ニュースリリース

2006年03月09日

蔵元こだわりの生酒を新鮮なまま消費者の手に

~温度センサ付無線ICタグと高精度温度管理輸配送システムを利用し、
リアルタイムに温度管理を行う流通実験を実施~


株式会社NTTデータ
トッパン・フォームズ株式会社
株式会社日本アクセス
日野自動車株式会社

 (株)NTTデータ、トッパン・フォームズ(株)、(株)日本アクセス、および日野自動車(株)の4社は、(株)マルエツ(代表者 高橋 恵三、本社 東京都豊島区)、吉乃川(株)(代表者 川上 浩司、本社 新潟県長岡市)と末廣酒造(株)(代表者 新城 基行、本社 福島県会津若松市)の協力のもと、「生酒」流通分野における温度センサ付無線ICタグ、および高精度温度管理輸配送システムを活用した新たな物流サービス構築に向けた実証実験を2006年3月27日から実施します。なお、実験期間は、3月27日から4月10日までの15日間を予定しています。

【実験の背景】
 医薬品や食料品などの中には、その流通段階において、厳密な温度管理を必要とするものが多くありますが、これまでの流通の仕組みでは、流通段階での温度管理状況を可視化し、確認するということが困難でした。

 今回の取組みでは、食料品の中でも、特に厳しい品質・温度管理が求められる生酒※1を対象とし、高精度温度管理輸配送システム、温度センサ付無線ICタグ、及び無線ICタグを活用して、徹底した温度管理を行い、その管理状況を温度履歴情報として可視化し、情報提供プラットフォーム上で随時確認しながら、品質を保ったまま消費者に届けます。
 消費者は生酒が蔵元を出荷してから、消費者の手に渡るまでの流通段階で取得した温度履歴、ならびに蔵元のこだわりの生酒情報を、店頭のKIOSK端末で確認することができます。

 これらの仕組みにより、生酒のような、流通段階で厳密な温度管理を必要とする商材の販路拡大に寄与できる物流サービスの構築について、受容性、実用性の面から検証します。

 ※1:生酒とは、もろみを搾ったあと一切加熱処理をせず、搾りたてのフレッシュでフルーティな香味が特徴のお酒で、そのままの状態では、酵母や火落菌が生きており、酵素も働くために、時間が経つにつれて酒質がどんどん劣化し、すぐに味覚が損なわれるなど、厳格な温度管理が必要な商品です。そのため、現状では生酒のデリケートな酒質を保つための冷蔵による保存、流通のしくみが確立していないために、市場に出る機会が限られていました。

【実験の概要】

 本実験の期間中、徹底した温度管理のもと流通された生酒が、今年3月オープンのマルエツ立川若葉町店に並びます。蔵元から出荷する段階から、酒瓶一つひとつに無線ICタグを、酒瓶を梱包するダンボールに温度センサ付無線ICタグを付与した上で、高精度温度管理輸配送システム「E-CRB※2システム」を搭載した、ハイブリットトラックを利用して流通させます。     
 物流ルートを経由し、店頭で消費者の手に渡るまでの過程で、徹底した温度履歴管理、物流作業や店舗作業の効率化を行い、それぞれの運用面および技術面からの検証を行ないます。また消費者に商品の情報や温度履歴管理情報を提供することにより、トレーサビリティに関する消費者の受容性調査も行ないます。

 無線ICタグには個別IDのみが付与され、製造月や入出荷日、所在場所などといった商品に関する属性情報はインターネット網で接続された情報センターで管理されます。また箱と紐付けされた温度センサ付無線ICタグにはリアルタイムで温度情報が書き込まれ、商品が流通していく中で追記される温度履歴情報も情報センターで管理されます。蓄積された情報は、新たな物流サービス構築を検討するために、蔵元から消費者までバリューチェーンに関わる各プレイヤへ最適な形で提供・共有します。

