ニュースリリース

2005年04月27日

日野自動車、「大型商用車用超低排出ガスディーゼルエンジンの開発」で『 第37回 市村産業賞 貢献賞 』を受賞

~DPRをはじめとする超低排出ガス化技術を世界に先駆けて量産化、大気環境改善とCO2排出量削減に著しく貢献~

日野自動車株式会社(以下 日野)は、このたび 「大型商用車用超低排出ガスディーゼルエンジンの開発」に対し、(財)新技術開発財団より『第37回 市村産業賞 貢献賞』を受賞しました。

ディーゼルエンジンは他の内燃機関にくらべCO2排出量が少なく、地球温暖化防止の切り札です。一方、近年世界的にディーゼル排出ガス中のNOxとPM※1の大幅な低減が強く求められています。
また、ディーゼル排出ガス中の微小粒子(ナノ粒子)の健康への影響も懸念されており、その低減も課題となっております。 日野は、ディーゼルエンジンの低排出ガス化とその普及促進による地球温暖化防止に寄与するために、これらの
ニーズにマッチした画期的な超低排出ガスディーゼルエンジン(以下 本エンジン)をいち早く開発し日野プロフィア全車に設定、大型車として唯一新短期排出ガス規制の4ツ星※2を取得し、2003年10月より販売を開始しております。

本エンジンに採用し、PMの画期的な低減の決め手となったクリーンディゼルシステムDPR※3ならびにNOx低減技術である 複合EGR ※4システムは、いずれも日野が世界で初めて実用化した新技術です。
特にDPRは、日本、米国、欧州で計画されている 更に厳しいディーゼル排出ガス規制に適合するために必須のPM低減技術として注目を集めているものです。 また、DPRは“4ツ星プロジェクト”として中・小型車にも展開し、いずれも新短期規制の4ツ星※2を取得して2003年より量産中です。

市村産業賞は、『科学技術の進歩,産業の発展,文化の向上,その他国民の福祉・安全に関し,科学技術上貢献し,優秀な国産技術の開発に功績のあった事業経営者ならびに技術開発者』に対し贈られる1968年に創設された歴史と権威ある賞です。このたびの受賞は、DPRをはじめとする高度な技術を世界に先駆けて量産化し、ディーゼルのクリーン化とその普及促進によるCO2削減への貢献において先導的な役割を果たし、その波及効果も大きいことを評価されたものです。日野はこれからも“お客さまのお役に立てる技術”“環境への負荷を低減する技術”の革新を続けてまいります。

※1)NOx:窒素酸化物、PM:粒子状物質
※2)PM排出量を新短期規制値より85%低減=新長期規制レベル
※3)DPR :Diesel Particulate active Reduction system
※4)EGR :Exhaust Gas Recirculation、排出ガス再循環
(排出ガスを吸気に混合してシリンダ内に導入し、燃焼を緩慢にして燃焼温度を下げ、NOxを低減する技術)

以 上


<参考資料>

大型商用車用超低排出ガスディーゼルエンジンの開発

地球温暖化防止の切り札であるディーゼルエンジンのNOx、PMの同時低減は非常に困難とされているが、これをブレークスルーするキーテクノロジーを開発し、図1に示すように世界レベルのクリーンな大型商用車用ディーゼルエンジンを量産化した。


開発技術
ディーゼル・パティキュレート・フィルタ(DPF)システムの最大の問題は、DPFに捕捉されたススをいかなる走行条件でも完全に除去し、DPFを再生するかであり、世界的に困難とされていた。本エンジンは、新たにマルチ噴射機能を追加したコモンレール式燃料噴射システムと、これを活用した新開発のDPR強制再生制御システムにより、これを解決した。また、ススの捕捉効率が高く圧力損失が低い新開発のDPRセラミック担体を採用し、図2に示すように近年注目されている排出ガス中の微小粒子を含む大幅なPM低減を可能とした。
 一方、NOx低減はEGRクーラを用いて大量EGRガスを冷却する方法が有効であるが、エンジン冷却水への放熱量が大幅に増大し、車両冷却系の強化が問題になる。この相反する課題を解決する方策として、世界トップレベルの高い温度効率をもつ新開発EGRクーラによるクールEGRと、冷却水への放熱が無い内部EGRを複合した新複合EGRシステムを考案し、車両冷却系強化無しで大幅なNOx低減を可能とした。
(図3に本エンジンの外観を示す。)

効 果
本エンジンは、2003年10月より販売を開始し、現在既に 7千台 を、また、大中小型のDPR付車は約3万4千台 を販売し、お客様から好評を得ている。
(数字は2005年3月31日現在)

図1 日欧米の排出ガス規制と本エンジンの到達レベル


図2 排気ガス中の微小粒子 低減レベル


図3 エンジン(E13C型)の外観と採用技術