日野レンジャー1号車、ラリーモンゴリアを14位でゴール!

2017年8月25日
No. PD18-14

8月13日~20日まで、モンゴルで開催されたラリーモンゴリアに参戦した日野レンジャー1号車は、8日間の戦いを終えて14位でゴールしました。ラリーモンゴリアの順位は、二輪・四輪・トラックの全台でタイムが争われますが、俊敏な二輪や四輪の競技車の中で、日野レンジャーは車高が高いというトラックの優位性を存分に発揮して、モンゴルの大地を駆け抜けました。目的としていた車両性能のテストも十分な結果を得ることができ、充実した実戦テストとなりました。今回のダカールニュースでは、ラリーモンゴリアのハイライトと、ドライバー、ナビゲーター、メカニック陣のコメントをお送りいたします。

日野レンジャー1号車

8月13日 STAGE 1
日野レンジャーは、ウランバートル市内で行われたスタートセレモニーに参加。応援に駆けつけた、日野自動車の保田常務が率いる応援団やチームメンバーに見送られながら、元気にスタートしました。この日は、2本のSSが予定されていましたが、SS-1が家畜の病気蔓延のためコースが封鎖され、急遽キャンセルされるという波乱の幕開けとなりました。競技車両はそのエリアを迂回し、SS-2から競技開始。日野レンジャーは、初日の251kmのSSをノートラブルで17時30分にゴールし、キャンプ地に設けられたパルクフェルメに、18時10分に収められました。マラソンステージのため、サポートメンバーは全く別の村はずれでキャンプをしており、サポートは受けられないという過酷なレースの出だしとなりました。

日野レンジャー

8月14日 STAGE 2
1000kmを超えるマラソンステージの2日目。この日は砂丘こそありませんでしたが、枯れ川や森などバリエーションに富んだコースとなりました。日野レンジャーは、この日もノートラブルで17時15分に無事ゴール。前日の13日もマラソンステージで整備が行えなかったので、この日メカニック陣は念入りに整備を行いました。

日野レンジャー

8月15日 STAGE 3
この日はゾーモットからシンジストまでリエゾンで移動し、SSがスタート。山岳地や枯れ川を越える2本のSSで構成され、シンジストでゴールしてからリエゾンでゾーモットへ戻る、ループコースとなりました。日野レンジャーは、前日の整備で、ショックアブソーバーをフロントへ1本ずつ足して走行。菅原義正ドライバーは、快調な走りを見せました。

8月16日 STAGE 4
この日は深夜0時にスタートし、夜のモンゴルを駆け抜けるナイトステージを予定していましたが、予定が変更され、午前10時のスタートとなりました。日野レンジャーはショックアブソーバーの追加が功を奏して、快調に走行。しかし、20km地点でターボバンドが外れ、ターボホースが抜けるトラブルがあり、約20分のロスタイムとなりました。しかし、その後はトラブルなく走行し、無事キャンプ地に到着。メカニック陣は、日野レンジャーが到着するとすぐに、テキパキと整備を始めました。

日野レンジャー

8月17日 STAGE 5
SS-1は枯れ川を進みピストに出るコース。SS-2は緑鮮やかなコースとなりました。日野レンジャーは昨日の整備でリーフスプリングを一枚とり、ショックアブソーバーの設定値を調整してこの日のステージに臨んだところ、サスペンションの良好な動きを確認することが出来ました。

8月18日 STAGE 6
すべての競技車が一列に並び、一斉にスタートする迫力あるSSのスタートとなりました。この日は、川、緑、砂丘が一度に見える素晴らしい風景の中、砂丘を超えてSSのゴールを迎えるルート。日野レンジャーは、元気に一斉スタートを切り、山や砂丘を超えて無事ゴールを果たしました。

日野レンジャー

8月19日 STAGE 7
この日はSS-1のスタート地がキャンプ地となりました。スタート後、すぐに砂丘に突入。その後、川や草原を越え、アップダウンの激しい山岳コースを通過する、バリエーション豊かなコースとなりました。雨が降って水たまりができ、SS-1で出現する川渡りでは2台ほどスタックするなど、二輪や四輪にはハードなコースとなりましたが、日野レンジャーはトラックの優位性を生かし難なくクリア、ノートラブルでゴールしました。

日野レンジャー

8月20日 STAGE 8
最終日のこの日は140kmのSSをゴールし、日野レンジャーは無事ラリーモンゴリアを完走。ゴール後のリエゾンを経て、競技車は警察の先導のもとパレードを行い、セレモニー会場に到着。完走の証であるメダルを授与されました。