 ※2:E-CRB(Electric-Cold Roll Boxの略)とは、食品を保冷輸送、保管するための移動式電気冷蔵庫です。

【温度センサ付無線ICタグとは】
 バッテリーを搭載したアクティブ型の無線ICタグに温度センサを内蔵させた新しいタイプのセンシングツールです。
 アクセスポイントから約10mの範囲内において無線による識別・計測温度の読み出しが可能なため、温度管理が重要な製品のトレーサビリティツールとして有効です。現在の市販の温度計測器等に比べ、小型かつ超低価格な製品を目指して開発中です。

温度センサ付無線ICタグ 温度センサ付無線ICタグ貼付のダンボール写真

【E-CRBシステムとは】
 トラックのハイブリッドシステムから専用インバータを介して、荷室に搭載したE-CRBへ電力(AC100V)を継続的に安定供給することで、精度が高い温度管理輸配送を実現する新しい低温物流システムです。
 また輸配送物をE-CRBに収めたまま、E-CRBごと車両への積み込み、積み下ろし、一時保管を行なうことができるため、切れ目のないコールドチェーンを構築すること可能です。高精度の温度管理により産地の“おいしさ”をそのまま消費地まで長距離輸送することが可能となります。

E-CRBシステム搭載ハイブリッドトラック E-CRBシステムへの電力供給 イメージ


1.
実施時期
3月27日~4月10日
2.
実施項目
(1)消費者受容性の検証
情報表示端末で、温度履歴管理による商品の安全性やこだわり製法、飲み方などの付加価値情報を提供し、消費者の受容性について検討・評価します。また、消費者の受容性の検証によりトレーサビリティシステムなどへの連動を検討・評価します。
(2)物流効率化・品質管理向上の検証
現状では目視確認やバーコード読み取り、重量確認に依存していた入出荷検品など、物流作業を効率化する為の仕組みや賞味期限管理や温度履歴管理など、徹底した品質管理の向上の為の仕組みなどを検討します。
(3)消費者受容性の検証
流通過程における物流情報や品質情報などの情報一元管理による効果を検証するとともに、リアルタイムな温度履歴データの取得・提供により、流通過程における品質保持状態の把握、品質劣化など問題が発生した場合の改善策への活用を検討・評価します。
(4)温度センサ付無線ICタグの技術検証
温度センサ付無線ICタグの電波伝搬特性、技術的仕様および有効性と実用性について検証します。
(5)E-CRBシステムの技術検証
温度センサ付無線ICタグとハイブリッドトラックに搭載したE-CRBシステムとの連動について技術的実現性やE-CRBシステムの技術的有効性と実用性を検討・評価します。
3.
各社の役割分担
(株)NTTデータ:情報提供プラットフォームの構築、RFIDシステムの構築
トッパン・フォームズ(株):温度センサ付無線ICタグ、無線ICタグ(薄型ラベル)、KIOSK端末の提供
(株)日本アクセス:全体のコーディネート、及び物流センターでの入出荷業務協力とフィールドの提供
日野自動車(株):E-CRBシステム搭載ハイブリッドトラックの提供
【実験後について】
 本実験から得た、様々なノウハウや課題を参加各社で共有し、今後も連携を取りながら、より受容性、実用性の高い物流サービス構築について、検討を続けます。
 なお、各社で重点的に検討、活動する内容は以下のとおりです。

NTTデータでは、様々な商材を「安全、安心」に流通させることに寄与する情報提供プラットフォームを整備し、それを活用した事業への取組みを検討していきます。
トッパンフォームズでは、食品流通や製造業界等における業務効率化、品質保証に役立てる温度センサ付無線ICタグを、早期に製品化していきます。
日本アクセスでは、温度センサ付無線ICタグ、E-CRBが、低温物流に活用できるか検証、検討していきます。
日野自動車では、E-CRBシステムと温度センサ付無線ICタグとの組み合わせにより、従来は鮮度保持の観点から限られた地域にしか流通できなかった産地のこだわり商品をきめ細かく温度管理して、より遠くの消費地にお届けする物流技術の開発を進めて行きます。

本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ 広報室 TEL:03-5546-8051
トッパン・フォームズ株式会社 広報室 岡本 TEL:03-6253-5730
株式会社日本アクセス 広報室 巴里 TEL:03-3410-1141
日野自動車株式会社 広報渉外室 吉田 TEL:03-5419-9320

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