シルクウェイラリー2017前半戦が終了!

2017年7月18日
No. PD18-11

ロシア~カザフスタン~中国で7月7日~22日まで開催されている、シルクウェイラリー2017の前半戦が終了し、16日に中国のウルムチで休息日を迎えました。今回のダカールニュースでは、前半戦の様子と、休息日におけるメンバーのコメントをお伝えします。

カザフスタンの大地を疾走する日野レンジャー
カザフスタンの大地を疾走する日野レンジャー

7月6日、メンバーは書類審査と車検に臨み、無事に合格。車両はパルクフェルメに収められました。

7月7日、モスクワの赤の広場で、スタートセレモニーが開催されました。会場内のステージではライブが開催されるなど、セレモニーは賑やかな雰囲気の中で行われ、競技車両が紹介されるポディウムにも、多くの観客が詰めかけました。日野レンジャーがポディウムに到着し、「HINO!」と高らかに紹介されると、それを見守る観客も大いに盛り上がりました。

車両はパルクフェルメに
車両はパルクフェルメに

7月8日、いよいよステージ1がスタートしました。この日は、SSが61.43kmとそれほど長くはないステージで、日野レンジャーは、初日を堅実な走りで終えました。

7月9日、ステージ2では、連日降り続いた雨の影響で地面がぬかるみ、SSのスタートから30km地点にある湖の土手で泥にはまりスタック。SCANIAに牽引してもらうも、牽引ロープが切れたはずみであわや横転という状況になりました。これにより、日野レンジャーは大幅なタイムロスを喫し、102時間のペナルティが課されてしまいました。

湖の土手で泥にはまりスタック
湖の土手で泥にはまりスタック

7月10日、ステージ3は、ロシアからカザフスタンへと国境を越えるコースで、狭く曲がりくねった道を行くナビゲーションの難しい高速ステージとなりました。メカニックの頑張りのおかげで、前日のスタックの影響なく、日野レンジャーらしい走りでゴールしました。

7月11日、ステージ4では、今大会で初めて2つのSSが登場するステージとなりました。ハイスピードの草原、なだらかな丘陵コースで、本来ならばよりスピードが出せるコースでしたが、連日の雨の影響で道がぬかるみ、思うようにスピードが出せないステージでした。

日野レンジャーらしい走り

7月12日、ステージ5はSSが484.47kmと長く、カザフスタンのステップを駆け抜ける高速ステージとなりました。連日の雨の影響による荒れ地の回避や、曲がりくねった道のショートカットなど、ナビゲーション力が問われるステージとなりました。

7月13日、ステージ6では、SSのスタートから60kmの地点で前を行く車両がスタックしており、それを避けようとした日野レンジャーもスタック。結局、カミオンバレー※に救出してもらうという状況になりました。そのため、前半で多くの時間を使ってしまい、後半のSSでは雨が降り始め、川が増水し泥のエリアが広がるなど、天気の影響を大きく受ける結果となってしまいました。

※レースの最後尾から、救援活動やリタイヤした選手や車の回収を行う主催者のトラック。

ナビゲーション力が問われるステージ
天気の影響を大きく受ける結果

7月14日、ステージ7はカザフスタンから中国に入るステージで、SSは106kmとそれほど長くはなく、天気にも恵まれました。その分、砂埃が立ち込め視界が悪く、コース中には細かい穴が空いていて、リスクのあるステージとなりました。

7月15日、ステージ8は昨年とほぼ同様のコースで、今大会で初めて砂丘が出現。キャメルグラスが生えるアップダウンの激しい砂丘や、丘陵地帯を抜けるテクニカルなステージでした。前半戦を終えて、日野レンジャーはトラック部門総合11位となりました。

7月16日、ウルムチで休息日を迎えました。競技は一旦中断となり、選手は体を休める一方で、メカニックにとっては正念場の日です。エンジンやギヤオイルの交換などを行い、日野レンジャーをリフレッシュさせ、後半戦に向けて準備を整えました。

日野レンジャーらしい走り

菅原照仁ドライバー:
今回は雨の影響で、路面コンディションが非常に厳しい前半戦となりました。タイムを求めずにゆっくり走れば問題のないコースでしたが、レースなので、スピードを出していけるところは出していく判断をしなければなりません。その結果、雨が降ると滑りやすいロシアやカザフスタンの土の中で飛ばし、コントロールがきかなくなって車が滑ってしまうという状況に陥りました。他のチームでは転がってしまう車が多く、我々のチームもあやうく2回、そのような状況に陥りそうになりました。難易度ではなく、リスク度が高いレースだったと思います。競合車は、今年のダカールラリーの時よりも、もっと早く走るためのトライをしているという印象です。すぐにレースで結果を出せるものではないのですが、今から着手して2~3年後に成果が表れるような改良も行っています。後半戦は泥が少なくなり砂丘になるので、我々が今回のレースで確認したい部分を、きちんと確認したいと思います。

