Uniting our souls!! 「結束」

2016-2017年シーズン

トップイースト vs 栗田工業 WATERGUSH

2016年09月10日(土)17:00 日野自動車総合グランド()

  • 日野自動車 RED DOLPHINS
    日野自動車 RED DOLPHINS
  • WATERGUSH
    栗田工業 WATERGUSH

:

20 トライ数2 ゴール数2 ペナルティゴール数2 ドロップゴール数0
前半
17 トライ数2 ゴール数2 ペナルティゴール数1 ドロップゴール数0
7 トライ数1 ゴール数1 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
後半
3 トライ数0 ゴール数0 ペナルティゴール数1 ドロップゴール数0
RED DOLPHINS出場選手WATERGUSH
長野 正和1 PR金 亭志
崩 光瑠2 HO前田 篤志
村上 玲央3 PRジェイコブ エリソン
笠原 雄太4 LO中尾 光男
Joel Everson5 LO藤原 慎介
藤田 哲啓6 FL平井 伸幸
佐々木 隆道7 LF大野 潤滋朗
千布 亮輔8 No.8アッシュ パーカー
黒木 大貴9 SH森 洋三郎
君島 良夫10 SOマーク ジャックマン
3511 WTB古川 賢一
Brett Gillespie12 CTB太田 光一
片岡 将13 CTB水野 拓人
Marc Le14 WTBベン ポルトリッチ
Gillies Kaka15 FB山崎 真二
加藤凌悠
廣川三鶴
廣瀬賢一
庄司壽之
TEVITA METUISELA
山道翔
TONGA MOSESE
小沢 翔平
リザーブ 徳山 孝志
西山 直考
佐藤 哲也
平野 和飛人
大政 亮
中島 拓也
菅沼 神兵
岩下 和弘
得点選手トライ (T/5点)ガレスピ(前半5分、9分) FW(後半10分)
ゴール (G/2点)君島(前半5分、9分、後半10分)
ペナルティゴール (PG/3点)君島(前半3分、17分)
ドロップゴール (DG/3点) 

日野自動車VS栗田工業
『勝って反省。飛躍のシーズン始まる』

 トントントントン、ヒノノニトン♪ トントントントン、ヒノノニトン……。さあ勝負のシーズンが始まった。軽快なCMのリズムに乗るかのごとく、赤い固まりの日野自動車FWがスクラムを押しに押す。
10日のトップイーストリーグ開幕戦だった。ホームのグラウンドには約一千人もの人々が集まった。有り難いことに、日野自動車の市橋保彦社長も来てくれた。初秋の夕暮れ。にぎやかな虫の音に交じって、「押せ、押せ、ヒ~ノ」の声援も大きくなった。
後半10分である。20-20の同点に追いつかれての、栗田工業ゴール前の相手ボールのスクラムだった。主将の廣川三鶴を押しのけて先発出場したフッカーの崩光瑠を軸とし、左プロップの長野正和、右プロップの村上玲央の実直トリオがぐっと沈む。うしろの5人のバインドもよく、ボールインとともに8人の固まりがどどどっと前に出た。
 相手スクラムハーフが慌ててボールをさばき、スタンドオフに日野自動車選手が殺到した。栗田がインゴールにダウンボールし、日野ボールのゴール前5㍍スクラムとなった。よっしゃ、こっちのもんだ、ときたもんだ。日野FWがぐいぐい押し込んで、ナンバー8の千布亮輔が左中間にボールを抑え込んだ。
 広義のスクラムトライである。ゴールも決まって、27-20とした。監督就任3年目、細谷直は言ったもんだ。
 「きょうはスクラム勝負と思っていました。そこにこだわって、勝てたのはよかった。苦しい展開になりましたけど、スクラムで圧倒できたのは大きかったですね」
 夜空には半月が浮かんでいた。喜びも半分といったところか。なぜかというと、キックオフからバックスで走り勝って、センターのブレット・ガレスピの鋭利なランで2トライを挙げるなど、前半15分あたりで20点を先行したのに、その後は栗田工業の反撃を受けたからだった。
 ひと言でいえば、チームが若いのである。大量リードに気が緩み、プレーが雑になってしまった。ディフェンスの出足と連携が鈍くなる。不用意なキックパスをするなど、判断ミス、ハンドリングミス、つまらないペナルティーを続発した。
 新加入の元日本代表フランカー、佐々木隆道は「若さ」を嘆いた。百戦錬磨の32歳。
 「(柔道に)例えれば、相手の首に腕はかかっていたんですよね。あとは締めるだけ…。でも、そこで自分たちから(腕を)離してしまった」
 ディシプリン(規律)。とくにディフェンスのそれが崩れた。「でも」と、佐々木はポジティブにとらえるのである。
 「こういう課題が出たことで、やっとディシプリンとか、どういうプレーをしないといけないかということをみんなに問えるんですよ。やっと、このラインに立てたんです」
 相手の猛反撃にあい、後半序盤には同点にまでされた。が、そこで逆転を許さなかったのは、チーム力が上がった証左であろう。昨季と比べ、スクラムとバックスの決定力が上がった。後半の終盤には、スクラムで4連続のコラプシング(故意にスクラムを崩す行為)の反則をとるなど、優位に試合を運んだ。
 ふつうのレフリーなら認定トライものだけれど、なぜか、それはもらえなかった。不思議な笛…。ただ、あえて反省をいえば、スクラムは強いけれど、栗田びいきの判定に映ったのは、日野FWのレフリーとのコミュニケーション不足ゆえだろう。
 細谷監督は試合後、レフリーに詰め寄った。
 「認定トライの基準は何ですか?」と。
 「勝って反省できるという意味ではこの勝利は大きいですね」
 初のトップリーグ昇格に向けたチーム強化は着実になされている。リオデジャネイロ五輪のニュージーランド代表のギリース・カカら、約15人もの大型補強がなされた。総勢ざっと50人。当然、チーム内競争が激しくなり、これがチームのレベルを押し上げている。スタッフで言えば、今年からフルタイムのスクラム担当の宮本安正FWコーチも加わっている。スクラム練習の質量があがった。
 長髪を玉ねぎみたいに編んでプレーしたフルバックのカカは「グッド・スタート」と笑うのだ。
 「わたし自身のプレーも、チームも1試合ごとによくなっていきます」
次週は昨季3位の東京ガス(東京・大森グラウンド)である。トップリーグ昇格を争うトップ・チャレンジリーグ入り(上位3チーム)を目指すには「絶対、負けられない相手」である。隆道が言う。
 「東ガスに勝つことでまた(トップチャレンジへの)道が開けてきます」
 結論、ヒノノニトン♪ トントントントン、夢を追う。           

【コメント】
 細谷直監督 我慢比べになると思っていました。スクラムは予想通りでした。ただ反省があるとしたら、20点を先行したところで選手たちのマインドが集中できたかというところです。来週もまずはスクラムで相手ボールを支配したい。

 廣川三鶴主将(途中交代出場)勝って反省できるのがよかった。大量リードで、ちょっとプアな動きが生まれていた。たしかにチーム内の競争が非常に激しくなっています。実際、僕はリザーブですから。でも、いい雰囲気で充実した練習がやれています。
                
Text by 松瀬学
1960年生まれ。福岡・修猷館高―早大ではラグビー部に所属。共同通信社を経て、2002年独立。酒と平和をこよなく愛する。著書は『汚れた金メダル』『スクラム』『なぜ東京五輪招致は成功したのか』など多数。

ページトップ