ニュースリリース

2011年10月18日
No.11-026

日野自動車、ダカールラリー2012に新型レーシングトラックで本格参戦

~総合上位入賞と排気量10リッター未満クラス3連覇を狙う~

 日野自動車株式会社(以下、日野)は、2012年1月1日にアルゼンチンのマルデルプラタをスタートする「ダカールラリー2012」のトラック部門に、菅原義正氏率いるチームスガワラと共に、「日野チームスガワラ」として、「日野レンジャー」2台で参戦します。

 2011年大会で20回連続完走※1を果たした日野は、2012年大会を新たな歴史の幕開けとすべく、2004年大会以来8年ぶりに新型レーシングトラックを投入します。参戦クラスを従来の市販車クラスから改造車クラスに移し、総合上位入賞を狙うとともに排気量10リッター未満クラスの3連覇を目指します。新型レーシングトラックには、耐久信頼性に定評のある市販車をベースに、チームスガワラが培ってきたラリー車作りのノウハウを盛り込みました。

 ドライバーは、菅原義正・照仁。親子での参戦となります。史上最多の連続出場記録※2を更新し続ける父・義正氏は、古希70歳を迎えてもなお、世界一過酷と称されるレースに挑みます。義正氏の次男である照仁氏(39歳)は、自身の記録ともなる排気量10リッター未満クラスの3連覇を狙います。
 レースを支えるメカニックは、全国の日野販売会社から公募選抜され、宮城日野、東京日野、愛知日野、広島日野から各1名の計4人が参戦します。

 日野は、世界最高峰のレースに挑戦し続けることで、日本の活力が生む感動を世界中のお客様、モータースポーツファンと分かち合い、HINOブランドの醸成を図ります。

 ※1 2008年大会が政情不安により中止となったため、1991年大会以来の20回連続参戦。
 ※2 1983年から2011年までの28回。中止の2008年は除く。
 


ダカールラリー2011参戦車


ダカールラリー2012 新型レーシングトラック


(参考)
1.ダカールラリー2012大会とは・・・

 ダカールラリーは、1979年より開催され2012年大会で34回目(2008年大会は中止)を数える伝統ある大会で、クロスカントリーラリーの最高峰とされています。2012年大会は、前回開催地のアルゼンチンとチリに、ペルーが加わりました。ルートは、1月1日(日)アルゼンチンのマルデルプラタをスタートした後、チリ国境沿いに北上し、フィアンバラからアンデス山脈を越えチリに入国。8日(日)には、落盤事故からの奇跡の救出劇があったコピアポで中間休息日を迎え、その後、今大会最大の難所である、世界一乾燥している砂漠といわれるアタカマ砂漠を越え、新たな舞台となるペルーに入ります。その後、地上絵で有名なナスカを通過し、砂丘・川渡り・山岳・土漠等バリエーション豊かな大地が続き、15日(日)にリマにゴール予定です。15日間にわたる競技期間の総走行距離は約10,000km。人とクルマの耐久力が問われるレースとなります。


2.新型レーシングトラックについて・・・

 新型レーシングトラックは、中型トラック「日野レンジャー」の4輪駆動車型をベースとし、排気量10リッター未満クラスのライバルを凌駕するパフォーマンスを発揮するとともに、大型車を含めたトラック部門で総合上位に入賞することを目標に開発しました。

 開発テーマのひとつは、走破性能の向上です。このためフレームを全面的に見直し、組幅を広げて車体のねじれ剛性を高めました。また、重量物を重心近くに集めるために、市販車では運転席の下にあるエンジンを、後方に移動させて低い位置に搭載し、低重心なミッドシップレイアウトを採用。また、キャブは従来のフルキャブからショートキャブを選択し、重量を軽減。リアボディも根太構造(サブフレーム)を廃したうえで、従来のパネル張りから軽量な化学繊維製の幌にするなど、車両全体で前回比300kgに及ぶ軽量化を達成しています。これらの改良に合わせ、ブレーキの前後バランスを見直すなどブレーキ性能の向上も図りました。

