ダカールラリー

2016.11.2 No. PD17-08

DAKAR RALLY NEWS hearder

 

「10リットル未満クラス8連覇、1・2フィニッシュを狙いながら、総合でも上位に食い込んでいきたい」ダカールラリー2017参戦発表会を開催

10月21日、日野チームスガワラによる「ダカールラリー2017参戦発表会」が日野自動車の本社で開催され、チームメンバーがダカールラリー2017への熱い意気込みを語ると共に、完成した2台の日野レンジャーがお披露目されました。

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 参戦発表会では、冒頭、市橋社長が、日野自動車がダカールラリーに挑戦を続ける意義を語り、続いて2号車のドライバー菅原照仁さんが2017年大会のコースの特徴と、参戦車両の改良点について説明。その後、メカニックを代表して福島日野自動車の吾妻広之さんが意気込みを語り、最後にチーム代表兼1号車ドライバーで大会最多の33回連続参戦記録を持つ「ダカールラリーの鉄人」こと菅原義正さんが決意表明を行いました。

 また、次回大会に向けて、レーシングスーツが新調されたことが紹介され、日野チームスガワラの挑戦を続ける姿勢、燃えるような情熱が伝わる、赤を基調としたデザインが初公開されました。

 

日野自動車 市橋保彦社長
「世界一過酷なラリーに参加するのは、クルマづくりとサービスの技術力を鍛えるため」

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 私たちの使命は「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する」ことです。その使命を果たすためには、品質・耐久性・信頼性の優れたクルマを作り、稼働を止めないサービスが不可欠です。そのため、世界一過酷といわれるダカールラリーに挑戦を続けることで、日野は車づくりとサービスの技術力を鍛えてきました。
 昨今では、インターネットで注文をすれば何でも自宅に届く便利な世の中になりました。また、働く世代の育児・介護による多忙、地方の過疎化、高齢者の外出が困難なことなどの社会情勢の変化により、トラックによる物流が果たす役割はますます大きくなっていくと考えられます。一方で、少子高齢化に加え、若者のクルマ離れが進み、業界を支える人材不足が深刻な問題となっています。
 そこで日野は、様々なイベントでダカールラリーに参戦した「日野レンジャー」を出展したり、菅原さんにラリーについてお話し頂く活動に注力しており、おかげさまで毎回多くの方にご好評を頂いております。
 トラックを作る人、運転する人、整備をする人、誰か一人が欠けても物を運ぶことはできません。日野は、多くの若い世代にトラックに興味を持って頂き、「トラックを作ってみたい」「ドライバーになりたい」と感じて頂けることを願っています。

 

2号車ドライバー 菅原照仁さん 「今まで以上に攻撃的に上位を目指していきたい」

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 次回大会は、2009年にレースがアフリカから南米に移って、9年目の大会になりますが、初めてパラグアイをスタートします。首都のアスンシオンをスタートして、アルゼンチンを通過、その後ボリビアに入り、アルゼンチンに戻ってきて、ブエノスアイレスでゴールするというコースが発表されています。
 大会の特徴としては、ボリビアの標高が高いところです。標高が約4,000m近いところを通過する場所が多くあり、我々がキャンプする街も3,000m超で、富士山の頂上の様なところにキャンプを張りながら移動していくという過酷な場所になります。また、アルゼンチンの後半部分が、砂漠砂丘の多いエリアで、厳しいステージが予想されます。世界一過酷なレースといわれているので毎年厳しく、次回も短い期間となりますが厳しいレースになると予測しており、特に後半が勝負になると考えています。
 また、参戦車両は、私が乗る2号車を新造で製作頂きました。1号車は昨年に引き続き同じ車を使っています。
 車両の改良点としては、大きく2点あります。
 まず、エンジンは、2014年に8リットルのエンジンから9リットルのエンジンへ変更し、そこから段階的に強化をして、実践テストを重ね、進化をさせてきました。次回大会に向けてはエンジンの内部に手を加え、レース専用のスペシャル品を投入し、非常にパワーが出る印象を受けています。
 次に、サスペンションです。ダカールラリーでは、でこぼこ道をいかに早く走るかという点で、非常に重要なウェイトを占める部分です。そのため、今年、モスクワから北京という11,000㎞を走るレース(シルクウェイラリー)に参戦してきて、色々とテストをしてきました。具体的には、前回までは2枚のリーフスプリングでしたが、耐久性をあげるために3枚にしています。一方、後ろのサスペンションは、去年まではモノリーフスプリング(1枚だけのリーフスプリング)でしたが、これを2枚にし、耐久性を上げています。ただ単なる耐久性の追求だけではなく、路面追従性も残した上での改良を加えています。
 最近では、上位チームは昔と違って台数が増えており、6~7台で参戦するチームが多く、上位を目指していくのが難しい状況にはなっていますが、それでも我々が目標にしている総合上位というのを十分狙えるような車になりつつあると思っています。
 また、今年ウェアを新調しました。1991年から日野自動車がダカールラリーに参戦を始めて、前回大会で25回連続完走という記録が取れたので、また新しい歴史を始めようという気持ちも込めて新調いたしました。次回26回目の大会も、今まで以上に攻撃的に上位を目指してやっていきたいと思っております。

