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2010年10月18日 No.10-026 |
日野自動車、ダカールラリー2011参戦 |
初参戦以来20回連続完走、トラック部門クラス連覇を狙う 日野自動車株式会社(以下、日野)は、2011年1月1日(現地時間)にアルゼンチン・ブエノスアイレスをスタートする「ダカールラリー2011」のトラック部門に、同ラリー史上最多の27回連続出場記録をもつ菅原義正氏率いるチームスガワラと共に、「日野チームスガワラ」として日野レンジャー2台で参戦します。 日野は、1991年に日本のトラックメーカーとして初めて参戦して以来、2011年大会で20回連続※の参戦となります。この記念すべき大会で新たな歴史を刻むべく、連続完走記録の更新と、トラック部門排気量10リッター未満クラスの連覇を狙います。 ドライバーは、菅原義正・照仁親子。父 義正氏(69歳)は、2011年大会の出場により、ダカールラリー32回の歴史で最多となる連続出場記録を、28回へ更新することとなります。前回大会では、惜しくも自身の持つ史上最多20回連続完走記録(ギネス世界記録公認)の更新はなりませんでしたが、今回はその雪辱を狙います。息子 照仁氏(38歳)は、1998年より父のダカール参戦活動をメカニック、ナビゲーターとして支え、2005年にドライバーデビュー。前回大会では、2007年大会に続き、2度目の排気量10リッター未満クラス優勝を果たしています。 また、日野グループ社員が一丸となって車両製作に取り組むと共に、メカニックを現地に派遣してレースを支えます。メカニックとしての参戦者は、日野から2名、全国販売会社から3名(横浜日野、石川日野、広島日野)の計5名です。 日野は、世界最高峰のレースに挑戦し続けることで、技術力の向上に加え、ものづくりの文化を育むと共に、世界中のモータースポーツファンと感動を共有し、HINOブランドのさらなる醸成を図ります。 ※2008年大会が政情不安により中止となったため、1991年大会以来の20回連続参戦となります。 図1:ダカールラリー2011 参戦予定車(20回連続参戦 記念カラーリング) (参考) 1.日野チームスガワラについて 日野は、1991年に日本のトラックメーカーとして、初めてダカールラリーに参戦。当初より、菅原義正氏の率いるチームスガワラと、共同で活動しています。1994年にトラック部門総合2位に入賞し、翌1995年も連続2位となりました。総合優勝を目標に体制を強化し、1997年にトラック部門で大会史上初の総合1、2、3位を独占(現在もこの記録は破られていません)する快挙を成し遂げました。その後も、トラック部門総合2位に3回入賞するなど、同部門におけるトップクラスのチームとして活躍を続けており、1996〜2002年の間に設定された排気量10リッター未満クラスでは、7連覇を達成しました。その後の2年間と2006年は、同クラスの設定がありませんでしたが、2005年と2007年、2010年には優勝を果たしています。 1)戦歴: トラック部門総合優勝1回(1997年)、同部門2位5回(1994, 1995, 1998, 2001, 2005年)、 同部門排気量10リッター未満クラス優勝10回(クラス設定累計11回中)
日野自動車公式ウェブサイト: http://www.hino-global.com/j/dakar/ レース期間中は、現地速報を毎日配信予定。 現在は、2010年大会の動画がご覧になれます。(2010年12月末迄) 2)選手 (1)ドライバー
(2)ナビゲーター
(3)メカニック
3)車両 (1)特徴 日野は1991年の初参戦以来、中型トラック「日野レンジャー」の四輪駆動仕様で、ダカールラリーへの挑戦を続けています。トラック部門の中でも、他車のパーツやメカニックを運ぶアシスタンス車ではなく、純粋に競技参加を目的としたいわゆる「レーシングトラック」は、中型車よりもエンジン出力で勝る大型車が大勢を占めますが、「日野レンジャー」は持ち前の小型軽量な車体を活かして、柔らかい砂丘など難易度の高いコースで優れた走行性能を発揮。1997年には、大型の競合車を相手にトラック部門の総合優勝を果たしたほか、上位入賞や排気量10リッター未満クラスの優勝を果たしています。連続19回にわたる参戦を通じて磨き上げられた、様々な技術やアイデア・ノウハウを盛り込んだ現在の「日野レンジャー」は、高いポテンシャルや優れた信頼耐久性など、競技車両として熟成した能力を持っています。2011年大会は日野の連続参戦20回目にあたり、新たな歴史を刻むべく、その象徴として車両のカラーリングを一新。