 もう一つのテーマは、冷却性能の向上です。アフリカから南米に舞台を移したダカールラリーは、パウダー状の砂や急な傾斜など、走行抵抗のより大きい路面を高い気温の中で走行するため、冷却性能の高さが求められます。新型レーシングトラックでは、冷却能力の高いアルミ製ラジエーターを採用。ラジエーターと冷却ファンの距離が、ミッドシップ化で離れたためその空間をシュラウドで連結。インタークーラーは、通常のラジエーター前面位置からリアボディ前端上部に移設。ラジエーターとインタークーラーの位置を別にし、効果的に走行風を直接集めることにより冷却性能を向上させました。これらの改良点はすでに、ラリーモンゴリア2011(8月8日~15日開催、モンゴル・ウランバートル発着)でのテスト走行で効果を確認しています。 新型レーシングトラックは、菅原照仁氏がステアリングを握ります。

 菅原義正氏が駆る車両は、前大会で菅原照仁氏がクラス優勝した車両をベースに改良。以前、リアボディの外板をドライカーボンパネルに変更するなどして約200kg軽量化した車両を、キャブ周辺でさらに軽量化。そのほか、オイルクーラーをリアボディ前端上部へ移設し、冷却性能を向上し戦闘力を高めました。


3.日野チームスガワラについて・・・

 日野は、菅原義正率いるチームスガワラと参戦当初より活動。1991年に、日本のトラックメーカーとして初めてダカールラリーに参戦。1994年に、トラック部門総合2位に入賞し、翌1995年も連続2位となりました。その後も、総合優勝を目標に体制を強化し、1997年のトラック部門総合で大会史上初の総合1、2、3位を独占する快挙を成し遂げました。その後も、トラック部門総合2位に3回入賞するなど、同部門におけるトップクラスのチームとして活躍を続けており、1996~2002年の間に設定された、排気量10リッター未満クラスでは、7連覇を達成しました。その後の2年間と2006年は同クラスが廃止されましたが、2005年、2007年、2010年、2011年には優勝を果たしており、2連覇中です。


1)戦歴:
トラック部門総合優勝1回(1997年)、同部門2位5回(1994, 1995, 1998, 2001, 2005年)
      同部門排気量別クラス優勝11回(クラス設立12回中)

出場回数 開催年 コース 総走行距離(km) 出場車両 トラック部門総合順位(括弧内は排気量10リッター未満クラスの順位)
20 2011 ブエノスアイレス~アリカ~ブエノスアイレス 9,458 日野
レンジャー
9位(優勝)・13位
19 2010 ブエノスアイレス~アントファガスタ~ブエノスアイレス 9,026 2号車:7位(優勝
1号車:規定により失格
18 2009 ブエノスアイレス~バルパライソ~ブエノスアイレス 9,579 14位(2位)・26位
中止 2008 -
17 2007 リスボン~ダカール 7,915 日野
レンジャー
9位(優勝)・13位
16 2006 リスボン~ダカール 9,043 5位・7位(クラス設定なし)
15 2005 バルセロナ~ダカール 8,956 2位(優勝)・6位
14 2004 クレルモンフェラン~ダカール 10,411 5位(クラス設定なし)
13 2003 マルセイユ~シャルムエルシャイク 8,602 5位(クラス設定なし)
12 2002 アラス~マドリッド~ダカール 9,440 3位(優勝クラス優勝7連覇
11 2001 パリ~ダカール 10,873 2位(優勝
10 2000 パリ~ダカール~カイロ 7,880 5位(優勝
9 1999 グラナダ~ダカール 9,441 4位(優勝
8 1998 パリ~グラナダ~ダカール 10,570 2位(優勝
7 1997 ダカール~アガデス~ダカール 8,051 優勝(優勝)・2位(2位)・3位(3位)
1~3位独占はトラック部門史上初
6 1996 グラナダ~ダカール 7,579 6位(優勝)・11位(2位)
5 1995 グラナダ~ダカール 10,067 2位(クラス設定なし)
4 1994 パリ~ダカール 13,398 2位(クラス設定なし)
3 1993 パリ~ダカール 8,877 6位(クラス設定なし)
2 1992 パリ~シルト~ケープタウン 13,015 4位・5位・6位・10位(クラス設定なし)
1 1991 パリ~トリポリ~ダカール 9,186 7位・10位・14位(クラス設定なし)
日本のトラックメーカーとして初参戦



