Uniting our souls!! 「結束」

2014-2015年シーズン

トップイースト vs ヤクルト LEVINS

2014年11月22日(土)12:00 江戸川陸上競技場(東京都)

  • 日野自動車 RED DOLPHINS
    日野自動車 RED DOLPHINS
  • LEVINS
    ヤクルト LEVINS

:

24 トライ数4 ゴール数2 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
前半
5 トライ数1 ゴール数0 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
21 トライ数3 ゴール数3 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
後半
7 トライ数1 ゴール数1 ペナルティゴール数0 ドロップゴール数0
RED DOLPHINS出場選手LEVINS
茂手木 亮1 PR和田 光祐
廣川 三鶴2 HO吉田 親人
村上 玲央3 PR石澤 毅樹
土屋 眞4 LO甲斐 寛希
205 LOジェームス キング
176 FL太田 晴之
藤田 哲啓7 LFハミッシュ パターソン
538 No.8加藤 侑耶
田川 明洋9 SH多田 潤平
調 建造10 SO宇野 翔平
小澤 和人11 WTB西條 正隆
6212 CTB野上 貴俊
Brett Gillespie13 CTB水野 佑紀
篠田 正悟14 WTB阿部 輝六
松井 佑太15 FB住吉 大樹
16 郷 雄貴
17 植村 健太郎
18 秋谷 喜美男
19 橋爪 友宏
20 畑地 陽典
21 久高 慎介
22 堤 崇博
23 William Tupou
リザーブ 16 取出 玄
17 菊池 和也
18 川端 尚也
19 斎藤 怜央
20 西尾 佳弘
21 南 翔悟
22 レオン エリソン
23 金 弘泰
得点選手トライ (T/5点) 
ゴール (G/2点) 
ペナルティゴール (PG/3点) 
ドロップゴール (DG/3点) 

『日野セレガに乗って』

 負けて学ぶんじゃ、アホ。
 勝って反省がいいに決まっている。眩しい太陽の陽射しの下、日野自動車レッドドルフィンズの主将、廣川三鶴は言うのである。
 「勝って反省できるのが一番の収穫です。嬉しいですし、やりがいも大きい。モチベーションが全然、違います」
 スコアはワンサイドながら、反則数が「21」を数えた。相手は「7」。普通、これだけの反則を犯せば、50~60点取られてもおかしくない。それでも勝ったのは、実力差があったからである。
 東京・江戸川区陸上競技場。遠くに高速道路を仰ぎ、銀色の大型車両が陽射しに光っている。キックオフ。相手のゴロキックを拾い、左ラインに回してウイング小澤和人が大幅ゲインする。センター山下大悟がうまく繋ぎ、センターのブレット・ガレスピが左中間に飛び込んだ。
 いきなりノーホイッスルの先制トライだった。さらにPKからの速攻でプロップ村上玲央がトライを加え、スクラムを押し込んでのサインプレーでフルバック松井佑太が左隅に飛び込んだ。練習通りのトライだった。
 ロックのアニセ サムエラとナンバー8のテビタ・メツイセラが相手を蹴散らしていく。前半18分、スクラムをぐぐっと押し込んでのテビタが右サイドに持ち込んだ。事実上、「ST」(スクラムトライ)。
 24-0と大量リードした。ここで悪い癖が出る。気の緩みゆえか、ワンテンポ、動き出しが遅くなった。まとまりが崩れ、単発のプレーが多くなる。ラックサイドのディフェンスの出足も鈍り、相手のサイド突破を相次いで許してしまう。
 1トライを返され、焦りから、ペナルティーを連発してしまう。前半の終盤、ゴール前のピンチではヤクルトボールのスクラムをめくり上げて、なんとか凌いだ。後半もイヤな展開が続く。後半3分には、ロックの土屋眞がチームとしての反則の繰り返しでシンビン(一時退場)を食らってしまった。
 日野自動車の細谷直監督が「規律が守れていなかった」と反省する。特に後半の序盤10分間だけで反則は「8」を数えた。
 「そこが甘さであったりとか、若さであったりとかでしょ。ここで相手ボールをとればラクになると思って無理をしていた。レフリーから見ると、相手の攻撃を妨害しているように映ったのでしょう」
 わからない笛もあったが、倒れ込みの反則を数多くとられたのは、腰の高さと足腰のもろさゆえであろう。ゲームフィットネス、ラック技術の精度、二人目のサポートが雑なのだった。足の掻きも弱かった。
 だが、インパクトプレーヤーのナンバー8畑地陽典が交代出場して、タックル、突進で流れを変えた。浅黒い肌もあって、「トンガ人」と呼ばれることもある陽気な29歳。
 「全然、日本人です。ははは。チーム全体が受けに回っていたので、いつも通り、前に出るプレーを心掛けました」
 2トライを加え、最後はラインアウトのサインプレーがドンピシャ決まり、途中から入ったフッカー植村健太郎が右隅にトライを挙げた。この日、チーム7つ目である。
 チームの成長は、ハーフ団の機能アップにも因っている。香港生まれのニュージーランド育ち、弁護士免許を持つスタンドオフ調建造のパス回しも冴えた。ユニークな30歳は「チームのポテンシャルが上がった」という。
 「フォワードが強くなった。(試合メンバー)23人以外の選手のレベルも上がっている。全部、進化している」
 チームの精神的支柱のダイゴこと山下大悟もこう、変化を実感している。
 「自分たちはまだまだ甘い。でも辛抱できる時間がだんだん長くなってきました」
 これでトップイースト昇格5年目にして初の4連勝で、初の勝ち越しを決めた。残りは29日の栗田工業戦だ。細谷監督は言った。
 「とにかく勝ちにこだわりたい。もう一段上に上がって、来年に繋げたい」
 チームとは、会社とは、日野自動車の大型バス「セレガ」の如しである。勝つことでプライドが高まり、ラグビーを通して会社の機運も盛り上がっていく。
 さあ、みんなで日野セレガに乗って、上昇気流に乗ろうじゃないの。目的地はもちろん、トップリーグである。
(了)

【コメント】
細谷直監督のコメント
 「規律が守れていなかった。前半の前半は我々が固めてきたラグビーを体現することはできていたけど…。会社の応援が励みになっています。6勝となれば、周りからも強くなったと認めてもらえると思う」

廣川三鶴主将のコメント
 「自分たちのミスやペナルティーで流れを悪くしました。でも崩壊することはなくなっています。あと1試合、負けてシーズンを終わりたくない」


Text by 松瀬学
1960年生まれ。福岡・修猷館高―早大ではラグビー部に所属。共同通信社を経て、2002年独立。酒と平和をこよなく愛する。著書は『汚れた金メダル』『スクラム』『なぜ東京五輪招致は成功したのか』など多数。

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