日野のコーポレートカラーと、歌舞伎の隈取をモチーフにデザインし、日本のブランド・HINOを世界に向けて訴求します。 (2)仕様 フレームは剛性の高いストレートタイプで、ホイールベースは3,750mm。マルチリーフスプリングと各輪2本ずつの、オランダ・レイガー社製ショックアブソーバーで前後のリジッドアクスルを吊り、450馬力以上を発揮する排気量7,961ccのJ08C-TI型直列6気筒ターボインタークーラーエンジンから、6速直結型の6段トランスミッションと2段副変速機付トランスファーを介して、前後輪を駆動しています。全浮動式の前後アクスルは、シングルリダクションタイプでデフロック機構付。走行中にタイヤ空気圧を調整出来る、CTIS(セントラル・タイヤ・インフレート・システム)用のエア配管も内蔵しています。タイヤはミシュラン製のサンド用XSタイプで、サイズは車両規則の上限にあたる14.00R20。スチール製のホイールは片側のリムが脱着式で、パンクの際にはホイールを外さずにタイヤだけを交換することが出来ます。なお、この大径タイヤに対して操舵力の軽減を図るべく、容量の大きなパワーステアリングを採用。一方、ワイド・ハイルーフタイプのキャブ内には、安全規定で定められた70mm径のロールケージが配され、FIA公認品の使用が義務付けられているバケットシートや5点式安全ベルトを装備。緊急時に車内外からエンジンと電源をカットするキルスイッチ、消火器、ドアウインドウのネットなどの安全装備も規則に則り装着。インパネには、各部の油温計など追加の計器類やCTISの操作部をはじめ、ナビゲーション用の距離計、ラリーコンピュータや主催者から供与される専用のGPSなど、さまざまな機器を配置。キャブの外側前面には、夜間走行に備えてHIDの補助灯が備わるほか、立ち木などによるウインドウスクリーンの破損を防ぐブッシュガードを装着。さらに、ガラスの破損による飛散を防止するプロテクターフィルムを、ウインドウスクリーンや灯火類に貼っています。また、1996年以来、坪井特殊車体株式会社が製作しているリアボディは、より軽量化を図るため2号車をカーボンファイバー製に一新。また、走行抵抗となる乱流を低減するために車体後部の高さを下げるなど、空力を考慮した形状となっています。リアボディの荷箱内部にもロールバーを配し、通常は2本のスペアタイヤと最低限のスペアパーツ類のみ収納。長年にわたる軽量化の努力の結果、現在の車両総重量は約7,000kgとトラック部門の中では最軽量に仕上がり、運動性能の向上に寄与しています。このほか、容量600リットルのアルミ製燃料タンクを、重心位置低下を図るために左右の荷台床下部に装着。同様に側面の収納スペースに、エアジャッキや工具類を収めています。 2.ダカールラリー2011大会について(図4) ダカールラリーは1979年より開催され、今回で32回目(2008年大会は中止)を数える伝統ある大会で、クロスカントリーラリーの最高峰とされています。前回に続いて、南米アルゼンチン〜チリで3度目の開催となり、ブエノスアイレスをスタートして、ボリビア国境沿いに北上し、標高4,500m級のアンデス山脈を超えて、チリへ。今大会最大の難所である、世界一乾燥している砂漠といわれるアタカマ砂漠で、激戦が繰り広げられます。その後、チリ中央部まで南下し、再びアンデス山脈を超え、ブエノスアイレスに戻る周回コースとなり、砂丘、川渡り、山岳、土漠など、過酷な大自然との戦いが続きます。競技期間は14日間、コースの総走行距離は約10,000km。人とクルマの耐久力が問われるレースとなります。 3.ダカールラリー2010大会実績(主催者発表)(図5) 参加台数: 362 台(二輪 151 台、四輪バイク 25 台、四輪 134 台、トラック 52 台) 出場者: 42カ国 581名 観衆(全コース): 410万人…アルゼンチン310万人、チリ100万人 (内ブエノスアイレスでのスタート11万人) 取材関係者、ジャーナリスト: 213名 TV 放映: 69局のTVが190カ国に向け、延べ1,200時間放映 経済効果: ホスト国のアルゼンチンだけで1億2,630万ユーロ |
図1: ダカールラリー2011 参戦予定車(20回連続参戦 記念カラーリング) |
図2: 菅原義正・・・チーム代表 兼 1号車ドライバー |
図3: 菅原照仁・・・2号車ドライバー |
図4: ダカールラリー2011大会のルート |
図5: ダカールラリー2010大会の模様 |
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