日野レンジャー

ラリーモンゴリア2017大会概要

開催日程2017年8月13日(日)~8月20日(日)
競技区間2934.91km
移動区間978.93km
総走行距離3913.84km

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日付ステージスタートゴール競技区間移動区間計(㎞)
8月13日(日)ステージ1ウランバートルダルンザドガド537.37178.17715.54
8月14日(月)ステージ2ダルンザドガドゾーモット464.6774.27538.94
8月15日(火)ステージ3ゾーモットゾーモット363.6151.74515.34
8月16日(水)ステージ4ゾーモットゾーモット119.940119.94
8月17日(木)ステージ5ゾーモットサイハンオヴォー444.5195.08539.59
8月18日(金)ステージ6サイハンオヴォーバヤンゴビ450.0350.69500.72
8月19日(土)ステージ7バヤンゴビハラホリン414.47136.23550.7
8月20日(日)ステージ8ハラホリンウランバートル140.32292.71433.07
   2934.91978.933913.84

※パレード25.88㎞含む

ラリーモンゴリア2017結果

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 エントリー台数完走数完走率
二輪321546.90%
四輪151173.30%
472655.30%

※トラックを含む

菅原義正ドライバー

菅原義正ドライバー:
サスペンションを変更したので、最初は少し心配していましたが、メカニックの皆さんがリーフスプリングを抜いてくれるなど、色々と作業をしてくれたおかげで、私が思った100%の性能が出ました。やはり、本当のラリーの現場で、整備の時間も限られた環境の中で競争をすることで、車両の性能がどう発揮されるかということを見るのは大切で、それはゆっくり走っていたのではわかりません。今回ラリーに出て完走でき、とても良い勉強になりました。

髙橋貢ナビゲーター

髙橋貢ナビゲーター:
最後まで、細かいセッティングを調整しながらラリーを進めてきたおかげで、いい車ができたと思っています。ナビゲーターとしても大きなミスはなく、1つでも順位を上げようと頑張りました。次のダカールラリーに向けて、出来上がった車がどのような走りをするのか、とても楽しみです。チームとしては、シルクウェイラリー、ラリーモンゴリアと二戦に参戦してチームワークを醸成してきたので、このチームワークを生かし、また車両性能を発揮できるように、ダカールラリーでも頑張りたいと思います。

日野レンジャー

岡部陽一メカニック・サブリーダー(日野自動車 車両生技部):
シルクウェイラリーでは2号車の整備を行いましたが、今回は1号車でしたので、ドライバーやナビゲーターとのコミュニケーションや、車両の特徴など異なる部分が多く、最初はメカニック陣も戸惑っていました。それでも、日を追うごとに習熟度が上がって、後半は安定した整備ができるようになりました。メカニック陣は、整備のスピードも上がり、整備内容も濃い仕事が出来ているので、この勢いでダカールラリーを迎えたいと思います。

鷹取英明メカニック(日野自動車 車両生技部):
ラリーモンゴリアには初めて参戦しましたが、他のメカニックやチームメンバーと共に、問題なくラリーの最後までたどり着くことができました。この経験を今後のラリーに生かしたいと思います。

髙野雄生メカニック(群馬日野自動車) :
シルクウェイラリーとは異なり、ラリーモンゴリアは厳しい環境だと感じることもありました。しかし、シルクウェイラリーから一緒にやってきたメンバーとのチームワークが良くなり、仕事がスムーズに進むようになったので、良かったです。これからもよりチームワークを磨き、ダカールラリーでは良い結果を残せるように頑張りたいと思います。

木下大樹メカニック(横浜日野自動車) :
シルクウェイラリーから帰国後、すぐにラリーモンゴリア参戦となりましたが、シルクウェイラリーでの2号車、ラリーモンゴリアでの1号車と、構造の違いを理解する機会があり、充実したラリー生活でした。ダカールラリーでは2台を一度に整備しなければならないので、この経験を生かしてスムーズに整備できるよう、頑張りたいと思います。

山内愛一朗メカニック(富山日野自動車) :
日野レンジャー1号車が大きな故障なく、無事帰ってきてくれたことが、本当に良かったと思います。また、菅原義正ドライバーが、「サスペンションの熟成を行うことができた」とおっしゃっていたので、嬉しく思います。

澁谷亮太メカニック(神戸日野自動車) :
日野レンジャーが大きく破損することなく帰ってきてくれたので、整備もスムーズに行うことができました。シルクウェイラリーでは2号車を、ラリーモンゴリアでは1号車を整備し、整備ポイントがつかめてきたので、この経験を生かして、ダカールラリーも皆で頑張りたいと思います。

日野レンジャー

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