ダカールラリー

レーシングトラックイメージ

レーシングトラック

リトルモンスターと称される、HINOダカールラリーマシン。

世界に誇る耐久性を持つ日野レンジャーをベースにした、HINOダカールラリー用マシンは、中型車でありながら排気量が倍近くある、大型のモンスタートラックと熾烈な戦いを繰り広げるその勇姿から、リトルモンスターの異名でライバルたちに恐れられている。HINO車の持つポテンシャルを最大限に引き出し、レースへと挑む。

ダカールラリー2018に出場する2台の日野レンジャーは、2017年大会で実績を積んだ車両をもとに改良された。菅原義正の駆る1号車のサスペンションは、ダカールラリーに参戦当初から採用していた信頼性の高いマルチリーフスプリングに変更。菅原照仁の駆る2号車は、トランスファーを高出力 対応モデルに変更し、リアのみLSD*式のディファレンシャルギヤに変更。さらに、フレームとリアボデーに補強を加えて、ハイスピードでの耐久性を向上した。チームは、耐久・信頼性重視の1号車、一方で、2号車は高出力・ハイスピード重視とし、2台の役割を明確にした。夏季トレーニングとして、2号車でシルクウェイラリー、1号車でラリーモンゴリアに参戦し、確かな手応えを得た日野チームスガワラは、次回のダカールラリー2018で、総合5位以内に挑む。

*LSD(リミテッド・スリップ・ディファレンシャル):片輪のトラクションが失われ空転しても、もう一方のタイヤに駆動力を伝えるための機構を備えた差動装置。

 

エンジン&サスペンション

 

エンジン

日野自動車のフラッグシップエンジンともいえるA09Cエンジンがダカールラリーにデビューして5年目となる2018年大会では、高出力化すると耐久性が犠牲になるという二律背反の厳しい条件のなかで、2号車のエンジンのさらなる出力向上に挑戦した。ターボ特性の見直しとエンジンの吸気効率を向上させたカムシャフトとの組み合わせによって、ターボ回転数を押さえつつたくさんの空気をエンジンに送り込み、平地だけではなくダカールラリー特有の高地ステージでも、高い信頼性を確保しながらも低回転から高回転までの全域で高出力を発揮できるよう改良し、最高出力は700ps の大台に達した。

 

サスペンション

日野チームスガワラの2台の日野レンジャーは全く異なるサスペンション方式を採った。1号車は往年のマルチリーフ式に変更、2号車は新世代のテーパーリーフ式スプリングをチューニングした。一見、真逆の特性を狙ったサスペンション構造ではあるが、ドライバーの走行特性と相まって、凹凸の激しい悪路をしなやかに吸収していることが夏季トレーニングで確かめられた。さらに2号車は、今回初めて、旋回した時のリアアクスルのステア角(舵角)がゼロになるように設計が改良された。コーナリング中に急なステアリング操作をしても車両の挙動が安定していて、コーナリングスピードの向上に貢献している。

 

日野レンジャー ダカールラリー2018 参戦車スペック

  1号車 2号車
●エンジン  
エンジン型式 A09C-TI(ターボインタークーラー付き)
エンジン形式 ディーゼル4サイクル直列6気筒
排気量 8.866L
最高出力/回転数 670ps / 2,300rpm 700ps / 2,400rpm
最大トルク/回転数 236kgm / 1,200rpm 236kgm / 1,200rpm
●駆動系  
駆動方式 パートタイム4WD フルタイム4WD
トランスミッション 前進6速・後退1速
トランスファー Hi-Loレンジ切替付
タイヤ XZL+ 14.00R20
●シャシ  
車両総重量 7,300kg 7,600kg
全長 6,290mm 6,370mm
全幅 2,500mm 2,500mm
全高 3,150mm 3,150mm
ホイールベース 3,890mm 3,970mm
燃料タンク 700L

 

 

アシスタンストラック HINO700 Series ZS

ラリー中のスペアパーツ輸送やメカニックの移動手段として、日野自動車が誇る大型トラック・HINO700 Series ZSがレース車をサポート。アシスタンス車両は「JAPAN RACING MANAGEMENT」が運行し、メカニックは担当車両に分乗し、ビバークを巡る。こちらの活躍からも目が離せない。