Uniting our souls!! 「結束」

2015-2016年シーズン

トップイースト vs 三菱重工相模原 DYNABOARS

2015年10月24日(土)13:00 三菱重工相模原グランド()

  • 日野自動車 RED DOLPHINS
    日野自動車 RED DOLPHINS
  • DYNABOARS
    三菱重工相模原 DYNABOARS

:

10 トライ数1 ゴール数1 ペナルティゴール数1 ドロップゴール数0
前半
24 トライ数3 ゴール数0 ペナルティゴール数3 ドロップゴール数0
12 トライ数2 ゴール数1 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
後半
7 トライ数1 ゴール数1 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
RED DOLPHINS出場選手DYNABOARS
101 PR
廣川 三鶴2 HO
村上 玲央3 PR
笠原 雄太4 LO
205 LO
西村 雄大6 FL
藤田 哲啓7 LF
538 No.8
田川 明洋9 SH
6010 SO
小澤 和人11 WTB
6512 CTB
3213 CTB
7414 WTB
松井 佑太15 FB
リザーブ
得点選手トライ (T/5点) 
ゴール (G/2点) 
ペナルティゴール (PG/3点) 
ドロップゴール (DG/3点) 

『悔しさ倍増。進化のヒノノニトン』

 こいつはホンモノだ。
 ワールドカップ(W杯)での日本代表の活躍でラグビー人気は高まっている。秋晴れの土曜日。三菱重工相模原の遠いグラウンドにも、ざっと2千の観客が押しかけた。日野自動車の応援もサポーターズクラブ会員150人など、5、6百人はいただろう。
 選手がゴールキックの構えに入ると、あちこちで「ゴローマル」とささやく声が聞こえる。違う。五郎丸ではない。日野の先制ペナルティーゴール(PG)を蹴り込んだのは、カンタベリー大出身の調建造である。
 4戦無敗同士の全勝対決。観戦客が多いのはいいことである。日野自動車の監督就任2年目、細谷直監督は言う。「こんな中でやれるのは選手も私たちも幸せですよ」と。だからこそ、勝ちたかったのだが。
 日野は強くなった。すべてでレベルアップしているけれど、とくにディフェンスで我慢できるようになった。スクラム、ラインアウトが安定した。ぶつかる音、骨がきしむ音がスタンドまで聞こえたコンタクトエリアでの激突では当たり勝っていた。
 日本代表の『ジャパンウェイ(日本流)』ならぬ、『日野ウェイ(日野らしさ)』とは。そう問えば、試合後、両足に氷のビニール袋をぐるぐる巻き付けた廣川三鶴主将は即答した。
「ひたむきさでしょ」
 そうなのだ。日野のラグビーはオモシロい。実は「スクエア・ポット・プラン」という4つの選択肢を常に念頭におく高度な戦術がウリなのだが、その前提は「全員ラグビー」。ひたむきさは万人の胸を揺さぶるのだ。
 だが、まだチームは若い。大事なところで不用意なペナルティーやミスを犯してしまう。PGで同点とされると、前半の中盤、10分間に3つのトライを許してしまった。3-24となった。最初の2つはPKをタッチに蹴られ、ラインアウトからラック、モールを押し込まれたものだった。
 この日のターゲットの1つは「ペナルティーをしないこと」だった。前半の反則は7つ(相手は5)もあった。「悔しい」と細谷監督は声を絞り出した。
「やってはいけないところで、(反則を)やってしまった。ペナルティーをしなければ、ちゃんと守れるし、相手の足も止まってくるんです。トライもとれる。でも、そこをやってしまったんです」
 何度か反則をとられたラインオフサイドやラックサイドのオフサイドは意識すればなくなるじゃないの。フィジカルコーチが就任して2年目。フィジカル、フィットネスがいくら上がっても、ディシプリン(規律)がなければ、強い相手には勝てない。
 前半終了間際のトライはよかった。サインプレーである。ラインアウトからナンバー8のテビタをあてて、ウイングのマーク・リーが大幅ゲイン。フェーズを重ねて、テビタが中央にトライした。狙って取る。この日は3本とも計算された“必然のトライ”だった。
 これで10-24。デビタの攻守の活躍は陰のMVPである。後半は日野ペースだった。当たり勝った。走り勝った。
 後半13分は連続攻撃のあとのラックからウイングの小澤和人が持ち出してトライ。さらに29分には、日本代表の南ア戦のごとく、PKでスクラムを選択し、それを押し込んで、スクラムハーフ田川明洋からテビタとつなぎ、マーク・リーが右隅に飛び込んだ。22-31。
 「いけ、いけ、ヒ~ノ!」「押せ、押せ、ヒ~ノ」。もう日野ショータイムである。試合終了直前、ウイングの小澤がゴールまで50㌢に迫る。惜しい!最後、途中交代の君島良夫が40㍍PGを外した。惜しい!
 残念無念のノーサイド。敗れても、4トライになれば、7点差以内になれば、それぞれボーナスポイントがもらえていた。いやボーナス(賞与)はほしいけれど、ポイントはいらない。あとを勝ち続けて、トップチャレンジで三菱にリベンジするのだ。
 今季のスローガンは『チャレンジ』。チャレンジといえば、新加入のロック笠原雄太の全力プレーは称賛に値する。身体を張る、大声でチームに檄を飛ばす。日本一になったヤマハ発動機をやめ、新天地で最後の情熱を燃やすのである。灰になるまで。
 あなたのチャレンジはと問えば、いぶし銀の31歳はこう、言った。
「もちろんトップリーグ昇格です。個人としては、もう一回、日本代表を目指します」
 次は釜石シーウェイブス戦。いざ秩父宮ラグビー場に集結せよ。「トントントントン、ヒノノニトン!」と声を張り上げるのだ。
 ラグビーブームに乗ろう。紅葉もチームも、環境が色をつくるのである。
                (了)

<コメント>
 細谷直監督 
チーム力は上がっている。コンタクトエリアで三菱重工相模原に負けていなかった。もう1回、(三菱と)やりますよ。そのためには次の釜石シーウェイブス戦が大事です。次は勝ち切ります。

 廣川三鶴主将 
相手がどうこうというより、自分たちのやるべきことはやれた。でも自分たちで(ゲームを)壊したのが悔しい。コンタクトは全然、自信があった。みんな、体つきが変わっているでしょ。次は勝ちます。日野のラグビーは間違いなく、イーストで一番オモシロい。

Text by 松瀬学
1960年生まれ。福岡・修猷館高―早大ではラグビー部に所属。共同通信社を経て、2002年独立。酒と平和をこよなく愛する。著書は『汚れた金メダル』『スクラム』『なぜ東京五輪招致は成功したのか』など多数。

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