグビー部に所属。共同通信社を経て、2002年独立。酒と平和をこよなく愛する。著書は『汚れた金メダル』『スクラム』『なぜ東京五輪招致は成功したのか』など多数。

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