Uniting our souls!! 「結束」

2015-2016年シーズン

トップイースト vs 東京ガス ラグビー部

2015年12月05日(土)13:00 東京ガス大森グランド()

  • 日野自動車 RED DOLPHINS
    日野自動車 RED DOLPHINS
  • ラグビー部
    東京ガス ラグビー部

:

14 トライ数2 ゴール数2 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
前半
17 トライ数2 ゴール数2 ペナルティゴール数1 ドロップゴール数0
12 トライ数2 ゴール数1 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
後半
30 トライ数3 ゴール数3 ペナルティゴール数3 ドロップゴール数0
RED DOLPHINS出場選手ラグビー部
1 PR
2 HO
3 PR
4 LO
5 LO
6 FL
7 LF
8 No.8
9 SH
10 SO
11 WTB
12 CTB
13 CTB
14 WTB
15 FB
リザーブ
得点選手トライ (T/5点) 
ゴール (G/2点) 
ペナルティゴール (PG/3点) 
ドロップゴール (DG/3点) 

『濃密かつ過酷、幸福なシーズン終わる。来年こそは…』

 切ないシーズン最終戦だった。落ち葉が風に舞う東京都大田区の東京ガス・グラウンド。おそらくラスト・ゲームとなるであろう“ダイゴ”こと、35歳のセンター山下大悟はふと、漏らした。
 「終わったなあ、という感じです」
 レフリーに頭を下げ、チームメイトと小さく笑いながら肩を抱き合う。敵チームの選手とも、互いの健闘をたたえあった。ラグビーならではのいい風景である。濃密かつ、過酷、そして幸福なシーズンが終わった。四半世紀に及ぶラグビー人生を終えるダイゴは続けた。
 「悔いはない。我がラグビー人生、まったく悔いはありません」
 ダイゴは2年間、日野自動車のグラウンドにラグビーの最後の情熱を捧げた。若手選手に伝えたかったのは、「準備」と「基本プレー」の大切さであっただろう。
 この最終戦。もうトップリーグチャレンジへの進出の道は途絶えていたけれど、過去チーム最高のトップイースト3位を目指した。土曜日にかかわらず、正面スタンドには日野の応援団2、3百人詰めかけた。社長ご夫妻や役員の姿もあった。
 リードを許しながらも、懸命に追いかけた。前半の中盤、キックのカウンター攻撃をうまくつなぎ、フランカー西村雄大が右中間にトライを返した。前半の終盤、ラックからオープンに回し、ラインの裏を通して、ウイング篠田正悟が左中間に飛び込んだ。
 前半、トライにはならなかったが、ダイゴの外に開きながらのカットインの切れ味は抜群だった。14-17の3点差で折り返した。拮抗した展開だった。
 調達部の『燃えろ 攻めろ 決めろ』、生産管理部・グローバル物流管理部の『己の限界を突破せよ』と描かれた横断幕がスタンド下でひどくはためいていた。
 どうしたことか。後半、ラスト10分に3トライを許してしまう。ディフェンスの混沌、安易なキック選択、細かいハンドリングミスの結果だった。ひと言でいうと、「未熟」、つまりは「我慢」が足りなかったのである。
 ラグビーとは、彼我の戦術とマインドセット(心構え)の凌ぎ合いである。どう、勝負どところを読み切るか。東京ガスにはスタンドオフのヘイデン・クリップスのキックとブレイクダウン(タックル後のボール争奪戦)のを軸に勝負していくという明確なゲームプランがあった。そこに徹した。では、日野自動車はどうだったのか?
 チームが若いといえばそれまでだが、今季最多失点(26-47)は偶然ではなかろう。準備が甘かったのである。メンタルが弱かったのである。日野の細谷直監督は「残念」と何度も口にした。
 「これ(47失点)はダメですよ、これは。トライを5本もとられて、ペナルティーゴールも決められて…。長い1年をやってきて、こういった形で終わると、選手たちも気持ち的に萎えるかもしれません」
 今季は6勝3敗。確かに昨季と同じ星勘定となったけれども、試合内容は随分、充実していた。フィジカルはアップした。攻撃力も間違いなく、高くなった。トップクラスの三菱重工相模原、釜石シーウェイブスには接戦を繰り広げた。「でも」と細谷監督は言った。
「内容が違うって、自分たちで言っちゃダメでしょう。結果はしっかり、受け止めないといけません。チームは若いので伸びシロは大きい。そこに期待したい」
 主将のフッカー廣川三鶴は、「悔しい」と顔を歪めた。
 「この経験を来年につなげたい」
 木枯らしが吹く。冬が来る。再び、新たなシーズンがやってくる。ダイゴは去り、新しい選手が加わるだろう。
 来年こそはトップリーグ昇格をー。願えば叶う、きっと。緊張と苦しみの時間は、もうしばらく続くのである。
(了)


<コメント>
細谷直監督 相手の強みを我々が止められなかった。それが全てです。充実したシーズンだった。でも最後の東京ガスにはスコアを離された。もう少し、成熟度が必要だと思います。会社側がラグビー部の必要性を十分感じていただいているところなのに、その期待に応えられなかった。申し訳ないです。

廣川三鶴主将 今シーズン、やってきた過程と自信は確実に昨年より、上回っていた。結果が同じだったことに、個人的にも、キャプテンとしても、悔しくてしかたない。相手に対して、どういうことをしないといけないのか、そのラグビーの部分が甘い。まだ経験が足りないのだと思います。

Text by 松瀬学
1960年生まれ。福岡・修猷館高―早大ではラグビー部に所属。共同通信社を経て、2002年独立。酒と平和をこよなく愛する。著書は『汚れた金メダル』『スクラム』『なぜ東京五輪招致は成功したのか』など多数。

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