2)選手

(1)ドライバー
  ■菅原 義正・・・チーム代表 兼 1号車ドライバー
日本レーシングマネージメント(株) 取締役会長
1941年5月31日生まれ、70歳。北海道小樽市出身。

(戦歴)
・ダカール史上最多の20回連続完走
・ダカール史上最多の28回連続出場 (更新中)
・ダカール史上初の全カテゴリー出場 (二輪・四輪・トラック)
・トラック部門総合2位 6回、 排気量別クラス優勝 7回
・トラック部門での完走率 94% (出場19回中18回)
 

■菅原 照仁・・・2号車ドライバー
日本レーシングマネージメント(株) 代表取締役
1972年7月13日生まれ、39歳。東京都港区出身。菅原義正の次男

(戦歴)
1998年 ダカールラリーにメカニックとして参戦
1999年 ダカールラリーにナビゲーターとして参戦
2003年 エジプトファラオラリーにドライバー参戦、トラック部門総合優勝(日本人初)
2005年 ダカールラリーにドライバー参戦
2011年 排気量別クラス・市販車クラス 2連覇

(2)ナビゲーター
  ■杉浦 博之・・・1号車ナビゲーター
日本レーシングマネージメント(株) 所属
1984年5月6日生まれ、27歳。東京都北区出身。

(戦歴)
2010年 ラリーモンゴリアに菅原義正のナビゲーターとして参戦
2011年 ダカールラリーにナビゲーターとして初参戦
  ■鈴木 誠一・・・2号車ナビゲーター
日本レーシングマネージメント(株) 所属
1961年1月30日生まれ、50歳。東京都港区出身。

(戦歴)
・ナビゲーターやメカニックとして、国際ラリー参戦多数
 (ダカールラリー16回、ラリーモンゴリア7回、 エジプトファラオラリー2回、オーストラリアン・
 サファリ1回)
(3)メカニック (日野チームスガワラによる厳正なる審査を経て、日野グループから選出)
  ■中野 直也・・・メカニックリーダー
広島日野自動車(株) 西風新都支店
1972年11月21日生まれ、38歳。
広島県広島市出身。
ダカールラリー2010に次ぎ、2度目の選出。2010年大会参戦時では、2台中1台がリタイアした悔しさを経験。今回はリーダーとしてチームを上位入賞に導く。
  ■稲葉 勇哉
宮城日野自動車(株) 石巻営業所
1974年9月29日生まれ、37歳。宮城県遠田郡出身。
4度目の公募で念願のメカニックに選出。震災を乗り越え、今大会参戦には期する想いあり。整備士歴はメンバー最長の18年。
  ■仲田 昌宏
東京日野自動車(株) 江戸川支店
1980年8月9日生まれ、31歳。千葉県柏市出身。
菅原義正の講演や過去にメカニックとして出場した先輩に感化され、念願の参戦機会を得る。
  ■前田 聖治
愛知日野自動車(株) 小牧営業所
1970年1月2日生まれ、41歳。鹿児島県鹿児島市出身。
メカニック、検査員、コントローラー、フロントで十分な経験を積んできたベテラン整備士。


日野チームスガワラ 公式ウェブサイト
http://www.hino.co.jp/dakar/index.html
http://www.teamsugawara.jp/