 

メカニック 吾妻広之さん 「チームワークで困難を乗り切り、世界最高の整備力を発揮したい」

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 私たち、販売会社メカニックは、ダカールラリーに参戦できることを、とても光栄に思っています。
就職活動をしている時に、ダカールラリーで砂漠を走る日野のトラックの姿を見てとても驚き、さらに、メカニックが販売会社から選出されていることを知って、「いつか、自分もあのトラックの整備をしてみたい」と思い、福島日野に入社。精一杯努力して、2017年のダカールラリーに参戦させて頂くことになりました。
 今年の7月には、実戦トレーニングとして、シルクウェイラリーに参戦。初参戦で、戸惑うこともありましたが、チーム一丸となって助け合い、見事完走することができ、とてもいいトレーニングになりました。
 来年1月のダカールラリーでは、完走はもちろんのこと、順位を少しでも上げられるように、全力で作業し、福島で応援して下さっている会社の方々、そして家族に、最高の笑顔を見せられるように、頑張りたいと思います。
 福島では、震災の影響で、私たちは「明日がどうなるかわからない」という、本当に不安な気持ちで毎日を過ごしてきましたが、職場の仲間や家族と力を合わせることで、そのような試練を乗り越えることができました。おそらく、ダカールラリーでは、毎日、想像もしていないような、様々な困難が待ち受けていると思いますが、チームの仲間と力を合わせれば、必ず乗り越えられると信じています。
 ダカールラリーで、日野レンジャーは「リトルモンスター」と呼ばれているそうですが、私たちメカニックも、ライバルたちから「リトルモンスターズ」と呼ばれて、恐れられるくらいに、世界最高の整備力を発揮したいです。
 みなさん、日本から、私たち「日野チームスガワラ」を応援してください。よろしくお願いします。

 

チーム代表兼1号車ドライバー 菅原義正さん
「日本だけではなく、世界から注目を浴びているので、気を引き締めて頑張りたい」

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 日野自動車は1991年の創立50周年記念の事業としてラリーに初参加し、私は、1992年からハンドルを握らせて頂いています。
 最初にトラックで参戦した際、なんとか好成績を収めることができ、現在があります。そこで失敗していたら、今、この場にはいられなかったと思います。
 ですので、今年、2号車は、車のテスト、販売会社の皆さんの訓練も含めて、シルクウェイラリーに出てもらいました。 競技を体験し、そこでの悪かった部分をなおして本番に備えることができるので、とてもいい練習になったのではと思います。
 参戦車両ですが、10月16日に日野自動車の茨城テストコースでテスト走行をしてきました。フラットなところでS字を書くように車を走らせてみたところ、今までは後ろのタイヤが回らなかったのですが、今回はアクセルをちょっと踏むだけでスピンするくらい後ろのタイヤが回り、非常にパワーが出ているので楽しみにしています。
 また、先日、世界約90カ国から約300名の日野自動車の販売代理店の方々が集まる機会があり、そこで話をさせて頂いたのですが、日野レンジャーの活躍に対して皆さんが期待して下さっていて、日本だけではなく世界から注目を浴びているので、気を引き締めて、頑張りたいと思います。今年から、アルゼンチンに日野の販売代理店が設立され、そこで整備ができるようになりました。我々やメカニック、関係して頂いている人一丸となって戦いますので、また今年もぜひ、応援よろしくお願いいたします。

 

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 同日午後、協賛会社や日野グループの社員が出席し、日野チームスガワラの壮行会が開催されました。中根取締役・専務役員より「26回の連続完走、クラス8連覇、34回の連続参加という大変重要な記録がかかった次回のダカールラリー。夏のトレーニング合宿の成果を存分に発揮し、悔いのないよう頑張っていただきたい」とエールが送られ、最後は「テッペンとるぞ」という掛け声のもと、壮行会の参加者全員で「エイエイオー」とこぶしをあげて、会場には大きな声が響き渡りました。