ダカールラリー

レースレポート・アーカイブ

初の南米大陸での開催、18年連続完走記録樹立
2009年Dakar Rally Argentinna-Chile

2009 初の南米大会となる2009年ダカールラリーが1月3日~18日にかけてアルゼンチン~チリで全行程約9,600kmにわたって開催され、日野レンジャーの2台体制で出場した日野チームスガワラは2号車菅原照仁/鈴木誠一組がトラック部門14位、1号車菅原義正/羽村勝美組が同部門26位で完走。2号車がエンジン排気量10リットル未満クラスの2位に入る結果となった。日野自動車は日本の自動車メーカーとして唯一、91年以来連続してダカールラリーのトラック部門に出場を続けており、今大会に向けても車両製作の協業や現地へのメカニック派遣などで日野チームスガワラの活動支援を実施。今回の結果により日野レンジャーによる18年連続出場・完走という記録を達成した。

79年にパリ~ダカールラリーとして始まったダカールラリー(通称パリ・ダカ)は30年間の歴史で今回初めて舞台をアフリカから南米に移し、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスを基点にパタゴニア~アンデスの山麓地帯~チリのアタカマ砂漠などを巡る一周16日間/約9,600kmのループ状コースで開催された。日野チームスガワラは今回参加カテゴリーをトラック部門の改造クラスに移行。新たにエンジン搭載位置を後退させ、ホイールベースを延長して前後重量バランスを改善するなど、大幅改良を施した日野レンジャー2台で出場した。トラック部門の出場台数は81台。うち日野レンジャーが区分される排気量10リットル未満クラスの車両は16台である。

2009

ラリーが3日にスタートすると2台は慎重な走りでじわじわとポジションをアップ。コンパクトな日野レンジャーが得意とする難易度の高い砂丘が現れた7日には2号車が健闘して11位に浮上し、排気量10リットル未満クラスの首位に立った。しかし、同日中盤まで2号車を上回る快走を見せていた1号車はSS(競技区間)終盤の砂丘でフロントデフのトラブルのためスタック。総重量7トンに及ぶ車両を砂の中から掘り出す作業は困難を極めたが、懸命の脱出作業により8日のビバーク地、メンドーサに翌日夜8時頃到着した。車両は日野自動車ならびに全国販社より派遣された7名のメカニックによって早速修復されて競技を続行。ただし、到着遅延に対するタイムペナルティ100時間が加算されて順位を大きく下げたため、以後は2号車のサポートを務めることとなった。

2009

9日にアンデスを越えてアルゼンチンからチリに入国したラリーは翌日バルパライソでの休息日をはさんで後半戦に突入。12日にはアタカマ砂漠周辺で最大の山場を迎えた。11日終了時点でトラック部門10位の日野レンジャー2号車は得意の砂丘で快調な走りを見せ、途中のCP3(通過を義務付けられたチェックポイント)までにトラック部門7位と躍進したが、その後リアのデファレンシャルにトラブルが発生して無念のペースダウン。前輪のみの駆動となったため、あえてウェイポイント(通過を義務つけられているGPSポイント)の一部をパス(ペナルティ対象)してゴールに向かい、ビバーグ地のコピアポに到着した。メカニックたちの徹夜作業で修理された2号車だったが、13日にもデフトラブルが発生し、再び2輪駆動で砂丘を越えて翌朝4時頃ビバークへ。14日の競技は天候不良によりキャンセルされたため、修復を終えた2号車は1号車とともに次のビバーク地であるアルゼンチンのフィアンバラへと移動した。12日のウェイポイント不通過に対する6時間のタイムペナルティを課された2号車は排気量10リットル未満クラスの2位に後退したが、最後の砂丘ステージとなった翌15日のSSでは10位となるタイムを記録、総合順位も15位に戻して気を吐いた。その後2区間の競技をこなした日野レンジャー2台は17日にブエノスアイレスに揃って無事ゴール。最終的に2号車がトラック部門14位/排気量10リットル未満クラスの2位、1号車が同26位/6位という成績で完走を果たした。トラック部門の完走車は54台で完走率は67%。うち排気量10リットル未満車両は10台であった。

2009

当初の目標であった排気量10リットル未満クラスの、トップは取れなかったものの、日野自動車ならびに全国販社より選抜された7名のメカニックたちが優れたチームワークでトラブル対処にあたるなど、チームは総合力の高さを遺憾なく発揮。また、今後の車両開発に向けた貴重なノウハウを習得するなど有意義な大会となった。なお、今回の結果により1号車ドライバーの菅原義正は前人未踏(大会最多)の20年連続完走という記録を達成し、主催者からもその栄誉を讃えられた。




「HINO TEAM SUGAWARA」
1号車 ドライバー:菅原義正 メカニック 中村保史(日野自動車)
  ナビゲーター:羽村勝美   工藤成俊(日野自動車)
      森田淳平(日野自動車)
2号車 ドライバー:菅原照仁   若林栄次(千葉日野自動車)
  ナビゲーター:鈴木誠一   杉本一人(福井日野自動車)
      竹川公博(長野日野自動車)
      浦辺満広(香川日野自動車)
順位 ゼッケン ドライバー 車種
1 506 カビロフ カマズ
2 501 チャギュイン カマズ
3 505 デルーイ タトラ
4 508 マルディーブ ジナフ
5 507 エクター タトラ
10 (1) 534 スザラー マン
14 (2) 513 菅原照仁 日野
26(6) 511 菅原義正 日野
( )は排気量10リッター未満クラスの順位

スペシャルインタビュー

HINO TEAM SUGAWARA スペシャルインタビューをお届けします。

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日野がダカールラリーに挑戦し続ける理由日野自動車 専務取締役(当時) 藤井恒彦 インタビュー

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ダカールラリー18年連続完走達成HINO TEAM SUGAWARAドライバー菅原義正氏、菅原照仁氏 インタビュー

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2009日野ダカールマシン海外部品・サービス部中村保史氏、工藤成俊氏、車両生技部森田淳平氏 インタビュー

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ダカールの教訓を今に活かす海外部品・サービス部矢口義光氏、亀田次男氏、佐藤圭氏 インタビュー

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日野ダカール参戦、協賛会社の声協賛会社(チリ、香港、インド、タイ) インタビュー

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当インタビューは2009年初頭に実施したものです。


【開催概要】

名称 Dakar Rally 2009 Argentina - Chile (仮称)
主催 Amaury Sport Organisation
日程
書類審査・車両検査/
2008年12月31日~2009年1月1日
(ブエノスアイレスの”La Rural Palace”にて)
レーススタート/
2009年01月03日
(ブエノスアイレスの“Plaza de la Republica”からSSスタート )
休息日/
2009年01月10日(バルパライソ)
レースゴール/
2009年01月18日(ブエノスアイレス)
通過国 アルゼンチン、チリ
走行距離 9,574 km (内SS 5,652 km )
参加台数 530台(二輪 230, クワッド 30, 四輪 188, トラック 82)
参加出身国 49ヶ国

【Route Map】

ARGENTINA - CHILE

ダカール2009 SS(競技区間)における標高と走行距離
   1,500 ~2,000m : 610km
   2,000 ~2,500m : 240km
   2,500 ~3,000m : 70 km
   3,000 ~3,250m : 15km
リエゾンでは、120kmの移動区間における平均標高は4,000m。