菅原照仁ドライバー

杉浦博之ナビゲーター:
前半戦は、雨と泥がすごくてレーシングスピードに乗せられず、フラストレーションのたまるレースでしたが、中国に入って砂丘や砂地エリアを、未舗装路でつなぐようなコースになったので、楽しくなってきました。前半戦の方がモンゴルと似ていて、ナビゲーションの難しさがあり、得意としているコースではあったのですが、雨の影響で道が悪く、実力を発揮できず残念でした。昨日は少し脱水症状気味になってしまい、ナビがうまくいかなかったのですが、15日の前半はナビがうまくいき、やっと自分の好きなラリーになってきたなと思いました。17日から砂丘が続くので楽しみです。

杉浦博之ナビゲーター

鈴木誠一メカニックリーダー:
オフロードのレースは車がとても汚れるので、メカニックの皆さんは洗車に苦労しているようでした。後半は、もっと効率よく整備をしてもらえれば、皆さんもゆっくり休めると思うので頑張ってほしいです。

鈴木誠一メカニックリーダー

岡部陽一メカニック・サブリーダー:
今年は、いきなり雨でどろどろの中、整備が始まりました。次の日は日野レンジャーが横転しかかり、翌日までにリアボデーの修復を完了しなければならず、今までにないような整備も行いましたが、その経験が活きてチームワークが良くなり、絆も深まってきたと思います。整備は、システマティックに動けるようになってきたので、効率が上がりました。後半戦は砂丘のコースなので、さらに車に負荷がかかると思いますが、毎日みんなできちんと点検して、万全な整備を行いたいと思います。

岡部陽一メカニック・サブリーダー

髙野雄生メカニック(群馬日野自動車):
前半戦が終わりましたが、すごく楽しかったです。整備をしている時は大変で「眠いな」「寒いな」と思いましたが、普段の仕事ではできない場所で整備をし、新しい経験もできてよかったです。今まで、整備はチームというより個人でもできるものだと思っていましたが、ここでは1台に6人がつき、他の人のことを考えながら整備をする大切さを感じました。後半戦も、お腹を壊さないように頑張ります。

髙野雄生メカニック(群馬日野自動車)

木下大樹メカニック(横浜日野自動車):
前半戦は、雨が降ってどろどろになったり、日野レンジャーがステージ2で横転しかかったりと大変なことが多く、長いようであっという間でした。このラリーの特性なのか、レース全体で旅していくという感覚で、全員が敵であり味方であるという、とても人間味があるなと感じています。違うユニフォームを着ていても、それとは関係なく色々な方々とコミュニケーションをはかることができて、楽しいです。今のところ体調も崩さず過ごせているので、後半もみんなでよい仕事が出来るように頑張りたいと思います。

木下大樹メカニック(横浜日野自動車)

山内愛一朗メカニック(富山日野自動車):
前半戦は雨と泥がすごくて、連日の整備が本当に大変でした。ラリーは色々な意味で、本当に過酷だなと思いましたが、自分が成長できるチャンスだと思っています。後半戦も、自分がやるべきことをやるのみです。

山内愛一朗メカニック(富山日野自動車)

澁谷亮太メカニック(神戸日野自動車):
前半戦は雨が降って寒く、泥の中での整備で体力的にきついと感じました。また、ステージ2でいきなり日野レンジャーが横転しかけたのですが、情報を受けとった私たちも詳細は何もわからない状態で、「走れるのか、リタイヤなのか」と緊張が走りました。日野レンジャーが無事帰ってきて、「何とか翌日も日野レンジャーが走れるように」と、みんなで夜通し整備を頑張り、そこからより強固なチームワークを築けた気がします。整備の流れは慣れてきたのですが、慣れてきた頃が一番ミスが出やすいので、気を引き締めて後半戦もミスのない確実な整備で、みんなで乗り切っていきたいと思います。

澁谷亮太メカニック(神戸日野自動車)

田中宏治サポートカードライバー:
レースが始まり、ロシアから中国のウルムチに入るまで、雨がすごくてビバークに着いてからの準備が大変でした。また、今大会は、ロシアは道はよいのですが移動距離が長いという点で大変でしたし、カザフスタンに入ると、道が悪くてスピードが出せず、競技車両より遅くついてしまうということが何度かあり、大変でした。ステージ2では、日野レンジャーが横転しかかりましたが、一報が入った後、私の運転するサポートカーは日野レンジャーを救出するべく、元来た道を戻りました。結果的には、私たちが到着する前にカミオンバレーに救出されたので、私たちはまた元来た道を戻りビバークに向かいましたが、救出のために戻る道中、情報が少ない中で何が必要なのかを考えなければならないところが、レースの難しいところです。後半戦は、中国に入り交通状況もまた変化しているので、さらに細心の注意を払いながら頑張りたいと思います。

田中宏治サポートカードライバー

バイラー サポートカードライバー:
先日、HINO700Series ZSがパンクをしてしまったので、その修理を行うなど、今日の休息日は十分にメンテナンスを行いました。後半戦も頑張るのみです。

バイラー サポートカードライバー

サンチル サポートカードライバー:
車中では、メンバーと共に楽しく過ごしています。後半戦も頑張ります。

サンチル サポートカードライバー

サイト内検索